| 寒稽古せずに済ましてモンゴルへ | 寒稽古どの子も泣かぬやうになり |
| 寒ざらい出戻り娘の咳払い | 寒稽古黒帯の子が増えてゐる |
| 寒稽古みかんの出番ありしかる | 寒稽古波はますます高くなる |
| 寒稽古養子なればと竹刀もつ | 寒稽古光の幅に埃舞い |
| 赤胴を着けておカッパ寒稽古 | 寒稽古児らを見守る握り飯 |
| 鋭き目鵜の寒稽古始まりぬ | 眠い目をこすりながら寒稽古 |
| 声限り星にぶつけて寒稽古 |
寒稽古ぜんざい待って鼻すする |
| 壁一つ隔て長屋の寒稽古 |
今もなおつらい思い出寒稽古 |
| 太棹の音に艶出る寒稽古 |
怒鳴る声寒稽古なら絵になるよ |
| 殊更にコーヒー熱き寒稽古 |
白い息あぜ道走る寒稽古 |
| 無心なる幼き気合い寒稽古 |
水泳部冷たい水へ寒稽古 |
| 寒稽古気合いかけられ日が昇る |
茶屋町に灯のある限り寒稽古 |
| 水弾く肌に重ぬる寒稽古 |
寒稽古日記に大きく5時起床 |
| 寒稽古薄れし写真孫に見せ |
生徒より教師が多い寒稽古 |
| 付添も杖でくははる寒稽古 |
年ごとに太刀筋決まる寒稽古 |
| 三歳児下駄ころがして寒稽古 |
誘ひ合ふ友がライバル寒稽古 |
| 垣根越しあの娘が見てる寒稽古 |
頼まれてゐし子を起こす寒稽古 |
| 終り頃恋も仕上がる寒稽古 |
寒稽古一人も欠けず並びをり |
| 眉上げて李白を吟ず寒稽古 |
川風がさらふ掛け声寒稽古 |
| 寝言にも「エイヤ」と気合ひ寒稽古 |
休み癖ついてしまひし寒稽古 |
| 寒稽古師の前しかと竹刀打つ |
寒稽古今年は点呼する側に |
| 息白く湯気のごとくに寒稽古 |
寒稽古ちぢむ手足に活をいれ |
| 気合ひ入れ大技小技寒稽古 |
師は昔ガキ大将や寒稽古 |
| 面取れど剣士凛然寒稽古 |
寒稽古好々爺にはなりきれず |
| 寝相にも竹刀翳すごと寒稽古 |
寒稽古終わればやさし父の顔 |
| 二列目の剣に隙あり寒稽古 |
片隅で泣く子もありて寒稽古 |
| 俳句にも寒稽古ありお酒あり |
寒稽古先ず正座よりはじまりぬ |
| 寒稽古汗の香りのコップ酒 |
少年のまだ覚めやらぬ寒稽古 |
| 寒稽古見守る親の猫背かな |
白砂突く鉄拳染めし寒稽古 |
| 寒稽古黄色の声もオッスとや |
迷想を十字手に斬り寒稽古 |
| 猛者たちの中に乙女や寒げいこ |
石段の窪みに雨踏む寒稽古 |
| 寒げいこ終えて赤らむ子らの頬 |
皇宮に奇声と割けし寒稽古 |
| 朝まだき静寂を破り寒げいこ |
寒稽古厳しさゆるむ温暖化 |
| 掛け声も矍鑠として寒げいこ |
茶髪どもイミわかんねぇと寒稽古 |
| 寒げいこ男の子の眉の凛々しさに |
見物が増えて終われぬ寒稽古 |
| 正座するちひさき足裏寒稽古 |
赤い顔白い顔いて寒稽古 |
| 克己心しる粉に負けて寒稽古 |
湯気立てて鍋が待ってる寒稽古 |
| 始まりは正座端座の寒稽古 |
寒稽古火から離れぬ老師範 |
| 強張りし腕叩きて寒稽古 |
正眼の剣の気魄や寒稽古 |
| 能舞台に身震ひしきり寒稽古 |
寒稽古目のぎらぎらと面のなか |
| 竹林は風を静めて寒稽古 |
道場で懇意となりし寒稽古 |
| 少年が胴を振りぬく寒稽古 |
背負投げ決めて一礼寒稽古 |
| 遠き日の祖母の謡や寒稽古 |
恒例の「第九」合唱寒稽古 |
| 手を温め肩を解して寒稽古 |
寒稽古干されて青き柔道着 |
| 寒稽古刺し子の帯の長く垂れ |
寒稽古磨き上げたる床に坐す |
| 寒稽古湯気何筋も窓硝子 |
泣きべそも笑って帰る寒稽古 |
| 摺り足の白さ畳に寒稽古 |
腸に一杯の白湯寒稽古 |
| 受身する黄色い声も寒稽古 |
神棚の榊艶やか寒稽古 |
| 短髪の少女も混じり寒稽古 |
寒稽古終へし老師コップ酒 |
| 少年が武士の眼をして寒稽古 |
寒稽古正す背筋の精気満つ |
| 面つけて男まさりの寒稽古 |
廃校の体育館へ寒稽古 |
| 寒げいこ竹刀はげしく響きをり |
手挟みし竹刀の軽き寒稽古 |
| 道場に空気張りつめ寒稽古 |
吐く息の次第に荒く寒稽古 |
| 神棚に一礼をして寒稽古 |
真剣の間合いに粛気寒稽古 |
| 少年の凛々しき眉毛寒稽古 |
寒稽古了へし星空ま青なる |
| 寒稽古強くなれよと干支の寅 |
あかときを展く気合や寒稽古 |
| 寒稽古目指せイチロー松坂を |
師の面を打って始むる寒稽古 |
| 寒稽古日本の力士意地見せろ |
子供らが箒で真似る寒稽古 |
| 兄のこと先輩と呼ぶ寒稽古 |
寒稽古志津太夫どのの鼻濁音 |
| 寒稽古砂浜の果て灯台へ |
寒稽古道場に干す柔道着 |
| 寒稽古腕立て伏せの声空へ |
外土俵は風のたまり場寒稽古 |
| 寒稽古汗はさらなる塩重ね |
三味線に言い訳はせず寒稽古 |
| 初恋の娘の家や寒稽古 |
一撃に賭ける気合や寒稽古 |
| 寒稽古リハビリ親父励まされ |
「有備無憂」師の書掲げて寒稽古 |
| 寒稽古面面胴小手勝負あり |
寒稽古乾く間のなき剣道着 |
| 師は上座武具飾りある寒稽古 |
血の染みし竹刀の柄や寒稽古 |
| 寒稽古震えてをりぬ見物人 |
「お脛」っと少女の気合寒稽古 |
| 磨き上げ舞台艶やか寒稽古 |
面打ちの幼き声や寒稽古 |
| 一杯の白湯に救われ寒稽古 |
寒稽古ふくれっつらの赤き頬 |
| 寒稽古糊のききたる練習着 |
霜柱地球持ち上ぐ稽古かな |
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