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- 俳句庵 2015年04月 優秀賞発表
- 俳句庵 2015年04月 作品一覧
俳句庵
4月『木蓮』全応募作品
(敬称略)
- 兵庫県 松本 恵子
- 白木蓮の少しゆれてる車椅子
- 木蓮に無という無限空にゆれ
- 白木蓮や佳人の指は内向きに
- あの坂の先に木蓮散るころよ
- 北海道 藤林 正則
- 越して来し村の家家紫木蓮
- 木蓮や疑ひ深き空の青
- 木蓮の風の囁き聞く夕べ
- 青空へ駆け出す子らや紫木蓮
- 紫木蓮宇宙旅行は十年後
- 京都府 中村 万年青
- 木蓮の春鷲摑み青い空
- 木蓮や日毎蕾の膨らみぬ
- 年毎に白木蓮に親みぬ
- 木蓮の散りていよいよ春真中
- むらさきの木蓮薫る他家の庭
- 富山県 岡野 満
- 木蓮の花の散り敷く苔筵
- 空広く木蓮の花散りにけり
- 木蓮の花の白さの闇夜かな
- 愛知県 高木 薫
- 木蓮の 匙で味わうおままごと
- 白木蓮言葉少なに誰待つや
- 木蓮の ひとひら猫の足をとめ
- 友便り 誘いし主は紫木蓮
- 木蓮のそばにて葉書笑みて読む
- 愛知県 石川 順一
- 紫木蓮中古車販売店を過ぎ
- 白木蓮と紫木蓮が並ぶ家
- 木蓮や側道過ぎて右折する
- 紫木蓮鴉の森を間近にし
- 木蓮の涙を聞きし夜の闇
- 神奈川県 佐々木 僥祉
- 木蓮や秦野の里のあぜ黒き
- 木蓮や空へ飛び立つ用意よし
- 帰り来て白木蓮の待ち居たる
- 木蓮の声微かなり古茶庭
- 木蓮やスズメの去るを揺れて待つ
- 東京都 右田 俊郎
- 白木蓮いなかに独り暮らす母
- 補助輪のとれた自転車白木蓮
- 木蓮や背中に余るランドセル
- 木蓮や集団登校黄の帽子
- 白木蓮チビのお墓と幼き字
- 埼玉県 小玉拙郎
- 寺町は白木蓮の勝ちとする
- 風待って飛び立たんとす白木蓮
- 絵にすれば色違えてや紫木蓮
- 木蓮や場所もあろうに幼稚園
- 紋のある風呂敷の色紫木蓮
- 神奈川県 ギザギザ仮面
- 雨空に 白木蓮の 筋光り
- 木蓮や 覇気漂いし 大河かな
- 眩しくも 青木蓮の 反射かな
- 木蓮や 喉から手が出る モルヒネか
- 木蓮や 音一切切って 捨て
- 東京都 石見 光夫
- 白木蓮峰まで続く赤鳥居
- 紫木蓮デイサービス車待つ母娘
- 東京都 上田 みの
- 木蓮の血脈断たれ落ちにけり
- 白木蓮の橋を渡りて次の角
- 白木蓮の雲に溶け込む白さかな
- 北海道 澤野まひる
- 廃校を知らず木蓮咲きにけり
- 木蓮や空の青きを味方とし
- 栃木県 長浜 良
- 木蓮の分厚き頃となりにけり
- 木蓮の咲初む中の昼の月
- 岡山県 純子
- 紫木蓮ともに嫁ぎて三十年
- 白木蓮雲に紛れて雲となる
- 埼玉県 哲庵
- はくれんや大正ロマン匂い立つ
- 我が骸鳥葬にせよ紫木蓮
- 紫木蓮部長の耳は驢馬の耳
- 北を向き復興祈る白木蓮
- 雨あがり白木蓮のシャンデリア
- 埼玉県 沼崎 和子
- 今はなき白もくれんや酒を酌む
- 新聞の文字にみちのく紫もくれん
- ふるさとの手紙ぞうれし花木蓮
- 東京都 水野 二三夫
- 木蓮やあかつきの空さしゐたる
- 掌に母のぬくもりありぬ紫木蓮
- ぬばたまの闇夜はるけき白れん花
- 福井県 岡本 紅
- 白木蓮かしこで結ぶ文書きて
- 東京都 丸山清子
- 木蓮花光まとひて開きけり
- 木蓮と同じ御空を見上げけり
- 東京都 安西 信之
- 晩学のゴールそれぞれ紫木蓮
- かなだけの祖母からのふみ紫木蓮
- 埼玉県 鶺鴒
- 白もくれん歳古りしつつ主の顔
- 万福寺鐘のじんじん白もくれん
- 紫もくれん生まれかはるや僧の袈裟
- 東京都 岩川 容子
- 木蓮のひらきて仔牛届きけり
- たれこめる雲を押し上ぐ白木蓮
- なりたての白衣の天使白木蓮
- 白木蓮明日は別れの通学路
- 神奈川県 相模太郎
- 紫木蓮余生の伸びる思ひして
- 友多きことの幸せ紫木蓮
- 里山を歩く楽しさ紫木蓮
- 木蓮の白きに昼の月あはし
- 遠山にうす日さしたり白木蓮
- 東京都 直木 葉子
- 木蓮の風に真白き割烹着
- ひとり仰ぐたそがれどきの白木蓮
- 北海道 飯沼 勇一
- 門ごとの木蓮高さを競ひけり
- 大仏の視線の先の緋木蓮
- 木蓮の記念樹堂々我は古希
- 大阪府 永田
- アクセスはもくれん続く道五分
- 岐阜県 ときめき人
- 木蓮や千手の如くゆらゆらと
- 木蓮や白き気品のオードリー
- 山口県 有田 ひろ子
- 神々し光放つや白木蓮
- 広島県 石川 結
- 曇り空 はばたくように 木蓮は
- 滋賀県 村田 紀子
- 旅立ちを見送る人に白木蓮
- 母の声ふと聞えたる白木蓮
- 木蓮に昭和の父を思う朝
- 木蓮に声かけられて降りる駅
- 木蓮の花咲く先に淡い恋
- 東京都 紫外白内
- 白木蓮(はくれん)や 一糸乱さず 北を向く
- 白木蓮(はくれん)の 盛り抜き足 忍び足
- 東京都 紫蕾
- 白木蓮(はくれん)や 天へ合掌 祈願中
- 就活生 白木蓮(はくれん)蕾の 指す方へ
- 東京都 紫羅針
- 白木蓮(はくれん)や ホワイト絵の具 より白く
- 紫木蓮 ポテトチップス 如く散る
- 東京都 笹木 弘
- 夕風を裏返し咲く紫木蓮
- 風止んで星のまたたく紫木蓮
- 木蓮に覗かるモデルルームかな
- 会話する白木蓮と紫木蓮
- 逆光の空にふくらむ紫木蓮
- 群馬県 クズウ ジュンイチ
- 木蓮や老いて今なほ大男
- 東京都 鈴木 眞由美
- はくれむの坂に低きや菩提声
- 木蓮の漂ひありて訃報受く
- 赤提灯とぼる頃なりもくれんげ
- 菩提寺の木蓮の下母笑ふ
- 広島県 ―
- 退院は大安日とし紫木蓮
- 埼玉県 守田 修治
- この里は伊達性多し白木蓮
- 無住寺の高き空ある白木蓮
- 朝日浴び九尺五寸の白木蓮
- はくれんの目印となる質屋かな
- 手放すは土地も屋敷も木蓮も
- 東京都 村上 ヤチ代
- 祖母逝く日孫産る日も紫木蓮
- 千葉県 横田 響
- 木蓮の白き大木旅立つ日
- 紫木蓮思い出語る老姉妹
- 東京都 蘭丸
- 木蓮や雑談ひとつ形見とす
- 木蓮や街角に散る無言劇
- 福岡県 河瀬 周治
- 邯鄲の夢より覚めて紫木蓮
- 木蓮の谷に声あり通学路
- 木蓮や知る名の墓の真新し
- 白木蓮郷と名のつく土ゆるむ
- 受け流す風やはらかに紫木蓮
- 埼玉県 長澤 千鶴子
- アウアウと鳴く烏ゐて紫木蓮
- 夕映えの白木蓮に紅をさす
- 木蓮の咲く旧家へと郵便夫
- 通いつめた懐かしき地の紫木蓮
- 千葉県 犬槇庵 光晴
- 鶏鳴に白木蓮の耀けり
- 大阪府 津田 明美
- 木蓮の解れて空の拡がりぬ
- 歩に進む天の蓋なる白木蓮
- 木蓮や花いちもんめ見てござる
- 神奈川県 矢神 輝昭
- 紫木蓮妣の銘仙の色移り
- 数多重の仏包みて紫木蓮
- 木蓮を一網打尽雨の糸
- 玉杯でワイン飲みたし紫木蓮
- 花びらや砂糖菓子やに白木蓮
- 神奈川県 遊頭
- 山門の右手巨木の白木蓮
- 白木蓮あと紫木蓮庄屋跡
- 一つづつ灯る如くに白木蓮
- 兵庫県 山地 美智子
- 木蓮の庭に招かれ訪ふ館
- 反れば早や盛り過ぎゆく紫木蓮
- ご母堂を守る庭なり紫木蓮
- 木蓮の傍に留まる車椅子
- 木蓮や母の思ふがままの庭
- 山形県 ―
- 木蓮の様に生きたく上を向く
- 夜を照らす炎に似たり木蓮の花
- 吸う風にかすかに香る木蓮の春
- ばらばらと別れを告げし終の木蓮
- 木蓮が散りて一夜で白絨毯
- 埼玉県 米田 哲
- 木蓮の万蕾向かふ北斗かな
- 木蓮やけぶる雨先ほのめけり
- おほどかに白木蓮や吹かれゐし
- 木蓮や往還たどる風の源
- さんざめく街騒の空木蓮や
- 大阪府 太田 紀子
- 木蓮の百花ありけり青き空
- 字の薄れし山門額や木蓮花
- 木蓮の滴落ちけり六地蔵
- 愛媛県 宮下 靖弘
- 赤く謀れ木蓮の白は白のまま
- 心臓の色と形へ木蓮は
- 木蓮の空を刺したる色をして
- たおやかな殺意の色し木蓮ぞ
- 木蓮は皆石女の子宮だった
- 岡山県 岸野 洋介
- 主なき庭に白れん賑々し
- 紫木蓮かがやく先に滝光る
- 白木蓮ビルの谷間に楚々と咲き
- 紫木蓮咲けば妻の忌めぐり来る
- 木蓮の大苞開く花屋かな
- 神奈川県 塚本 治彦
- 奈良町の残照の寺木蓮華
- 木蓮や梢の先に遊ぶ風
- 秋篠に老いし仏や白蓮華
- 木蓮や縁切寺の小さき門
- 木蓮や幼稚園長兼和尚
- 大阪府 山下 みゆき
- 白木蓮浮かぶ夕闇海の色
- 冬枯れの庭に木蓮初々し
- 木蓮の白の組成を考える
- 木蓮の薄墨の空に灯りけり
- 木蓮の夜半に灯っている不思議
- 千葉県 柊二
- 白木蓮や祈りの列にこぼれけり
- 水彩絵雲のなきにし白木蓮
- 金星の近き地球の白木蓮
- 白木蓮や涙の闇を慰めり
- 白木蓮や命包みて風すごし
- 神奈川県 井手浩堂
- 托鉢の列ゆく朝紫木蓮
- 白木蓮ふるさとの山みなまるく
- 木蓮の飛び立たむかに青き空
- 地に落ちし木蓮はやも錆色に
- 遠山の雲もむらさき紫木蓮
- 埼玉県 櫻井 玄次郎
- 夕闇に白木蓮淡く灯りけり
- 東京都 三浦 靖男
- 木蓮の下眠る友三回忌
- 木蓮のママ日焼けして港町
- 雨の朝うなじを濡らし白木蓮
- 京都府 北谷 匠
- 木蓮の 海苔の入った こもれびを
- 広島県 安冨 正則
- 未来形ばかりの人世白木蓮
- 茨城県 たいようたろう
- 白木蓮に翳ある午後の海の音
- 考えている白木蓮のほめ言葉
- 窓よりの目線燃やして紫木蓮
- 遠き日の胸の傷みの紫木蓮
- 降りかかる潮騒ひらく紫木蓮
- 山口県 ひろ子
- 木蓮の咲けば真砂女の浮かびけり
- 宮城県 伊藤 立一
- 天上の誰を手招く白木蓮
- 神奈川県 佐藤 博一
- 抱擁を解くごと開く白木蓮
- 純白といふまぶしさや白木蓮
- 木蓮や和泉式部の恋日記
- 真砂女ほど一途になれず紫木蓮
- 白木蓮天に向かひて合唱す
- 熊本県 貝田 ひでを
- 気風よき真砂女のことや紫木蓮
- 白木蓮は光捕えて輝けり
- 散り際の風はむらさき紫木蓮
- 甍より高く木蓮咲き盛る
- 木蓮の一片風に遠く散る
- 東京都 岩崎 美範
- 山路来て婀娜を競へり紫木蓮
- 白木蓮補陀落指して咲きにけり
- 白木蓮や少女をんなに化ける夜
- 白木蓮月夜の空を泳ぎけり
- 恋の火を壺に閉じ込む紫木蓮
- 神奈川県 川島 欣也
- 楊貴妃の住まいの庭や紫木蓮
- 雨風に堪え下向かぬ木蓮華
- 木蓮や飛び方知らぬ鳥の群
- 木蓮や手を大空へ手向けけり
- 木蓮の咲く畔あたり畑堺
- 愛知県 米倉 とおる
- 木蓮の枝間に潜む鬼瓦
- 白木蓮日本の空を透かし見る
- 軽々と伊吹嶺負ひて紫木蓮
- 木蓮や煉瓦煙突矍鑠と
- そりかへりそりかえり見る白木蓮
- 山口県 山縣 敏夫
- 芳香を放ち誘うか木蓮華
- 木蓮の香りに満ちた園に入る
- 街道を抜けた途端に木蓮華
- 遠き日を想い起すや木蓮華
- 園に咲く何やら床し木蓮華
- 静岡県 ―
- 木蓮の飛び立たんとす蒼天に
- 大阪府 弗椿
- 木蓮咲き愛娘は東京へ
- 木蓮の重なりて白雨に映え
- ブラジル 林 とみ代
- 木蓮の花弁漂ふ露天風呂
- 木蓮だけ残る生家や廃れ地に
- 湯煙の纏ふ木蓮目印に
- 木蓮の風に送られ嫁ぎけり
- 紫木蓮の思ひ出遠き婚の旅
- 東京都 北川 京子
- 木蓮に添う花の無く凛として
- 木蓮は一番乗りと誇らしく
- 東京都 近田 吉幸
- 紫木蓮指たおやかに阿弥陀仏
- 紫木蓮きな臭きなる地球かな
- 紫木蓮宇宙生まれる無のゆらぎ
- 紫木蓮庭の隅なる伊吹かな
- 紫木蓮同級生はみな老いし
- 埼玉県 岸 保宏
- 参道に襟を正せし白木蓮
- 古寺に大将面の木蓮や
- 木蓮の散りせし御寺僧二人
- 木蓮に歓迎されし編路地や
- 東京都 石井 まゆみ
- 木蓮や運河沿いの白の舞
- 皺手待つ木蓮咲いて鍬をろす
- 空くもるミルク色かなこぶし咲く
- 木蓮の花びらもまれ嘆き色
- 3.11香港で愛だ紫木蓮
- 兵庫県 岸野 孝彦
- 木蓮や祈りの花と君は言う
- 木蓮や銀の少女は明日架ける
- 木蓮や御霊は白き風になる
- 木蓮の花咲く庭の最期かな
- 木蓮や初恋眠る里の朝
- 福島県 黒沢 利明
- 木蓮の蘖が継ぐ新年輪
- 北海道 伊藤 哲
- 理学部の床の軋みや紫木蓮
- 木蓮やアンモナイトの左巻き
- 長野県 木原 登
- 遠目にも白木蓮の花盛り
- 白木蓮咲くや輝く信濃空
- 白れんの花に空飛ぶ夢のあり
- はくれんは少年紫木蓮は母
- 白木蓮といへば『白痴』のムイシュキン
- 神奈川県 猪狩 千次郎
- 木蓮の花びら流す仕舞風呂
- 木蓮花深空ばかりを見てしぼむ
- 木蓮や浜風遠き大仏裡
- 木蓮の小庭揺り椅子ゆるるまま
- 聖と清ただに吸ひあげ白木蓮
- 埼玉県 柏木 晃
- キャンドルのような木蓮聖歌隊
- 散るときは重厚な音紫木蓮
- 華やぎを少し控えて紫木蓮
- 駅舎出て白木蓮に癒される
- 木蓮の距離まで伸ばす散歩道
- 千葉県 田中 洋子
- 真白なる乙女心や木蓮花
- 紫木蓮女将となりて幾年か
- 思いきり空と友達木蓮花
- 木蓮花なじみ始めたランドセル
- 紫木蓮女将手書きのお品書き
- 静岡県 柳谷 益弘
- 木蓮の慈悲なる花や咲き誇り
- 東京都 かつこ
- 木蓮や行く道一つアンダンテ
- 木蓮や鏡に笑ふ吾の顔
- 静岡県 池ヶ谷 しょうご
- 木蓮やばななの皮を剥く如し
- 木蓮や訪ねし人の道標
- 白木蓮の灯ともすように輝やけり
- 木蓮は高きところに咲きにけり
- 木蓮を仰ぎて胸襟開きけり
- 千葉県 江里口 泰一
- 境内に居場所定めて咲く木蓮
- 木蓮の位置の確かさ木の高さ
- 木蓮は庭中にあり屋敷門
- 塀越しに見る武家屋敷白木蓮
- 徳川園木蓮並木続く道
- 神奈川県 守安 雄介
- 木蓮に風の口付荒気色
- 白蓮に吸われ白雲過ぎりけり
- 木蓮に生荒々し風抜ける
- 白蓮を追いて木蓮咲きにけり
- 木蓮に緑の混ざる兆しあり
- 奈良県 和田 康
- 紫木蓮花はいつきに花となる
- 木蓮や氷室神社は山の神
- 斑鳩や白木蓮にめざめけり
- 木蓮咲く祖父あるごとくあるごとく
- 木蓮の宙(そら)いつぱいにほしいまま
- 愛知県 澄海
- 木蓮や仏に仕え包まれる
- 木蓮の白きを見れば朝陽差す
- 手を合わせ白木蓮に包まれる
- 木蓮や知恵の文殊に誘われて
- 漆喰の白木蓮やなまこ壁
- 大阪府 金成 愛
- はくれむや丈高き子とひるの酒
- 兵庫県 岸下 庄二
- 一枚の栞となりぬ紫木蓮
- 前庭に木蓮一本町役場
- 木蓮の咲いて狭庭の華やげる
- 木蓮の蕾日に日に太りけり
- 地震に耐へみな上向きに紫木蓮
- 新潟県 近藤 博
- 木蓮や座敷のとのもにぬっと咲き
- 蓮に似し族(まけ)とも思ふ木蓮花
- 上向きに咲くは(さだめ)か木蓮花
- 枝先に襟の正しく木蓮花
- 木蓮や色を競ひて空蒼し
- 福岡県 平山 なな子
- 音もなく落ちて木蓮たじろかず
- 縁側で日がな木蓮見てすごし
- 青空を白きに染めている木蓮
- 北海道 みなと
- 悲しみにもの喰ふをみな白木蓮
- 木蓮や風となりきる吾生家
- 木蓮の香や夕風の変はりたる
- 夕照にふくいくとせり白木蓮
- 木蓮や「さかさまの空」を鼻歌で