| 鮎食べに来いよと友の電話かな |
鮎食べて発車時間に間に合わず |
| どの山も青し風立つ鮎の川 |
三人が休暇とる鮎解禁日 |
| 鮎談義われには疎き里泊り |
若鮎を炭火で焼いて友かたる |
| 鮎解禁はらからなれど釣敵 |
身を押え一気に引抜く鮎の骨 |
| 石苔の腸の妙味や鮎の串 |
鮎料理まず名水でもてなされ |
| 釣り天狗おらが穴場の囮鮎 |
鮎食べるきれいな人の箸遣い |
| 鮎と鵜といづれあはれや鵜飼の火 |
釣り人の腰に釣果の鮎の籠 |
| 鮎釣を飽かず見てゐる鮎嫌ひ |
故郷の誇りを今に鮎の川 |
| 釣り糸に始まる水尾や鮎を待つ |
河川には戦場多し鮎を釣る |
| 友釣りの鮎にも似たり人の世は |
種鮎の行く手逆巻く荒瀬かな |
| 囚はれの身はしくじりと鮎の口 |
鮎釣りを語って倦まぬ友も亡く |
| 貴船路や川音高き鮎の膳 |
隊列の列を乱して鮎光る |
| この鮎の出自は鳰の湖かとも |
激流を小石集めて鮎生簀 |
| 鮎の宿魚拓ひろげて夜もすがら |
船底を投網とかれて跳ねる鮎 |
| 見てゐたり鮎清流をひとつとび |
釣る方は人に任せて鮎づくし |
| 香魚食ぶ川音高き宿にして |
初鮎の形よく焼けて瀬音かな |
| 山の宿あゆの皿のみ積まれけり |
瀬を跳ねる若鮎ありて足を止め |
| 鮎麗し塩乗せ焼かれをりてなを |
鮎食べて故郷の話となりにけり |
| 化粧塩に身をおどらせて鮎小さし |
鮎の瀬の光に打てる投網かな |
| 鮎解禁待つて怠りなき準備 |
ガツと来る荒瀬の鮎の魚信かな |
| 若鮎のぴちぴちしたり心燃ゆ |
一幅の絵となる皿の鮎の塩焼き |
| 友釣の鮎に似たる友のあり |
水系の違いに鮎の異なれり |
| 銀鱗やはねた形に鮎を焼く |
びつしりと竿の放列あゆ解禁 |
| 一匹の群れを離るる鮎の宿 |
鮎の身の反りそのままに化粧塩 |
| 姿愛で色香を誉める鮎料理 |
はんなりと骨を抜かるる京の鮎 |
| 深緑で川面覆いて鮎解禁 |
川床の瀬音も一品鮎料理 |
| 流れより早き青あり鮎の川 |
店先でまた繰返す鮎談義 |
| 鮎跳ねて早瀬は暫し風の音 |
残されし骨美しく香魚たり |
| 万緑に溶け込まんとや鮎跳ねる |
日の暮れて瀬音の高し鮎の宿 |
| 釣り上げて鮎の鼓動を掌に |
鮎上る川は光の帯となり |
| 鮎呉れて釣の奥義をひとくさり |
快気祝い発送完了鮎を食む |
| 囮鮎やがて哀しく友を引く |
鮎抱いて懐深き長良川 |
| 串鮎をほおばる子等に峡の風 |
現役のひたすら奔る香魚かな |
| 鮎釣りや流れの中の杭に似て |
ふる里を恋ふる瀬音や鮎の宿 |
| 鮎釣りの名手無職と答えけり |
鮎の瀬に竿の砲列解禁日 |
| 鮎の串女人の指にほぐれけり |
初夏の香りいただく鮎料理 |
| 串刺され鮎の焼き汁炭火泣き |
鮎焼いて夫との日々を想いをり |
| 鮎の宿瀬音の中に眠りけり |
故郷を思う縁の鮎料理 |
| 鮎を焼くだけの燠火や穂高の湯 |
鮎焼きや友の講釈なほ続く |
| 川風を添ヘて出される鮎料理 |
甘露煮の鮎の昆布巻き祖母の味 |
| 一振りの荒塩旨し鮎を食ぶ |
鮎の香を引立てている蓼酢かな
|
| 鮎の身を香を残さずに食べにけり |
鮎突いて水の童でありし事 |
| ざるそばに添えて小鉢の鮎の腸 |
提灯に「あゆ」の二文字鮎の宿 |
| 鮎走る川の匂ひの甘かりき |
夜通しの全灯消へぬ鮎の宿 |
| 釣師みな夜明け待たるる鮎の宿 |
水系の異なる鮎のすがたかな |
| 化粧塩崩して鮎の香りかな |
囮鮎元気なものから買われけり |
| 釣り人の長良川も木曽川も鮎の川 |
鮎走る光が走る水走る |
| なにもないがとあゆの塩焼き出されけり |
解禁に合はせて予約鮎の宿 |
| 眼裏に流るる故郷鮎の川 |
青笹に包まれ鮎のおすそ分け |
| 鮎釣るや郡上仕立ての解禁日 |
花嫁を見送る鮎のまた跳ねる |
| 出されしは最後に雑炊あゆづくし |
手づかみの苦さのよしや 鮎一尾 |
| 店といふ店おとり売る鮎の村 |
焼鮎や白磁の皿に身を反らせ |
| 豆腐屋も囮あきなふ鮎の村 |
ちらほらと客来て鮎焼き本腰に |
| 白々としらじら明くるあゆの宿 |
落鮎や網目模様に水光る |
| おとり鮎換へて浅瀬を渡りけり |
身をほぐし香りかき混ぜ鮎の飯 |
| 鮎の瀬に互いに見せ合ふ釣果かな |
釣糸の雫ひかりし鮎の影 |
| 鮎釣りや人それぞれの穴場あり |
幼子の足にまつわる鮎の影 |
| 天竜川の鮎の香りのむかしかな |
娘へとリピートしたる鮎の宿 |
| 姿誉め色香讃えて鮎料理 |
鮎食べて瀬音残して別れけり |
|