俳句庵

12月『短日』全応募作品

(敬称略)

京都府     中村 万年青
短日や凩に舞ふ散り紅葉
短日のねぐらへ急げ群れ鴉
短日や比叡おろしに暮れる町
短日やコンビニ店の人疎ら
短日や亡母に詫びたき胸の内
神奈川県     佐々木 僥祉
短日の庭に火の入る古灯籠
短日や小走りに往く参拝路
短日の盆地に忙しき叔母の住む
短日や虫もそぞろのガラス窓
短日の商店街に安き魚
東京都     安西 信之
短日や薬研の溝に日の匂ひ
短日や金鼓かそけき観音堂
一葉を偲ぶ一日の暮れ早し
短日の復路に走者犇めけり
北海道     澤野 まひる
短日の故郷の路地に迷ひけり
東京都     紫鮭
短日は 追い風よりも 向い風
短日や サンダル履きを 後悔す
東京都     紫鰤
短日や 友の喪中の 葉書受け
短日の ハザードランプ 忙しなく
東京都     紫鰛
短日や ぐつぐつ言うか 鍋の蓋
短日や 漫ろ立ちたる 影法師
東京都     岩川 容子
素っ気なき別れとなりぬ日短
短日や母に持たせる迷子札
短日の夕日をたたむ三面鏡
千葉県     横井 隆和
短日の夜風身にしむシャッター街
日短のライトに浮かぶ豆腐売り
東京都     笹木 弘
短日の木洩れ陽あふる露天の湯
短日の芝生を走る小犬かな
毛筆の字に御朱印や日短
狛犬の阿に短日の陽の射させり
短日の横浜港に豪華船
千葉県     藤原 純夫
短日や日に日にはやし歳かさね
短日や我が影闇に溶けており
短日や流鏑馬うくらい闇に散る
短日や間延びする影急ぎあし
兵庫県     山地 美智子
筋書きの変更やむなし日の短か
短日や乗りたきバスを追いかける
親がきてまた泣く迷子暮早し
短日や他家の灯りは早や灯る
短日も一日長し余生の身
埼玉県     哲庵
短日や蕉翁百句諳んじる
短日や岬の鼻に飛行船
短日や大道芸に人まばら
短日や千本ノック八百に
短日や補習児童の頬赤し
埼玉県     小玉 拙郎
短日やはや晩酌の頃合いに
日短や洗濯物の生乾き
短日やヘボ将棋でも数指せず
門灯の消し忘れてや暮れ早し
短日もいつに変わらぬ縄のれん
群馬県     クズウ ジュンイチ
湯沸しを叩く槌音日短し
短日の計算用紙裏返す
スパイクの揃う足音短き日
東京都     鈴木 眞由美
短景や明かり灯らぬかどの家
板塀の穴広がりて暮早し
老どちに児童公園日のつまる
北海道     飯沼 勇一
短日や道草食わず帰宅せる
短日や下山の子らの脚早し
短日の影長々と八十歳
短日や体内時計ズレて来し
短日や延長戦のない試合
東京都     蘭丸
短日の薄墨の文字重ねをり
短日のためらふ店を口説きけり
東京都     丸山清子
グランドにかけ声残る日短
足早にスーパー出づる日短
佐賀県     平吉 俊郁
短日や声のみ走る運動場
これきしか短日の残業代
短日の定時退社は悠々と
東京都     三浦 靖男
短日や駄句も浮かばぬ時は寝る
短日は落葉と遊ぶ風せかす
短日や影踏み遊ぶばばと孫
短日や愛犬せがむ夕散歩
短日の浅間を包む闇速し
埼玉県     守田 修治
短日や盲導犬に不意の雨
短日やこんにゃく閻魔の立ち話
短日や漁師車座すぐに解く
下校時の子等の渡舟や日短か
短日や陽ざし浴びろとパジャマ干す
東京都     石見 光夫
短日や隣りの新築始まりぬ
自販機の赤色ランプ暮早し
大阪府     太田 紀子
短日のマンションに灯や帰り路
短日の猫の走れる垣の上
短日や鎮守の森の群れ鴉
広島県     永野 昌人
短日や句会終へれば主婦の貌
渋滞の尾灯延々日短か
魚屋の値札半額暮早し
短日や人に晩年ある如し
鍵穴を探る手元や日短か
ブラジル     広田 ユキ
短日と云ふも欠かせぬ義理ありて
短日や碁敵のまた腕を組む
短日と云へど無下には出来ぬ客
新聞も見出しだけ読み暮早し
短日やとんぼ返りの飛機の旅
神奈川県     井手 浩堂
短日の汽笛短く船発てり
短日の窓辺や妻のミシン掛け
頭上より和光の時報日短か
短日の地下鉄ホーム深きかな
そこそこにして短日の立話
岐阜県     ときめき人
短日の撮影所坐す高倉健
東京都     村上 ヤチ代
短日のからくり時計徐に
岡山県     渡辺 牛二
短日の氏神風の声ばかり
短日や男二人の立話
東京都     森 清
短日にあはせて空の動くかに
短日や濁世の憂さをかくしたり
短日の日矢は西戸を避けてゆき
短日の花いそがしくたたみをり
短日を消ゴムで消し旅にでる
千葉県     大隅 隼人
夕暮れの家路を急ぐ日の短か
短日や夕日の温み残りをり
岡山県     八木五十三
短日や気丈な母の長電話
短日や腰据えて観る大相撲
短日や片付け早き右左
兵庫県     岸野 孝彦
短日や洋子という名書いて消す
短日や駅名響く松本と
日短し命短し風の街
短日やふるさとの可惜夜の夢
短日や人生という宴まだ
千葉県     二階堂 脩一朗
短日や首をふりふり街の鳩
短日や沖の華やぐ漁火よ
短日や奥社はすでに闇の中
短日や家路へ急ぐネオン街
短日や上総のうみべ煌煌と
埼玉県     米田 哲
短日や部活の帰り急ぎ足
短日や陰極まりつ待たるる陽
短日やゆくりなく暮る山の宿
短日や風の後ろにゐる暮色
往還の人忙しげや日短
埼玉県     櫻井 青風
短日に散歩さぼりてメタボ成る
インホール短日ゆえに慌てけり
短日やソーラー暇し電気買う
山口県     山縣 敏夫
愛犬に家路を急かす暮れ早し
短日や何かしら気が急かされて
六十五何時の間にやら日短し
暮れ易しつるべ落としの如くなり
あと二年後に古希となる暮れ早し
東京都     小林 洋子
短日や路地に白墨絵が残る
埼玉県     長澤 千鶴子
短日やまつてる夫の病院へ
短日の犬の散歩も身に沁みる
短日にメ-ルうけとり「はい」と返事
短日や丸ごと煮込むキャベツかな
短日やちょっと待てのブレ-キ踏み
東京都     紫乃
短日や完成を見ぬ逆上がり
大阪府     津田 明美
短日や山門急ぐ坊泊まり
短日や海鳥慕う向き同じ
短日の海鳥向きを同じうす
北海道     みなと
短日の谷より斧の木霊かな
短日や厨に母が居るやうな
ややこしき暗号鍵や暮早し
短日の鴉飛び立つ捨番屋
ふっくりと炊ける煮豆や暮早し
神奈川県     野川 喜一郎
短日や一人留守居の句作かな
古民家に白灯ともり暮れ早し
短日や手元ぼんやり林檎園
一村みな人影絶えて暮れ早し
短日や噴煙絶たぬ御嶽山
埼玉県     佐藤 茂
短日や路線バスまでかけてゆく
神奈川県     矢神 輝昭
商店街売り子の声で暮易し
暮易し外灯の下店仕舞ひ
暮易し山小屋遠し荷は重し
日短や夕餉の匂ひ厨の灯
短日に続きは明日だ早仕舞ひ
千葉県     鈴木 久仁子
若き日に 思い馳せたる 短日よ
短日や 子供らの声 賑やかに
短日の 浜に遊びし むく犬よ
東京都     楠田 伸彦
短日や明日にはあすの阿弥陀経
陽短の影に追はるる家路かな
手加減はなし短日の本将棋
北海道     北浜 哲
短日を口実にして席を立つ
短日や夕焼け空も遠慮がち
短日にキャッチボールで日が暮れる
短日や遊び足りない子どもたち
短日や街の灯りは早点り
山梨県     天野 昭正
短日や書に栞して出かけけり
短日の守衛室はや点りをり
散髪し短日の星に会ふ
短日や下山を急ぐ五六人
短日や仮復旧の村の橋
東京都     水野 二三夫
長ッ尻せしを悔やむや日の短か
短日や夕飯早く子は寝ねて
短日や茶髪も家路急ぎをり
日の短か太宰上りし跨線橋
酒まだかいな短日の西新橋
北海道     佐藤 十佐
短日の鍼ねんごろに打ちにけり
短日の日を刻みゐる厨妻
日短や湯呑み茶碗に湯気二つ
短日の日をねんごろに包みゐる
長野県     木原 登
落日に向く短日の風見鶏
なかんづく木曽の山路の暮早し
短日や路地が好きなる路地育ち
万華鏡いよよはなやか日短か
短日の書肆で畏友に遇ひにけり
神奈川県     佐藤 博一
買い物やあれもこれもと日短し
庭師には庭師の言い分日短し
短日や動く歩道を足早に
短日や要約で読むトルストイ
時計屋の時計まちまち日短し
栃木県     長浜 良
短日の家事に片付け物多し
道草の枯れ短日の下校の子
短日や駅出し人の早歩き
千葉県     伊藤 和幸
短日や古書肆の街の宵灯り
短日や日向の猫の大欠伸
短日や又も一人に追ひ越され
東京都     沖田 顫童
短日や明日より新しき職場
富山県     岡野 満
短日や用事ますます増えにけり
短日や酒飲むことの多かりし
短日や人の噂もそこそこに
神奈川県     川島 欣也
暮易し一つの訳の無沙汰かな
星仰ぎ家出て帰る日短
短日や急がば廻れ明日にしよ
冥土への道は半ばや暮易し
暮早し赤提灯へ吸い込まれ
東京都     かつこ
ひとり去りふたり去りして日短
もうちょいや年には勝てぬ日短
滋賀県     村田 紀子
短日や枝落とす手に雨粒が
猫の目に安らぎ求む短日や
短日や母を感じて庭掃除
短日の翁の話終わりなし
短日や蝶の最後の舞姿
東京都     岩崎 美範
短日や手紙一通書けば昏る
短日の富士を呑込む夕日かな
短日の時刻表なき停留所
短日の退社間際に電話鳴る
ニコライの鐘も忙しや日短か
石川県     藤谷 幸恵
短日や明日の運勢気にかかり
短日やバス待つ人の混みあへり
短日の家路を急ぐ子等の声
兵庫県     岸下 庄二
短日の日時計午後の四時仕舞ひ
短日や簡素に済ます地鎮祭
短日や夕餉の後の長きこと
山口県     ―
短日の人影なきや無人駅
ブラジル     林 とみ代
暮早し健康検査それだけに
教会の鐘の音急かす暮易し
短日や仕事も半端なりしまま
挨拶もそこそこにして日短し
暮早し預かりし孫帰さねば
大阪府     高塚  政宜
短日をものかはノックの声聞こゆ
短日や盤上の駒動かざる
短日やもつきり酒に吸い込まれ
愛知県     岩田 勇
いらいらのいよいよ募り暮早し
立ち話する街角の暮易し
短日の寺町通り猫二匹
短日や帰宅の人の急ぎ足
短日の暖簾くぐるやサラリーマン
埼玉県     岸 保宏
短日や紙飛行機が枝に揺れ
短日や投稿を待つポストかな
短日やバザーの品を仕舞いけり
岐阜県     金子 加行
短日を道に迷ひて使ひ切る
短日や皆がちがちと家の鍵
短日に距離を縮める小旅行
短日や明るきうちの仕事とす
地下街の外の短日知らぬ職
東京都     直木 葉子
スカートのほつれ二針日短
暮早し嬰を泣かせてしまひけり
短日や代りばんこに泣く双子
短日の一駅あらら乗り過ごし
茨城県     大洋 たろう
短日の影につまずくスニーカー
行き違う短日の灯の影と影
影重く踏む短日の石畳
短日の帰宅の咥え煙草の火
間違えて出る短日の地下出口
北海道     江田 三峰
短日の縄電車縄そのままに
速足の改札口や日短
苛立ちの満員電車日短
短日の夕餉の仕度四時を打つ
短日の地下鉄出口みな無口
熊本県     貝田 ひでを
短日のバス待つ影の伸びており
短日の先頭走る交差点
短日の長き影連れ父戻る
投げ売りのバザーに群れて日短し
短日のタイムセールに列作り
広島県     安冨 正則
短日や六人眠る御嶽山
新潟県     近藤 博
短日や為すこと残し日の暮るる
短日や海境はろばろ入り日見ゆ
たちまちに一日過ぎし日の短か
日短かし家路急かるに立ち話
暮れ早しスピード上げ駆る高速道
埼玉県     福田 潤
冬寒し夕暮れはやいこの気持ち
埼玉県     古木 遥
短日や見るうち終わる砂時計
埼玉県     星野 美紗希
短日の夜空を見上げ走馬灯
埼玉県     増渕 孝一
短日に隕石落ちる洗濯機
埼玉県     松森 美音
短日のかじかむ手からすうすうと
埼玉県     望月 美来
短日的な気分は思い出なる
埼玉県     青木 雅貴
短日や速足跨ぐマンホール
埼玉県     新木 純平
短日の段ボールの中寒すぎる
埼玉県     梅原 碧紅
短日やオレンジになる波の音
埼玉県     太田 寿祈
短日のかたむきかんじる道しるべ
埼玉県     小川 智也
短日や見える夕陽も短くて
埼玉県     小野寺 駿介
短日の日の陽の暮れは矢のごとし
埼玉県     加藤 綾乃
短日や白い息はく自転車で
埼玉県     金子 望美
短日に急いでつくは家の道
埼玉県     河野 翔威
短日の速さにからすも急ぎ足
埼玉県     小島 快斗
短日の部活帰りの空に月
埼玉県     阪井 明日菜
短日やマフラー巻いた帰り道
埼玉県     佐俣 ひなの
短日や寄り添う二つ影のびる
埼玉県     志田 将太郎
短日の寒さ忘れる恋便り
埼玉県     須郷 友紀
短日の息白き空君そこに
埼玉県     鈴木 博也
短日の光おぼしき紙一重
埼玉県     須田 咲紀乃
短日やほのかに香る朝日の出
埼玉県     須見 太一
菊の花短日の日の早起きす
埼玉県     高橋 賢司
暗い朝僕の心や短日か
埼玉県     高橋 梨紗
短日や洗濯物に埋める顔
埼玉県     高林 真治
短日や後悔残る日暮れかな
埼玉県     武田 美紅
短日やあなたとの日々なみだひとつ
埼玉県     田島 脩佑
短日の曇りの空を眺めつつ
埼玉県     田村 幸太郎
短日のごとく過ぎてゆく三年間
埼玉県     中内 咲良
短日やぽぽと灯るは街の色
埼玉県     中根 かんな
短日の君待つ姿柱時計
埼玉県     西崎 明日香
短日に自転車乗って空を追う
埼玉県     平田 里南
短日やオレンジに染まる帰り道
埼玉県     平山 寿々花
日が暮れる鳥が知らせる短日や
埼玉県     松本 訓子
短日の光る足元霜柱
埼玉県     水村 あゆみ
短日の君待つ耳に色染まる
埼玉県     見澤 匠
短日はどこか悲しく見える顔
埼玉県     三宅 拓也
短日に流れるチャイム闇の中
埼玉県     村野 友基
短日や夕暮れ染める絵の具かな
埼玉県     山岡 茉由
短日の夕暮れ見れずねむる木々
埼玉県     吉﨑 綾乃
短日の河原に座るランプかな
埼玉県     若林 ことの
短日のどこかさみしい町並みは
埼玉県     新井 智也
寂しくて我が身の思い短日か
埼玉県     池田 祐香
短日の星空眺め砂時計
埼玉県     石田 奈々子
短日にこがれる君は笑ひけり
埼玉県     泉 万璃江
短日の乾いた風とミルクティー
埼玉県     榎本 朱羽
短日の朝の輝き赤い色
埼玉県     岡田 優
短日の夕刊届き誕生日
埼玉県     小野 珠緒
短日や誕生日来る田圃道
埼玉県     恩田 理
短日や赤いコンパス暗くなる
埼玉県     カン 成志
短日や成長痛はまだこない
埼玉県     北田 桃子
青春の短日こえて笑顔咲く
埼玉県     古賀 美晴
短日や早めの帰宅誘いけり
埼玉県     児玉 武
こそこそと短日の眼きみとぼく
埼玉県     小林 嵩弥
短日や風が吹き荒れ闇の中
埼玉県     近藤 夏実
短日や青春のときえら呼吸
埼玉県     嶋田 梨央
朝起きて瞬く間に夜短日よ
埼玉県     高岡 実来
短日の放課後探す一番星
埼玉県     髙橋 美和
短日や猫と一緒に丸くなる
埼玉県     竹内 宏介
短日やこもる時間は長くなる
埼玉県     竹本 裕也
海寒く短日向いあの思い
埼玉県     橘 啓一郎
短日の澄んだ空気と焼ける空
埼玉県     戸丸 祥吾
宵闇に迫る短日物心
埼玉県     中澤 稜
短日や午前に散歩行きにけり
埼玉県     中村 真遥
短日の帰り道率る一人言
埼玉県     畑仲 駿
短日や今日も昼から部活動
埼玉県     波多野 董
短日や秒刻みでのコマ送り
埼玉県     森田 美優
短日や香る悲しさ惑いけり
埼玉県     矢島 美悠
短日や入って出てく店の中
埼玉県     山口 由馬
短日に窓の外降るかりんとう
埼玉県     吉田 すみれ
短日や見上げる空は帰り道
埼玉県     渡辺 萌
短日で別れを惜しむ金曜日
埼玉県     新井 一馬
短日に君と見ていた流れ星
埼玉県     市村 拓也
短日の帰る夜道はいと暗し
埼玉県     岩﨑 光希
短日の夕焼けチャイムやぶる子ら
埼玉県     岡部 ともみ
短日や星降る夜の昼の空
埼玉県     金子 美春
短日や恋は気まぐれ味気なし
埼玉県     河野 初音
友達と膝がカタカタああ短日
埼玉県     小谷 優
短日や風呂が沸いたと母の声
埼玉県     小森 美波
短日のお風呂に沈む香り玉
埼玉県     佐藤 己太郎
夕方の短日深くものこいし
埼玉県     島貫 このみ
短日に家でむかえる午後六時
埼玉県     須賀 明良
短日の期限がせまる返事かな
埼玉県     瀬川 真矢
短日や子どもの喧嘩笑う親
埼玉県     高橋 正人
短日やバス降り暗き帰り道
埼玉県     宅間 聡一朗
短日のこくこくせまるかくれんぼ
埼玉県     竹浪 悠貴
短日や帰る道すじ日が暮れる
埼玉県     田島 龍和
短日の休日どこへ行こうかな
埼玉県     立澤 龍
短日や急いで帰る夢の中
埼玉県     田辺 大成
短日やチャイムを早く鳴らしけり
埼玉県     田村 日和
短日に西方見れば赤き峰
埼玉県     津川 あかり
短日の歩幅あわせる赤い靴
埼玉県     堤 敦哉
短日やパタパタかけ足帰り道
埼玉県     冨永 まい
ホロ苦いよいんにひたる塩ココア
埼玉県     中島 和輝
短日に焚く火の元に集う虫
埼玉県     中條 千鶴
短日の住宅街に満ちる声
埼玉県     永田 葵
放課後の短日二人星の空
埼玉県     永吉 いずみ
短日の足取りはやく街灯り
埼玉県     新実 瑛乃
短日や鳥の親子の急ぎあし
埼玉県     埜村 幸紀
短日の夜は家族でオセロする
埼玉県     馬場 史奈
短日の一人歩きに風が吹く
埼玉県     星野 惠介
短日に僕の心もゆらりとて
埼玉県     眞坂 楓
風吹きて感じる時は短日か
埼玉県     三田 綾音
短日に今日だけ長く君の横
埼玉県     向井 紀貴
短日や二人で話す時早し
埼玉県     森田 光
短日や遊ぶ子供の悔し顔
埼玉県     諸井 みなみ
告白を短日利用いと長し
埼玉県     矢部 眞子
短日の退屈な朝旅支度
埼玉県     吉澤 未空
短日やもう自転車も点灯し