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- 俳句庵 2013年06月 優秀賞発表
- 俳句庵 2013年06月 作品一覧
俳句庵
6月『籐椅子』全応募作品
(敬称略)
- 埼玉県 哲庵
- 手術台めきて危うし寝籐椅子
- 籐椅子を二つ並べて遠筑波
- 句集有り荷風旧居の籐椅子に
- 籐椅子や回復遅き五十肩
- 籐椅子を揺らし持病をなだめたり
- 愛知県 野村 修三
- 団欒の家族憩えり籐寝椅子
- 籐寝椅子静に母を休ませる
- 籐椅子に深々と掛け碁を競う
- 籐椅子に団欒家族親密に
- 籐椅子に憩える父を懐かしむ
- 東京都 安西 信之
- 籐椅子や竜頭蛇尾の旅日記
- 籐椅子に追われて床を延べらるる
- 愛知県 山渓
- 八ヶ岳籐椅子揺らし見てをりぬ
- 籐椅子や雲ひとつ無き八ヶ岳
- 湯上りの媼ながなが藤寝椅子
- 湯の宿の籐椅子かすか軋みけり
- せせらぎや山の湯宿の藤寝椅子
- 山口県 ひろ子
- 吹き抜けの風座らせて籐の椅子
- 籐椅子の置かれしままに亡父おわす
- 埼玉県 小玉拙郎
- 籐椅子にきしむ音あり昭和より
- 籐椅子の写真に残る対の卓
- 籐椅子やどれにも少し修理あと
- 大阪府 太田 紀子
- 籐椅子に老い猫眠りゐたりけり
- 主なき籐椅子のあり夕日射す
- 籐椅子や塒に鴉帰りをり
- 神奈川県 守安 雄介
- 籐椅子を吊して拭う盧舎那仏
- 籐椅子の映る広縁黒光り
- 籐椅子に掛けて戦前語りけり
- 宴席の半ばを占める籐の椅子
- 飴色に光る肘掛け籐の椅子
- 東京都 さちこ
- 籐椅子の揺れ残りたる日暮れかな
- 主なきデッキに小揺れ藤の椅子
- 網目褪せ祖父愛用の籐の椅子
- 網目褪せ祖父愛用の籐の椅子
- 籐椅子に飽かず眺める遠き山
- 神奈川県 佐々木僥祉
- 雨降りて籐椅子冷える昼下がり
- 籐椅子や義弟静かに立つて居り
- 蒸す息に硬く寄り添う籐寝椅子
- 北海道 飯沼 勇一
- 籐椅子の網目を抜けて風海へ
- 籐椅子を南西に向けショパン聴く
- 主なき籐椅子眠る書斎かな
- 東京都 鈴木 眞由美
- 籐椅子や習ひたてなる仏蘭西語
- 孫うつら籐寝椅子脚のはみ出でし
- じつちやんの香る納戸の籐寝椅子
- 銀幕の籐椅子吾を挑発す
- 埼玉県 守田 修治
- 老妻は猫侍らせて籐寝椅子
- 「笑点」てふ番組が好き籐寝椅子
- 日は西に傾きかけて籐寝椅子
- たまかなの午後は紅茶の籐寝椅子
- 籐椅子や煙のように過ぎる日々
- 北海道 高橋 まりえ
- 籐椅子や父母なきあとの夕の風
- 籐椅子に父の影見る昼下がり
- 籐椅子や時には演歌など聴ひて
- 籐椅子や昭和彩る女優たち
- 岡山県 信安 淳子
- 籐椅子や父は淋しきものならむ
- 籐椅子に伏せ置かれたるサリンジャー
- 千葉県 横井 隆和
- 籐椅子の 午後を読書の 夕餉まで
- 籐椅子の 夫人の姿態も セピア色
- 籐椅子に 爆睡の証 頬にあり
- 東京都 笹木 弘
- 籐椅子に狸寝入りの日曜日
- 籐寝椅子昨日の夢の続きかな
- 物置にまだ眠り居し籐寝椅子
- 籐椅子に親子の猫が占領す
- 籐椅子の正面に置く富岳かな
- 大阪府 瀬戸 順治
- 籐椅子に残る窪みと思い出と
- 籐椅子や斯くも小さくなりし母
- 東京都 紫酔
- 籐椅子に 一期一会の 憂えあり
- 投手戦 籐椅子軋む あと一球
- 籐椅子や ワイシャツ鈕 2ケ外す
- 東京都 とれびの
- 籐椅子や 日光の染む 髪を梳く
- 籐椅子の 軋みが絆す 去年今年
- 籐椅子で ケータイ踊る 午前二時
- 東京都 紫ょん
- 籐椅子の 網目が纏う 夜想曲(ノクターン)
- 籐椅子で 父のブレザー ロダンなる
- 数独を 解く籐椅子の 撓む音
- 山口県 山縣 敏夫
- 籐椅子にハイジーが呼ぶ夢の中
- 籐椅子に犬が優しく眠りをり
- 昼下がり居間に佇む藤寝椅子
- 払暁の部屋に御座(おわ)すは藤寝椅子
- 読み止(さ)しの本が静かに藤寝椅子
- 三重県 平谷 富之
- 籐椅子に座れば祖父を思ひ出す
- 栃木県 長浜 良
- 体形の父に似てきし藤寝椅子
- 籐椅子や青天へ吹くハーモニカ
- 埼玉県 岸 保宏
- 旅帰り妻と取り合う籐の椅子
- 昼下がり夢と語りし籐寝椅子
- 蔵座敷巨匠のにほひ籐の椅子
- 宮城県 桃光
- 籐椅子と扇風機出しエコな夏
- 籐椅子でうたた寝る母背丸し
- 兵庫県 山地 美智子
- 新聞を胸に寝ている籐寝椅子
- 籐椅子や年金暮らし恙無し
- 東京都 岩川 容子
- 籐椅子に戻らぬ日々のへこみかな
- 籐椅子も家族写真も古るばかり
- 湯治場の籐椅子みんな海に向く
- 東京都 吉田かずや
- 藤椅子の前に真砂女の海を置く
- 神奈川県 佐藤 博一
- 籐椅子に志ん生を聴き眠られず
- 籐椅子に岩波文庫置かれあり
- 父あるは昨日の如く籐寝椅子
- 籐椅子や家に離島を置く如く
- 籐椅子に父の重みの残りけり
- 埼玉県 一斗
- 籐椅子の影あざやかな夜明けかな
- 籐椅子の少し揺れたり一人なり
- 倒れたる籐椅子立てる力なく
- 籐椅子の毀れしままに座りをり
- 籐椅子の一日を終える薄茶かな
- 埼玉県 大野 美波
- 籐椅子に座りし母の写真かな
- 大きいな祖父の使った藤寝椅子
- 籐椅子や花びら一つ落ちており
- 母のため買いし籐椅子娘子よ
- 籐椅子に色をつけたいペンキで色を
- 東京都 兎
- 籐椅子の腰のあたりの軋みかな
- 籐椅子も我家も四十路超えにけり
- すてきれず籐椅子ニ回修繕す
- 籐椅子のほころび亡父の老眼鏡
- 籐椅子や妻の好みの昼寝床
- 大阪府 ―
- 籐の椅子紬の人はまっすぐに
- 東京都 岩崎 美範
- 夕刊を楽しみに待つ籐寝椅子
- 横たはり体温測る籐寝椅子
- 神奈川県 川島 欣也
- 籐椅子に残す主の背の凹み
- 垂乳根の懐深き寝籐椅子
- 飴色の月日篭るや籐の椅子
- 籐椅子や山家の宿の古時計
- 籐椅子や鬼籍となりし主(ひと)知らず
- 神奈川県 村上 芳子
- 籐椅子の明治の祖父やよく馴染み
- 籐椅子のほどよき反りや星を追い子
- 籐椅子や明治の祖父の定めの座
- 木の下の籐椅子誘う木陰かな
- 籐椅子の祖父のまねする子の得意
- 愛媛県 宇都宮 千瑞子
- 安楽を 望みて座る 籐椅子に
- 手招きで 子らが集いし 籐椅子に
- あれこれと めぐらす思考 藤の椅子
- 夫婦して 藤を語りて 椅子作り
- まだ逝けぬ 藤の匂いの 椅子ありて
- 東京都 田中 勝
- 籐椅子に 笑む亡父偲ぶ 郷の盆
- 籐椅子や 亡父物語る 郷の夏
- 郷の夏 亡父物語る 籐の椅子
- 千葉県 柳 蛙
- 読みさしの本滑り落つ籐寝椅子
- 籐椅子や慣れし凹みの肌触り
- 籐椅子に遊ぶ天国別世界
- 籐椅子を包みて流るシンフォニー
- 岩手県 高橋 優木
- 祖母の香の籐椅子は動かせぬまま
- 籐椅子や亭主関白七十年
- 静岡県 鈴木 玲子
- 学童の長き手足や籐寝椅子
- 窓際にえくぼが笑う籐寝椅子
- 故郷はいつ来てもよし籐寝椅子
- 籐寝椅子漫画読んでる笑い声
- 籐寝椅子囁くように風過ぎて
- 大阪府 横山 泰典
- 籐椅子の窪み軋みの古りにけり
- 籐椅子の窪み軋みの古りにけり
- 転た寝やすつぽりくるむ籐寝椅子
- 千葉県 平井 覚
- 心地よい風日に吹かれて篠椅子に
- 篠椅子に腰をかけたり夢多く
- 広島県 安冨 正則
- 富士見るは日々の糧なり籐寝椅子
- 富山県 岡野 満
- 籐椅子の猫の欠伸を貰いけり
- 兵庫県 紫水
- 籐椅子や和服美人の裾ぴしゃり
- ベランダの白き籐椅子飛行船
- さよならと籐椅子揺らし恋も去り
- 籐椅子やその影もただ薄白き
- 籐椅子や昼寝の君の顔に風
- 北海道 江田三峰
- 籐椅子を新調せしや客を待つ
- 定宿の三点セット籐寝椅子
- 飴色の親子三代籐寝椅子
- 長野県 木原 登
- 籐椅子に掛けてペイネとなりにけり
- 母在らば母置きたきよ籐寝椅子
- 海は海色空は空色古籐椅子
- 今年又この籐椅子のこの宿に
- 這松に寝しこと憶ふ籐寝椅子
- 熊本県 貝田 ひでを
- 籐寝椅子母に抱かれゐる心地
- 籐椅子に父の整髪料匂ふ
- 籐椅子にうかうか午睡小半時
- 埼玉県 ―
- 籐椅子は老いぼれチワワの指定席
- 戦無き國でくつろぐ籐寝椅子
- 父母逝きて廊下に一つ籐寝椅子
- ささくれに父の記憶の籐寝椅子
- 籐椅子に昭和の窪みあるじ無し
- 東京都 ―
- 籐椅子の緩き窪みを撫でにけり
- 千葉県 飯島 史朗
- 籐椅子にトランポリンのごと孫跳ねる
- 雨音を籐椅子で聞く昼下がり
- ほの青い素足が2本籐の椅子
- 栃木県 久保田 晋一
- 籐椅子で眺める庭に風渡る
- 籐椅子や誕生の花抱き眠る
- 籐椅子や過去も未来も連れて来る
- 大阪府 津田 明美
- 籐椅子の飴色にある余生かな
- 籐椅子の母に抱かれてもらい猫
- 新潟県 近藤 博
- 籐椅子や編み目は風の通り道
- 偕老や籐椅子向き合ふ宵のほど
- 籐椅子の置き場選べり落ち縁に
- 東京都 杉本 とらを
- アルバムの若き父母籐寝椅子
- 籐椅子の寝た子を起す叔母の声
- 岐阜県 ときめき人
- ゆらゆらと籐椅子揺るる御眠かな
- 岐阜県 金子加行
- 籐椅子の母に抱かれし写真館
- 籐椅子で読みたき書ある定年日
- 結末は籐椅子で読むミステリー
- 海に向く古籐椅子の古旅館
- 籐椅子は父の背中のまま残る
- 宮城県 石川 初子
- 籐椅子や主おるごと軋みけり