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私にとっての「美しい味」の基本は、子供の頃に母がこしらえてくれた日々の食事の中にあるような気がいたします。といっても、特別なものは何一つありません。ガス釜で炊いたつやつやご飯、かつお節を削って丁寧に出汁(だし)をとり、豆腐やワカメを入れたお味噌汁、琺瑯(ほうろう)の糠床で色よくつけられた胡瓜や茄子、ふっくらと炊かれたうす甘い金時豆、そして祖父がひいきにしていた魚屋がお勧めのぶりの照り焼き。当時は、それが当たり前で「何だか地味だわ」と、洋風メニューに憧れたものでしたが、今から考えるととっても贅沢だったのですねぇ。 |
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