| 弾ける日光を喰らうが栗うまし |
声上る方に駆け寄り栗拾ふ |
| 栗飯やいまだ現役母の味 |
遠き日の坊主頭や栗の毬 |
| 笑い栗飛んで弾けて親離れ |
弟が反撃をする栗のイガ |
| 栗拾い拾う子供の笑顔かな |
遠きこえ鮮明なるや栗ひろい |
| ねんごろに破顔一笑栗と栗 |
冷麦を懐かしみつつ栗ご飯 |
| 子煩悩な父なりしかな栗ご飯 |
婦人部の慰安旅行の栗拾い |
| 栗ひらふ保母も園児も重装備 |
焼栗を食べて歩くやパリの旅 |
| 秋冷の栗林公園松ばかり |
不精なる夫に栗剥く妻やさし |
| 毬栗を返へしてみれば空の毬 |
外つ国に生まれし子等に栗きんとん |
| 七十年無骨に生きて栗を食む |
栗拾ふ子は一斉に爆ぜにけり |
| 毬栗を返へしてみればただの毬 |
山栗になほひとしほの土かほり |
| 故郷を思ふよすがの丹波栗 |
栗刺を見て孫を床屋に連れて行く |
| 栗のイガ母が幼子守るよう |
子供らの作品展や栗実る |
| 寄り添ふて仲良く並ぶ毬の栗 |
一本の栗の木見張る散歩人 |
| 栗食めば子供おもほゆ単身者 |
山栗や茹で炊き焼いてフルコース |
| 栗の毬を踏んで真白な雲を見る |
栗飯や我家の味を噛みしめる |
| 噛むほどに少年時代栗の味 |
栗をむく妻の背まるき夕あかね |
| 栗爆ぜて冥王星は青い星 |
音なしの厨よどみし栗三つ |
| いつまでも二人寄り添い栗ひろい |
栗飯の数に兄弟目をこらす |
| 吾子歌ふ大きな栗の木の下で |
父母をイガ栗にする通信簿 |
| 栗おこわ蓋取る時のしたり顔 |
焼き栗を分け合う二人暖かい |
| 栗剥いて夜なべの母を思いをり |
栗の毬剥いて原始の人想う |
| 笑みし栗見上げる枝の栗笑みて |
団欒がほっこりとある栗ご飯 |
| 勲章のやうに手につく栗の渋 |
マロン買う夜のマロニエの石畳 |
| 垣根越し湯気上げてゐる栗おこわ |
焼き栗の甘さのデート中華街 |
| 公園の匂ふ向かひに栗の花 |
栗御飯先づは親しき仏から |
| 100円の栗羊羹のシヨツプかな |
栗を剥く母の背中に夕陽射し |
| 栗を食べ冥王星をクリックす |
いが栗や嘘の刑には針千本 |
| 忍耐が栗の皮剥く渋皮煮 |
ポケットで栗が転がる虫歯かな |
| 親王を祝ふ夕餉の栗おこわ |
知らぬ子に栗剥く寄席のお中入り |
| 栗食べて遠き中国ふと思ふ |
栗飯のほっこり家族暖かい |
| 栗よりもうまいと言いて焼芋屋 |
栗のいが痛し生れて九十年 |
| 毬栗や声潜ませて隠れん坊 |
栗拾いアウトドアーの好きな僕 |
| 甘栗の皮割る指の素早さよ |
衣脱ぎ栗栗坊や顔を出し |
| 悪妻と言うほどで無し栗を剥く |
栗の花放つ匂ひは強烈だ |
| 稜線の昨日より今日栗の毬 |
鎧着たやつらと遊ぶ栗拾い |
| 栗飯や栗拾われて穴だらけ |
孫の来て居間迄香る栗ごはん |
| リハビリの祖母の手の中栗三つ |
笑い栗四方山話で空になり |
| 故郷を父は語らず栗の飯 |
栗の皮指の皮とも紛戦し |
| 大栗も小栗もありて子の選ぶ |
栗落ちる音葉するる音夜も濃く |
| 駅弁や栗を最後の楽しみに |
栗皮むくと同時につままれて |
| 窓開けて栗名月を食卓に |
皮をむく母の手荒れる栗ごはん |
| 栗拾うこれが幸せかもしれぬ |
栗の皮二時間ドラマで剥き終へり |
| 爪入れて甘栗を割る妻ノ技 |
栗拾い秋の味覚に1ページ |
| 鎧うこと覚え独りの栗の飯 |
栗ごはん月見の膳に母想う |
| 団欒の隣で一人栗を剥く |
手を広げ里で待ってる栗の木かな |
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