| 梅干して雑言飛ぶや星の庭 | 焼酎に梅干一つ入れにけり |
| ふる里やすっぱい梅干母の味 | 梅を干す妻の手つきの母に似て |
| ブランデー梅干ぽとりとどめおき | 梅干にしばし言葉を失いし |
| 老いの指梅干サンド宴かな | 梅干を地雷の如く握り飯 |
| 梅干や袖赤く染め白い服 | 頼らるも生甲斐梅を干す |
| 若者や梅干入れてお好焼 | 離れ住む子を思ひつつ梅を干す |
| コロッケの中から梅干顔を出し | 青空を隈なく使い梅を干す |
| 梅干の天ぷら食べる子大きな目 | 梅干して梅の効用ひとくさり |
| 梅干と白米腹に剣にぎる | 梅干を茶請けに恙無き暮し |
| 梅干のお結びありて伊達強し | 梅干して試食してみる塩加減 |
| 梅干のたかがされどやにぎり飯 | 梅干を薬の如く朝の膳 |
| 里の叔母紫蘇の梅干出しくれし | 身の丈に会わす暮らしや梅を干し |
| こめかみに梅干貼って頭痛を治す | 梅干の色極めたる紅さかな |
| 大粒の梅干朝の潤滑油 | 梅干や折詰の蓋紅く染め |
| 走り出す雲見送つて梅を干す | 梅干に母の温もりありにけり |
| 梅干に驚いてゐる眉毛かな | 梅干に詰まる想い出幼き日 |
| 白米に一番合うのは梅干しだ | 梅漬けて母のレシピを思い出す |
| 梅干や炊き立てめしに蹲り | 風邪ひいて梅干粥の遠き日々 |
| 梅干をのせる真白きご飯かな | 梅干の小粒を選ぶ子供かな |
| 郷愁てふ病癒さる梅干かな | 梅干に母の半生思いみる |
| 梅干や母の手作り待ちわびて | 梅干に元気を貰い登校す |
| 梅干に砂糖やさしき宿の朝 | 梅干や割烹着の母若かりし |
| 梅干しや母の手皺を映すかに | 梅干に不覚の顔をしかめをり |
| 梅干をつけたる母の手のしわかな | つましさがいつか身に添い梅を干す |
| うめぼしをごはんにのせたらJapanの味 | 梅干や酸いも甘いも噛み分けて |
| 梅干でご飯食べたり満足か | 満天の星に干梅預けたる |
| 梅干をご飯で包み遠足か | 梅干に風味を添える風の道 |
| 梅干の強いみかたはごはんなり | 梅干に箸の重みの風邪の床 |
| 何もなくご飯のあては梅干か | 太陽を一人占めして梅を干す |
| 友と語り杯かさねし枝豆か | 梅干の風の鍛えし紅さかな |
| うめぼしのすっぱさひろがる口のなか | 梅干を朝餉に添えて恙無し |
| 干梅の何時になく空仰ぎけり | 梅干や肩を落して皺を寄せ |
| 枝豆の運ばれてくる下駄の音 | 梅干の手塩をかけし酸味かな |
| ばあちゃんの味をいつしか伯母が継ぎ | 梅干を恐々嘗める子供かな |
| 梅干のあれば事足る朝の膳 | 梅干や隠し切れない胸の内 |
| テーブルにいつもうめぼしある暮らし | 不揃いな梅を揃えて干しにけり |
| 起き掛けの梅干ひとつ目覚ましに | にぎりめし中から小さく顔出す梅 |
| 干し梅を漬ける手に染む紫蘇の赤 | 梅干しの香りただよう土用干し |
| 梅干やまんまん中に昼迎ふ | つぼの中早く熟せ梅干しよ |
| 梅干の顔を顰める 日の重み | 太陽が梅干してらす夏の味 |
| 梅干の噴出す塩の正方形 | 晴れた日に干されて赤に変わる梅 |
| 梅干は宝なりけりパリの宿 | 梅干しのまだ若き日はにがにがし |
| 梅干の壷やしんがり引越し荷 | お茶漬けに梅干ひとつ味わいぬ |
| 梅干しを食べるとみんなおちょぼ口 | 梅干の骨の芯までしょっぱくて |
| ただ一つ梅干しあればすすむ飯 | お茶請けに梅干ひとつ形よく |
| 夕焼けの色に似てるね梅干しさん | 梅干に祖母の想いをいただけり |
| 梅干や口のほころびととのひて | 純白のごはんにひっそり梅ひとつ |
| 生涯をあるてふ梅を又干しぬ | 梅ひとついろんな想いありにけり |
| しょっぱさは梅か涙か母の形見 | 梅干にはるかな祖母を想いけり |
| 塩梅を忘れし初漬けの梅よ | 日本人梅干熱くいただけり |
| 倅へと梅干す三日三晩かな | 梅ひとつそれで弁当腐るまじ |
| 梅を干す母のもんぺは紺がすり | 弁当に毒消しの梅ひとつ入れ |
| 梅干や一年物の恋の味 | 梅干せばぽとりぽとりと紫蘇の汁 |
| 梅干はすっぱいけれどかかせない | 梅干して明日を占ふ晴れか雨 |
| 梅干しの香りで旨し茶漬けかな | 梅漬ける甕(かめ)に思ふや亡母(はは)の顔 |
| 梅干の母の苦労や少年期 | 梅干すに天日気随に翳りけり |
| 梅漬けて吾を労わる妻なりし | 干梅や一つ一つに皺違ふ |
| 年老いた海女も梅も干されけり | 姑の視線気にせず梅漬ける |
| 干し梅に日の匂いする夜の静寂 | 狭筵に隈なく並べ梅を干す |
| 日の匂う干し梅反す夜の軒 | 夜干しせし梅の匂ひく稿(こう)の部屋 |
| 梅干や白きご飯の峰高く | 干梅や庭で採りたる地産もの |
| 梅筵日を吸ひ赤き地表かな | 梅干して年中行事はこれぞのみ |
| 梅干の蔵となりたる生家かな | 干梅に皺の目立つも吾若し |
| 梅干や時超えて来し母の味 | 梅漬けて脇に姑我流なる |
| 亡き母の漬けし梅干無尽蔵 | 干梅やそれぞれ皺に個性あり |
| 梅干の口に広がる地熱かな | 朝明けの風の匂ひや夜干梅 |
| 梅干の上に砂糖を山と積み | 為さるままじっと堪ふる夜干梅 |
| 梅干の紫蘇の染み出る白砂糖 | 梅干して明日はど゛の色思ひ待つ |
| 塩噴きし梅干蔵す古常滑 | 梅漬ける襷の妻は亡母(はは)に似て |
| こめかみの梅干白く輝きて | 梅干や甕に仕込み日亡母(はは)の文字 |
| 白飯に梅干一つ乗せただけ | 若い面急に老いる魔法の実 |
| 婚の荷に祖母の梅干し積みにけり | 辛いとき梅干し食べてリフレッシュ |
| 梅干や引き出す祖母の知恵袋 | 梅干して日向ばかりを追ひにけり |
| 梅干のほどよきが良し皺の数 | 梅干の句をひねるだにつばき出づ |
| 梅干や中央の席譲らざる | 梅干の減塩実にたよりなき |
| 梅干の種を割ったと自慢の子 | 梅干が鰯の煮付けに紅くさえ |
| 梅干の色に生唾のみにけり | 梅干の塩辛さこそありがたき |
| 梅干を食べて三毒絶ちにけり | 梅干や夜雨のようなわびしさよ |
| 一粒の梅干でよし手酌酒 | 梅干や母が送りし味便り |
| わが暮らし中の下で良し梅を干す | 梅干をぽつりと海苔と置きにけり |
| 梅干に母のやさしき手塩かな | 梅干を白飯置いて皆同じ |
| 母在るはきのふノ如く梅を干す | 梅干や最期に思う母の味 |
| 梅干を粥に埋めて掘り出して | 梅干や母のむすびの固きかな |
| 梅干を食べて沈黙ありにけり | 故郷や梅干の粥の味よし |
| 白粥に梅干一つ京の宿 | うめぼしマン日本がつくったスッパーマン |
| 梅干して母の手にある手塩かな | 干柿と梅干だけは祖母の味 |
| 梅干してけふをきれいに過ごしけり | 梅干しで思い出したわおとらさん |
| 梅干は母の思い出握り飯 | 梅干を2キロ持たせて見送りぬ |
| 手間暇をかけて梅干す一日かな | 梅干や母の形見の塩加減 |
| 梅干して明日の晴れを疑わず | 恋心梅干しみたいに甘酸っぱい |
| 梅干を含み無口となりにけり | おにぎりにやっぱり合うのはうめぼしだ |
| 梅干も主役の一人運動会 | |
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