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- 俳句庵 2014年01月 優秀賞発表
- 俳句庵 2014年01月 作品一覧
俳句庵
1月『読初』全応募作品
(敬称略)
- 広島県 釜山 齊治
- 読初や心のさびを研ぎすます
- 雀来て読初の本めくりけり
- 読初や心の老をきたへたし
- 読初の新書たのしむひもすがら
- 親しみて『万葉秀歌』読初す
- 福島県 櫛田 和子
- まだいける辞典を買って読初だ。
- 読初に八重の生き方学ぶ本
- 読初に健康長寿の本を買う
- 神奈川県 井手 浩堂
- 読初にやや堅き本選びけり
- 本の香も愛で読初の新刊書
- 読初の机上に妻の生けし花
- 読初の窓辺すずめのしやべり初
- 東京都 有里
- 読初や 赤い背表紙 手に取りて
- 読初の 本に師匠の サインあり
- 読初や 額の髪を あげし朝
- 埼玉県 清水 真美
- 読初の 恋の話に 頬染める
- 縁側で 子猫を膝に 読初す
- 読初は 私の好きな あの作家
- 東京都 寺西 輝将
- 読初の 本を放りて 昼の夢
- 読初は 二分で終わり また床へ
- 読初は 新幹線で タブレット
- 幼子は 読初で訊く これなぁに
- しんとした 部屋で読初 茶は香る
- 東京都 酒井 莉加
- バスに乗る 読初の女(ひと) すまし顏
- 読初の 湯船に富士が うつりけり
- 読初の 父の形見を めくりけり
- 石段に 座り読初 テキ屋の子
- 縁側で 読初とちゅう 富士見えし
- 東京都 安西 信之
- 読初の春の歳時記開きけり
- 読初の絵本の扉開きけり
- 読初の書架の句集に迷いけり
- 読初や血肉になりし師の句集
- 読初めの昨日の栞はずしけり
- 山口県 ―
- 連綿の文字うるわしや読み始め
- 東京都 安達 健治
- 詠み初めや 父愛用の 眼鏡掛け
- 読初めや 積る景色を 背に向けて
- 詠み初めや 手にある本も 遠くなり
- 読初も 絵本に代わり 新所帯
- 神奈川県 相模 太郎
- 歳時記の馴染なき季語読初
- 読初の昭和史まさに我が一世
- 読初にしばし富士見る車中かな
- つれずれなるままのくだりや読初
- 東京都 鈴木 護修
- 本棚に読初候補溢れけり
- 読初の最中傍ら猫一匹
- 1ページめくる幸せ読初や
- 読初で埋まる心の夜が明けて
- 読初の頃に子供が起き出して
- 大阪府 永田
- 読初やここ数年はアンパンマン
- 神奈川県 溝口 努
- 読初の書ふせまどろむ炬燵かな
- 読初や蔵書のしるし昭和かな
- 読初や猫の尾揺れて午睡かな
- 兵庫県 石田 幸紀
- 読初の開きし栞古りにけり
- 雨音の路地の静けさ読み始む
- 読初やいつしか夢の頁繰り
- 訪う人も訪るもなく読み始む
- 読初の千歳変わらぬ人の性
- 埼玉県 小玉 拙郎
- 読初めや赤と白との附箋もて
- 読初めや平家の滅ぶあたりより
- 読初めは暮れに逃したホシを追う
- 読初めや大河ドラマの原作本
- 東京都 鈴木 眞由美
- 読初に赤のリボンをほどきけり
- 旅の湯の読書始となりにけり
- 初草子著者謹呈の栞かな
- 北海道 飯沼 勇一
- 読初や脳鍛えよと啓発書
- 読初の顔に伏せある俳句本
- 読初や小さき手で持つ絵本かな
- 読初や睡魔に負けし朝の酒
- 読初は例年どおり啓発書
- 岡山県 信安 淳子
- 読初や名づけ事典の指栞
- 読初の画面に触るる指軽き
- 読初の子にせがまれてアンパンマン
- 兵庫県 山地 美智子
- 贈りきし友の自叙伝読初
- 読初の友の自伝に我の居し
- 図書館で新刊書借り読初
- 読初の考に似てきし夫の背な
- 今年また歳時記となる読初
- 埼玉県 守田 修治
- 声に出し万太郎句集読みはじむ
- 読初は電子書籍の志賀直哉
- 読初や子規全集の中にいる
- 千葉県 圓哉
- 読初やつんどく棚から絵本出す
- 読初や声に出せば句破調なり
- 愛知県 山歩
- 読初や新たに電子辞書買ひて
- 読初や手元の明かり新しく
- 読初や背筋伸ばして師の句集
- 読初や父の遺愛の文机
- 読初や辞書の電池を入れ替へて
- 東京都 蘭丸
- 読初や昼一息の文庫本
- 読初や高田馬場で降り立ちて
- 読初の古書の値付けも昭和かな
- 読初やジャズの音染みる喫茶店
- 埼玉県 哲庵
- 日本国憲法九条読初に
- 読初は「什の誓ひ」を孫達と
- 読初や友の遺せし全句集
- 読初に評釈芭蕉七部集
- 読初の書を選びかね寝入りけり
- 埼玉県 須田 真弓
- 輪島塗の栞傍ら読始
- ロシア民話の貧しき靴屋読始
- 読初の句集に金の栞挿す
- 読初は家庭の医学薬増ゆ
- 読初は電子書籍のタブレット
- 千葉県 横井 隆和
- 読染めに 「ホワイトアウト」を 再読す
- 東京都 岩崎 美範
- 読初はいつも去年の日記かな
- 読初は父の手垢の広辞林
- 東京都 村上 ヤチ代
- 読初は電子書籍のベストセラー
- 東京都 岩川 容子
- 読初や佳境に入れば日暮れなり
- 読初や電子書籍を旅の荷に
- 読初ややさしくなれるみすずの詩
- 千葉県 圓哉
- 読初の声に出せば句破調なり
- 大阪府 のひろ
- 読初やメガネも一度年を取り
- たたみ裏出でし新聞読初し
- 岡山県 塩津 誠治
- 読初はまたもや向田邦子から
- 読初や昭和の匂い欲し「あ・うん」
- 大阪府 津田 明美
- 息深くつげば読初む山青し
- 千葉県 藤原 純夫
- 読初や 今みゆ我を いきたかく
- 読初や なつかし我が よみがえり
- 若き日の 想いさぐるや 読初に
- 読初や 積まれし本に 光さし
- 読初や 本をさがして 日がくれる
- 東京都 岩崎 美範
- 漱石とカフカ抜き出す読始
- 千葉県 横井 隆和
- 読染めは ブルーノートの 喫茶室
- 読染めや 書店を出て入る 眼鏡店
- 神奈川県 川島 欣也
- 文字読めぬ子にねだられて読始
- 読初や積読本の塵払い
- 読初の眼鏡探して回りけり
- 持ち歩くスマホを開き読み始め
- 読み始めロルムスレムスの物語
- 栃木県 長浜 良
- 読初や酒に鬼平犯科帳
- 端末の頁を繰りて読初む
- 山口県 山縣 敏夫
- 図書館の読書始めや鐘が鳴る
- 詠み初めや何か好いこと起こりそう
- 図書館に読書始めの子等集う
- 詠み初めの本より枝折ハラ落つ
- 新刊の読書始めに身も新た
- 埼玉県 大野 美波
- 読初や本の白さが嬉しくて
- 読初や紫式部になる気分
- 読初や紫式部になってみる
- 読初や墨字は大きく読みやすく
- 読初や朝日とともに読みはじめ
- 兵庫県 紫水
- 読初や百名山の利尻山
- 読初や麦城の関羽に涙
- 読初は孫から来たる年賀状
- 読初や赤い表紙の念仏集
- 読初や父の形見の唐詩選
- 東京都 酔紫
- 読初に 新年会の 中座あり
- 読初の 全集ピサの 斜塔なる
- 東京都 紫泉
- 紙の香や 読初夢へと 誘いて
- 読初や 夫婦阿吽の 栞なり
- 東京都 紫笑
- 読初や 御鏡歯朶の 反り返り
- 読初の 栞となりし 年賀状
- 三重県 平谷 富之
- 読初まずは得意のクイズから
- 富山県 岡野 満
- 読初や活字小さき文庫本
- 読初に恋の詩歌を選びけり
- 読初の新刊本を買いにけり
- 埼玉県 ちゃんじい
- 読初や電子書籍の罪と罰
- 読初やダウンロードは一瞬で
- 読初やモバイル画面の青白く
- 読初やアールグレイの茶葉を嗅ぐ
- 読初や青春時代のベストセラー
- 東京都 笹木 弘
- 主人公の気持ちになりて読み初め
- 読初は「奥の細道」の雲巌寺
- 読初の栞をはずし又挿せり
- 船旅の余白急がぬ読み初め
- 読初の「宮本武蔵」無の心
- 神奈川県 守安 雄介
- アイホーン擦る寝床の読初
- 読初朝日眩しきアイホーン
- 読初先ずは老眼探しから
- 別れ告ぐイーメール受く読初
- 寿ぎの自作の俳句読み初む
- 神奈川県 佐藤 博一
- 読始はアリス・マンロー短編集
- 東京都 小沢 吐夢
- 読初や分からぬとおころ小声にて
- 聞こえくる孫の読初たどたどし
- 神奈川県 佐藤 博一
- 読始に漱石選び猫となる
- 埼玉県 岸 保宏
- 読初めの推理半ばで客が見え
- 声上げて一年の計読み初めし
- 読初めや帯封までがかしこまり
- 岐阜県 ときめき人
- まつさらなココロの泉読初
- あらたなる西国の道読初
- 千葉県 伊藤 和幸
- 読初や先師の句集「寒九」なる
- 読初は昔懐かし「若菜集」
- 読初や邪馬台国に夢を馳せ
- 長野県 木原 登
- 読初や読まざる本がこんなにも
- 読初は詩集北国「元旦に」
- 若き日は「あした来る人」読初に
- 去年逝きし人の句集を読みはじめ
- 読初も詩集・句集となりにけり
- 愛知県 柵木 充義
- 万葉の恋は大らか読始
- 歎異抄問ひに問はんと読みはじむ
- 読初めの初心に返り虚子俳話
- 潔き子規の文章読はじめ
- 読初や手の切れさうな頁繰り
- 神奈川県 佐藤 博一
- 読始に奥の細道また辿る
- 埼玉県 柏木 晃
- 膝に孫にアンパンマンの読み始め
- 読初は家庭医学の厚き本
- 新潟県 近藤 博
- 幼児も声にす絵本読みはじめ
- 先達の句集ひもとく読みはじめ
- 読初や先づは声にす芭蕉の句
- 行き付けの書肆に立ち寄る読みはじめ
- 書肆めぐり新刊手にす読初
- 神奈川県 佐藤 博一
- 読初や父の手摺れの漱石集
- 読始はタイトル長き春樹より
- 北海道 江田 三峰
- 読初の妻は携帯メールかな
- 読初はパソコン記載俳句庵
- 読初や絶滅季語の辞典かな
- 読初に句集朗読大声で
- 読初や優秀作品俳句庵
- 岐阜県 金子 加行
- 読初の活字小さき一茶集
- 読初や電子書籍のキーを押す
- 読初の鉛活字のあたたかき
- 読初のサラリーマンや専門書
- ネットから購う古書や読み初め
- 千葉県 永井 隆
- 戸をあけて 舞う葉に驚き 読初
- 熊本県 貝田 ひでを
- 読始め子はパラパラと就職誌
- 読み初めは去年の続きの古典かな
- 図書館の棚読み初めの書を選ぶ
- 読み初めは波郷句集と決めてをり