| 影膳の主へひとしな胡瓜揉み |
つましさを今日も揉まれる胡瓜かな |
| 胡瓜揉み嫁入り道具の塩加減 |
初夏の色と香を揉む胡瓜かな |
| 胡瓜揉み婆の手計り塩加減 |
残されし胡瓜一本揉みにけり |
| 母の笑み誘ひ出したる胡瓜揉み |
胡瓜揉み余った塩で腹を揉み |
| 胡瓜揉み香る鮮度へダイエット |
胡瓜揉む妻の背中の丸さかな |
| いっぽんの胡瓜揉みを喰らいつく |
世話女房板についたる胡瓜揉み |
| あやかしの胡瓜揉み手眺めつつ |
胡瓜揉み八十の手に変わりなき |
| 胡瓜揉みひと花さかす夕餉なり |
胡瓜揉み故郷の響き懐かしき |
| しなやかな指が奏でる胡瓜揉み |
背伸びせぬ二人の余生胡瓜もみ |
| 今朝採りのとげ手に痛き胡瓜揉み |
叱られし母の思い出胡瓜揉み |
| 平凡な事の幸せ胡瓜揉み |
いま母のいればと思う胡瓜揉み |
| つきだしの妻の十八番の胡瓜揉み |
母の来て瞬時に作る胡瓜揉み |
| 胡瓜もむ六時のニュース胡瓜もむ |
具材にも家伝のありて胡瓜揉み |
| 胡瓜揉む妻の手際や母譲り |
胡瓜もみ食べて静かな余生かな |
| 胡瓜揉む手つきも味も祖母譲り |
胡瓜揉分ける小鉢やともしらが |
| 胡瓜もみ季節を越えた菜になり |
厨より甘酢の匂い胡瓜もみ |
| 厨を満たす緑の響き胡瓜揉み |
湯沸しの音に重なる胡瓜揉み |
| 菜園の初料理なり胡瓜もみ |
包丁を競う姉妹の胡瓜もみ |
| 胡瓜もむ妻のエプロン板につき |
口数の少なき娘の胡瓜もみ |
| 胡瓜もむ母の面影眼間に |
飾らない母の人柄胡瓜揉み |
| 胡瓜揉み旬なくなれどやはり季語 |
時折は不満も入れて胡瓜揉む |
| 大振りの勢い残し胡瓜揉み |
胡瓜揉みややは座敷を逃げ回る |
| 胡瓜もみ今なら母に言えること |
さっぱりは母親譲り胡瓜揉み |
| 度忘れをひょと思い出す胡瓜揉み |
胡瓜揉み母のげんこつよみがえり |
| ほんたうのおふくろのあじ胡瓜揉み |
古稀過ぎて味わい深し胡瓜もみ |
| 胡瓜揉み塩味うすくのこしけり |
白胡麻を一振りかけて胡瓜揉み |
| 朝採りの味を揉まれる胡瓜かな |
胡瓜揉み塩は天然仕込みなる |
| 傷付けし指に沁みいる胡瓜揉み |
しんなりに加え歯ごたえ胡瓜揉み |
| 男には男の流儀胡瓜もむ |
酢と塩のきりつとうまき胡瓜揉み |
| 胡瓜揉み勘を信じて妻六十 |
暑い日の付きだし一品胡瓜揉み |
| 胡瓜もむ妻口ずさむ童唄 |
胡瓜揉み塩ひとふりの力かな |
| 帰省児が母に所望の胡瓜もみ |
晩酌の夫に付き合ひ胡瓜もみ |
| 厨から胡瓜揉むらし香りして |
海の幸混ぜて洋風胡瓜もみ |
| 胡瓜揉み夫の好みに酢の加減 |
肩のこりほぐすごとくに胡瓜揉む |
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