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- 俳句庵 2015年08月 作品一覧
俳句庵
8月『終戦日』全応募作品
(敬称略)
- 東京都 直木 葉子
- からつぽの父の骨壺終戦日
- 終戦日ぱちりぱちりと夜の爪
- 神奈川県 守安 雄介
- 色褪せたアルバム捲る終戦日
- 富士明くる七十回の終戦日
- 終戦日朝日を過る大型機
- 七十回黙祷捧ぐ終戦日
- 海苔巻きの日の丸握り終戦日
- 石川県 森田 香津美
- 蔓絡む森より出でよ終戦日
- 終戦日セピアの祖父は胸を張り
- 特攻の飛跡彼方へ終戦日
- 赤紙は涙でちぎれ終戦日
- 終戦日こころの灯りひとつずつ
- 新潟県 近藤 博
- 大君に玉と砕けし敗戦忌
- 玉音は今なほ耳朶に終戦日
- 偕老のともに想起す終戦日
- 海ゆかば水浸く屍敗戦忌
- 真空管ラジオ噎せびし終戦日
- 福岡県 紙田幻草
- 平和ぼけ始まってゐる終戦日
- 終戦日不戦の誓ひ新たにす
- 平和なる七十回の終戦日
- 群馬県 asamin
- 生きる意味 投げかけられし 終戦日
- 重き口 祖父語らひし 終戦日
- 灰の空 仰ぎて想う 終戦日
- 終戦日 世界の平和 未だ来ず
- 海月出で 御霊導き 終戦日
- 東京都 斎藤 洋伸
- 疎開から解放うれし終戦日
- 今日からは自由なんだね終戦日
- 泣き顔の砂利道埋めし終戦日
- 終戦日巡り巡りて古希の年
- 疎開止み妙に嬉しい終戦日
- 広島県 安冨 正則
- 高感度ショップのフロア終戦日
- 北海道 江田三峰
- 胆嚢の救急搬送終戦日
- ガード下死体累々終戦日
- 終戦日奉安殿の破壊かな
- 終戦日屈辱の日や忘れじや
- 終戦の日竹槍燃やし風呂沸かす
- 長野県 木原 登
- その時のわれは五歳や終戦日
- 終戦記念日すなはち平和祈念の日
- 笹舟を流し敗戦忌を修す
- 蟻今も松の幹攀づ終戦日
- 人はみな無力八月十五日
- 兵庫県 岸下 庄二
- 黙祷のサイレン轟く終戦日
- 投球を止めて黙祷終戦日
- 終戦日新聞で知る平和かな
- 戦争を知らず合掌終戦日
- 終戦日今も昔も蝉時雨
- 岐阜県 金子加行
- 終戦日物のあふるる中の職
- 終戦日記憶も物も朽ちてゆく
- ラジオのみ聴きゐる昼や終戦日
- 戦ひの語にて球児や終戦日
- 終戦日髭を剃らせる理容椅子
- 神奈川県 川島 欣也
- 水団を美味といふ子や終戦日
- 終戦日町に明りの戻りけり
- 新たなる波押し寄せし終戦日
- 空焼き尽くす夕映えの終戦日
- 詔勅と闇米重き終戦日
- 千葉県 柊二
- 終戦日おぶい紐手に母に来る
- 無防備の列島浮かべ終戦日
- 雪かぶる髪の色濃く終戦日
- 終戦日父戦争に生きており
- ポマードの指あと太き終戦日
- 静岡県 柳谷 益弘
- 三歳の防空頭巾終戦日
- 終戦日涙で惜しむ隣保班
- 静岡県 池ヶ谷 しょうご
- 敗戦を記念日として誓いけり
- 敗戦や電波にのって知らされり
- 神奈川県 佐藤 博一
- いつまでもいつも八月十五日
- 小国民飢えしか知らず終戦日
- 終戦日一銭五厘のいのちかな
- 語るより語らぬ重さ終戦日
- 終戦日止まったままの古時計
- 愛知県 矢浦詠正
- 羽あらば島を訪ひたき終戦日
- 郭公や朝餉主食にパンの耳
- 防空壕閉ざせし侭に蔦青葉
- 特攻の基地にカンナの赤き花
- 戦後とは句の始点とも雲の峰
- 東京都 安西 信之
- 終戦日戦争怨む日なりけり
- 終戦日石を兄とも我が子とも
- 供出に鐘の無き寺や終戦日
- 叔父の遺影若くなり行く終戦日
- ブラジル 富岡 絹子
- 終戦日世界の平和祈れども
- 外つ国に祈る平和や終戦日
- 神奈川県 鹿毛 里美
- 終戦日なおこつこつと古時計
- 青空はあすへとつづく終戦日
- わすれものまだ見つからず終戦日
- 東京都 三浦 靖男
- 疎開っ児年金暮らし終戦日
- 今年こそ孫に話さん終戦日
- この先も平和守らん終戦日
- 靖国の名語ることなき終戦日
- 亡き父母に在世を御礼終戦日
- 埼玉県 山崎 彰
- 日盛りをなにも食えずに終戦日
- 電球に被せずにすむ終戦日
- 終戦日これからなにを食えばいい
- 終戦日減ることもなし蚤しらみ
- 疎開から解放されて終戦日
- 愛知県 岩田 勇
- どこまでも国の足かせ終戦日
- すうどんをかたじけなくも終戦日
- 独り居のひるねの覚めて終戦日
- 終戦日どこか遠くで街宣車
- 塵漁る烏軍団終戦日
- 神奈川県 猪狩 千次郎
- 終戦日大路小路の陰日向
- わが影を踏みつ潰しつ終戦日
- お天道さま灼くだけ灼いて終戦日
- 終戦日そもやそもそも開戦日
- 桐の葉を揺らす雨粒終戦日
- 長崎県 内野 悠
- 新駅はデジタル時計終戦日
- 子の土地に妻すぐ慣れて終戦日
- コンビニにおにぎりを買ふ終戦日
- 七十年六日九日終戦日
- 終戦日埋めし梵鐘引き上げぬ
- 東京都 岩崎 美範
- きな臭さ漂ふ国の終戦日
- わだつみの声とこしへに終戦日
- 戦争を知らぬ幸せ終戦日
- 妻と子の笑顔愛しき終戦日
- 過ちは二度と起こさぬ終戦日
- 埼玉県 佐藤 茂
- 終戦日父は塹壕掘つてをり
- 大阪府 高塚 政宜
- 終戦日参道上りゆく妊婦
- 参道を上る妊婦や終戦日
- 東京都 勢田清
- 青空に雲むくむくと終戦日
- 死者生者焦土原爆終戦日
- 蒼穹に不戦誓いし終戦日
- 新しい日本の門出終戦日
- 終戦日歩調揃えて我も古希
- 岡山県 岸野 洋介
- 皇国の学徒も老いし終戦日
- いも粥を啜ってしのぶ終戦日
- 疎開地はダム底にあり終戦日
- ハンチング脱いで黙祷終戦日
- 生き抜くは語るためなり終戦日
- 愛媛県 浅野 利貞
- 日没の血の色となり終戦日
- 終戦日兄の戸籍の「戦病死」
- 山口県 ひろ子
- 折り鶴の数だけ祈り終戦日
- 東京都 花桃
- 終戦日 語り部 宿る 使命感
- 終戦日 サイダー供え 空見上げ
- 晴天や 涙の雨ふる 終戦日
- 風受けて 歴史感じる 終戦日
- ふるさとへ 想いを馳せる 終戦日
- 神奈川県 永井 良和
- 終戦日父との写真一つだけ
- 玉音を原盤で聴く終戦日
- 朝刊と熱きコーヒー終戦日
- 恙なく生きて紫蘇摘む終戦日
- 終戦日この平安をいつまでも
- 三重県 平谷 富之
- 終戦日 二度と起こすな あの悪夢
- あの空が 悲劇を知るや 終戦日
- 水飲める 喜び知るや 終戦日
- 終戦日 今日も他国で あの悲劇
- 兵庫県 吉祥寺友子
- 終戦日考に似てきし夫の背な
- ナイターに夢中の夫終戦日
- 年寄りが今も中心終戦日
- 笛鳴って湯の沸く薬缶終戦日
- 終戦日メールで届く子の便り
- 神奈川県 井手浩堂
- 沖縄のわけて思ほゆ終戦日
- 終戦日灯火管制終はりし日
- 父戦地母疎開地で終戦日
- 疎開地に一日遅れの終戦日
- 子や孫にしかと伝へむ終戦日
- 山形県 真木 純子
- 黙祷の声高し老母終戦日
- レシピ見て作る水団終戦日
- 地を這ひて逃げる夢見ゆ終戦日
- 終戦日遺影の叔父の初々し
- 終戦日逃げ水消えて空高し
- 大阪府 永田
- 父歌ふ麦と兵隊終戦日
- 敗戦も忘れし父の軍歌かな
- 小野田氏も横井氏も居た敗戦日
- 埼玉県 櫻井 玄次郎
- 海底の武蔵浮かばぬ敗戦日
- 千葉県 二階堂 脩一朗
- あの時と同じ鳴声敗戦日
- 爆音のぴたりと止みし終戦日
- 原爆の落ちて大戦終りけり
- 戦争へ傾く議論終戦日
- グラマンの墜ちたる海や終戦日
- 神奈川県 塚本 治彦
- 終戦日軍歌ばらまく街宣車
- 終戦日神武綏靖安寧と
- 終戦日ハンバーガーにコカコーラ
- 終戦日SP盤の軍歌かな
- 腹一杯食ふて寝にけり終戦日
- 岡山県 純子
- 折り鶴の羽根を広げて終戦日
- たうたうと大河は海へ終戦日
- 愛媛県 野間 竹香
- 終戦を 迎えた我は 八十路すぎ
- 終戦日 重ねる日々に 兄想う
- 兄想う 軍歌で送り 今なみだ
- 戦中を 生き抜いた空 なお変わらず
- 旗を背に 消え逝く兄の 笑み燃えゆ
- 兵庫県 岸野 孝彦
- 終戦日比島戦死の墓の群れ
- 終戦日サイレン高き甲子園
- 遺骨箱石がからころ終戦日
- 終戦日古希の平和の蒼き空
- 終戦日華やかなりし忠魂碑
- 東京都 中田地溝
- 無言館黙して立てり終戦日
- 僧ひとり花街をゆく終戦日
- 岐阜県 森 茂 寿
- 終戦日一人テレビに黙祷す
- 古稀となる忘れてならぬ終戦日
- 富士山は今も変らぬ終戦日
- 語り合ひまだ足りずして終戦日
- 偲ぶことしみじみ多し終戦日
- 埼玉県 米田 哲
- 終戦日 ラジオの御声に 正す吾
- 終戦日 九段の杜の しずもりて
- 終戦日 三権見やる 時計塔
- 終戦日 いなくなりたり 艦載機
- 終戦日 原子の前に 来たりなば
- 岡山県 渡辺牛二
- 戦争を知らぬ我等の終戦日
- 廃校の屋根のサイレン終戦日
- 捨つる物だらけの暮し終戦日
- 埼玉県 ふみ
- 青春の 夢なく終えて 終戦日
- 山口県 山縣 敏夫
- 平成の空にサイレン終戦日
- 反安保叫ぶ各地の敗戦日
- 忘れ得ぬラジオ聞く絵の敗戦日
- 愛犬と一緒に過ごす終戦日
- 七十度メディアを飾る終戦日
- 千葉県 飯島 史朗
- 6日過ぎ9日過ぎて終戦日
- 終戦日ここまでなるか焼け野原
- 東京都 右田 俊郎
- 語り部となりて伝へむ終戦日
- 終戦日国のゆくすえ翳りみゆ
- 七十年なほ鮮明な終戦日
- 戦争を知らぬ世代の終戦日
- 終戦日千鳥ヶ淵に香を焚く
- 大阪府 津田 明美
- 百合一本私なりの終戦日
- 集へども皆無口なり終戦日
- 終戦日親の無い子と子無き母
- 終戦日球児の肩に正午かな
- 東京都 豊 宣光
- 終戦日海に眠れる遺骨かな
- 終戦日いつもと同じ朝餉食ふ
- 終戦日とは何の日と問ふ子かな
- この日より国変はりたる終戦日
- 新しき軍靴の音や終戦日
- 東京都 かつこ
- 過去帳の名前を撫ぜる終戦日
- ひとりでにともる灯りや終戦日
- 埼玉県 長澤 千鶴子
- 幼き日でぬ乳すつて敗戦日
- 終戦や命からがら川歩く
- 終戦や泣く子リュツクに背負われて
- 忘れてはならぬと秘める敗戦日
- 母に聞いた終戦語り懐かしく
- 岐阜県 ときめき人
- 薄れゆく戦禍の記憶終戦日
- 戦争を知らない世代終戦日
- 終戦日「はだしのゲン」を朗読す
- 沖縄の終わっていない終戦日
- 終戦日安保法案成立す
- 滋賀県 濱本 勝美
- 終戦日輪廻応報凛とする
- 英霊を弥想いけり終戦日
- 佳き時代70年の終戦日
- 空青く海山レジャー終戦日
- 終戦日黙祷も熱き甲子園
- 栃木県 長浜 良
- 野仏に野の花手向け終戦日
- 飛行機の音のくぐもり終戦日
- 公園に人ひとりなき終戦日
- 女子校は往時の名前終戦日
- 神奈川県 長瀬 遊頭
- 終戦日分校さえもなき村に
- 終戦日皇居の砂利の白さかな
- 神棚を拭き清めたる終戦日
- 終戦日皇宮巡査不動挙手
- 福岡県 西山 勝男
- 終戦日敢へて茶粥を所望せり
- 見送りし馬も還らじ終戦忌
- 堪へしのぶ事も覚えし終戦日
- 終戦日「月光の夏」読破せり
- 特番に釘付けとな終戦日
- 神奈川県 竹秋
- アルバムを壕より出だす終戦日
- ブラウスにアイロン当てる終戦日
- 終戦日空の空まで占領下
- 神奈川県 矢神 輝昭
- 終戦日考が歌ふた子守唄
- 芋蔓も安堵の美食終戦日
- 生前に考は語らず終戦日
- 終戦日記憶の疎く祈るのみ
- 継ぎ接ぎのズボンを思ふ終戦日
- 東京都 辻 翠
- 疎開した四十万冊終戦日
- 大阪府 太田 紀子
- どこまでも続く青空終戦日
- 午前五時空白み初む終戦日
- 午後零時球児も黙祷終戦日
- 東京都 鈴木 眞由美
- 終戦日なれば一献酌み交わす
- 靖国の麦茶八月十五日
- 敗戦忌不明を恥じる人もなし
- 終戦日語らぬ祖父と父逝けり
- 愛知県 川俣 周二
- 終戦日父の好みの蕎麦を食む
- この先の道は何処に終戦日
- 軍票を残せし祖母や終戦日
- 刻まれし享年二十歳終戦日
- 祖父を知らず育ちし父や終戦日
- 東京都 藤紫ゆふ
- 終戦日裏地に貴石縫いはじめ
- 終戦日グレースケールで知る景色
- 東京都 石井 まゆみ
- 卒寿来てひとり身かな終戦日
- 終戦日色もきりりと千羽鶴
- 赤い風千羽鶴揺る終戦日
- ちぐはぐの母にうなずく終戦日
- 今はもうたして195歳終戦日
- 東京都 岩川 容子
- 正午打つ終戦の日の古時計
- 終戦日不戦の文字の重さかな
- 終戦日70年後に知りしこと
- 男の子ばかり育てて終戦日
- 神奈川県 相模太郎
- 敗戦忌掃射に伏せし鼓動思ほゆ
- 真さをなる空の深さや終戦日
- 父母よりも寿(いのちなが)得し終戦日
- 戦争を知らぬ子の子の終戦日
- 欲しきもの今更ないと終戦日
- 北海道 伊藤 哲
- どこまでも空は水色終戦日
- 終戦日時計の針は右回り
- 終戦忌未だ英語を聞き取れず
- 埼玉県 哲庵
- 黙祷のサイレン哀し終戦日
- 終戦と生涯言わず敗戦日
- 終戦日とは新たなる開戦日
- レコードで聞く玉音や終戦日
- 終戦日昔全校登校日
- 埼玉県 守田 修治
- 早暁に二分の祈り終戦日
- 終戦日絵具にはなき空の色
- 終戦日湯治の宿の将棋かな
- 終戦日ことしも日記白いまま
- 小麦粉にバター特売終戦日
- 神奈川県 佐々木 僥祉
- 分かつべき事や在りしか終戦日
- 濃き影を落とす花咲く終戦日
- 稚き陽の燦々たりや終戦日
- 終戦日言葉も霊もありてこそ
- 七十路の父も知らざり終戦日
- 東京都 村上 ヤチ代
- 抱く孫の瞳清らか終戦日
- 東京都 蘭丸
- 終戦日黄昏の島先立ちぬ
- 残し置く清き出で立ち終戦日
- 北海道 飯沼 勇一
- 終戦日寡黙の父のより寡黙
- 祖父の忌と聞かされている終戦日
- 終戦の日が誕生日古稀になる
- 終戦日祖父する主張する敗戦日
- 広島県 有馬 未知
- 子どもらの何を願うか終戦日
- 大阪府 石英
- 終戦日語りをせずや老いし父
- 終戦日犬連れ歩く木陰かな
- 終戦日老いし人診る聴診器
- 終戦日介護施設の広き窓
- ふと空を見上げたりしや終戦日
- 東京都 石見 光夫
- 真青なる空よ山河よ終戦日
- 北海道 藤林 正則
- こんこんと湧き出る泉終戦日
- 終戦日村の一戸に日の丸が
- 軍服の父の写し絵終戦日
- 終戦日かの日の熱さ蝉の声
- すめらみことの人間宣言終戦日
- 京都府 中村 万年青
- 空蝉の夏や巡りて終戦日
- 終戦日生まれし赤子早翁
- 勝負で立場違えり終戦日
- 仏壇の前で母哭く終戦日
- 終戦日戦争知らぬ人数多