- 山本海苔店トップ
- 俳句庵
- 俳句庵 2017年01月 優秀賞発表
- 俳句庵 2017年01月 作品一覧
俳句庵
1月『初春』全応募作品
(敬称略)
- 茨城県 あまちてる
- 初春の 気分も少々 受験生
- あと何度 里で迎える 初春や
- 義父母越し 初春の京 遠くなり
- 初春に 一家元気の ありがたさ
- 初春に お帰りと笑む 裏の富士
- 東京都 池本一軒
- 初春の和太鼓天地に響きけり
- 初春やホップステップジャンプして
- 初春や魁夷の道をはつらつと
- 神奈川県 龍野ひろし
- 初春の浅草に買ふ干支手拭
- 東京都 岩崎美範
- 願かくる水天宮の明の春
- 地震の地の復興祈る明の春
- 朝刊はいつもどほりに今朝の春
- 凧あがる異国に迎ふ明の春
- 朝風呂に皺首洗ふ老の春
- 愛媛県 渡邊國夫
- ともに泣きともに笑ひて年新た
- 今朝の春いつものやうに猫来たる
- 老の春赤き花瓶に庭の花
- 「幸せかい」「ええ幸せよ」千代の春
- 人並みを願ふ下流の老の春
- 神奈川県 長島マミコ
- 千代の春松竹梅の舞扇
- 初春や所作は「梅にも春」なりき
- 明けの春まだ見ぬ日々は温かく
- 熊本県 貝田ひでを
- 初春や見慣れた景もありがたき
- 千代の春手帳に予定書き足しぬ
- 初春の日に日章旗眩しめり
- 初春や少し張り込む犬の餌
- 初春の鏡の吾に笑みもして
- 兵庫県 岸野孝彦
- 初春や万葉集の末飾る
- 初春や白亜の城の姫御殿
- 初春や世界平和と大書する
- 初春や昼寝の母は仏顔
- 初春やスマホを撫でる紅き爪
- 宮城県 林田正光
- 初春や京の和菓子のお取り寄せ
- 初春や絵馬重なりぬ昼下がり
- 初春の皇居一周汗光る
- 初春の日差しに浮かぶ江戸切子
- 有明の初春の海始動せり
- 山口県 山縣敏夫
- 初春や先ずは一句を詠みにけり
- 手に余る朝刊開ける今朝の春
- おめでとう愛犬吠える今朝の春
- 初春に夫婦喧嘩を始めけり
- 古希迎え目出度くも無し今朝の春
- 京都府 村田高久
- 新妻の娘来たりて今朝の春
- 新春の茶湯ふつふつと迎えけり
- 明の春今年も変わらぬ散歩路
- 迎春の剪り残したる松の枝
- 新春の別雷の赤袴
- 岐阜県 金子加行
- 初春の北の原野に旅の人
- 初春の酒に約すや志
- 初春の航路選びし二人旅
- ひとくちの酒で初春迎へたる
- 志持ちて初春散歩道
- 神奈川県 佐藤博一
- 初春や本当の空戻り来る
- 初春や折り目正しき街となる
- もの全て定位置にある今朝の春
- 東京の軽くなりたる今朝の春
- 初春や生きとし生きるもの全て
- 東京都 住澤義英
- 初春や留める箸先朝ご膳
- 急ぎ足息の白さや今朝の春
- 初春や小枝に光る円ら雨
- 老いの春減りゆく便り年かぞえ
- 竹の葉に積雪揺れて宿の春
- 新潟県 近藤博
- 初春やまづは御明かし掌を合はす
- 初春や訪ふ人のなき老いふたり
- 初春やまずは一句をひねりけり
- 偕に老いともに寿ぐ明の春
- 朝つとに東雲拝む千代の春
- 東京都 内藤羊皐
- 初春の猫の残せる欠伸かな
- 初春や妻の乳房の湯に揺るる
- 初春や禽の揺すれる木立あり
- 初春の碁盤に溜まる陽射かな
- 初春の空に留まる飛行船
- 神奈川県 石鎚 優
- 初春や海に座禅の影法師
- 初春や空手の子らに波しぶき
- 初春や西行を見し相模灘
- 初春や亜細亜の海の祖霊たち
- 初春や忍び寄りたるテロリズム
- 愛知県 岩田遊泉
- 初春や遠く神楽の聞こえ来る
- 初春の未明の交番旗揚がる
- 初春の氏神様の太鼓鳴る
- 髭剃りてさて仏壇へ今朝の春
- 初春といふても二人酒一合
- 長野県 木原登
- 初春の声のびやかに鳩時計
- 縄文の泉湧きつぐ千代の春
- 去年逝きし人を瞼に年迎ふ
- 初春の船笛ひびく神戸かな
- たまはりし齢たいせつ老の春
- 滋賀県 了庵
- 初春の紺より淡し湖の色
- 初春の郵便受けに旅の本
- 初春や神に供へる吟醸酒
- 初春の珠の音する神酒かな
- 初春のひかり纏ひて雀立つ
- 神奈川県 井手浩堂
- 初春の光あまねし千曲川
- なだらかな野山をゆくや四方の春
- ベランダに雀来てゐる今朝の春
- 嫁ぎたる子らも加はり家の春
- 張継の詩なる軸よ床の春
- 東京都 かつこ
- 初春に買ふと当たるや宝くじ
- 千葉県 柊二
- 甲冑のおどしを解かれ今朝の春
- 富山県 岡野満
- 文字踊る友の賀状や走馬燈
- 神妙に柏手を打つ淑気かな
- 健康の知識詰め込む寝正月
- 風呂敷に願いを包み初詣
- フルムーン初湯いただく旅の宿
- 奈良県 平松洋子
- 初春のぽっくり待ちし幼き日
- 初春や父は熱めの燗を待ち
- 初春の羽根突き空へ高く飛べ
- 神奈川県 ―
- 初春の箱根路つなぐ襷かな
- 千代の春終楽章へたどり着く
- 折り紙のつる舞う色紙床の春
- 御籤買う善男善女宮の春
- 初春の歩行者天国日本晴れ
- 長崎県 平坂謙次
- 初春や山から山へ群雀
- 初春や年輪刻む御神木
- 初春のお茶に柱のおもてなし
- 初春の夢じゅんぐりの野原哉
- 初春の七福神の鼓笛隊
- 宮城県 石川初子
- 初春や猫の齢の我を越ゆ
- 埼玉県 やまちゃん
- 初春に一句詠みけり清々し
- 初春やこの青空をひとり占め
- 初春の浅草走る人力車
- 初春や手帳に記する句会あり
- パラグライダー初春の空高く
- 兵庫県 紫 桔梗
- 初春や願ひ食み出す鶏の絵馬
- 初春や水門川の水清き
- 初春や少し紅濃く朝市女
- 初春や孫手作りのカレンダー
- 初春や振る舞ひ酒に長き列
- 大阪府 津田明美
- 初春やどこか華やぐ九十九髪
- 初春の故山を統べし茜かな
- 初春や足取り軽き配達夫
- 初春の水やはらかき厨かな
- 初春の茜に展ぐ山河かな
- 東京都 紫寿
- 季重なり 試行錯誤で 初春句
- 松籟に 初春らしく 紙垂が舞う
- 初春や 靴紐解きて また結ぶ
- 東京都 福紫
- 初春の 紙垂は情けの ない素振り
- 初春や 街に溢れる 福袋
- 初春を 寿ぐ孫の ア・リ・ガ・ト・ウ
- 東京都 紫酉
- 初春や 松韻奏す 春の海
- 初春や 真白き靴に 泥はねる
- 初春や 傾き正す カレンダー
- 山口県 ひろ子
- 初春や孫の受験日迫りくる
- 掛け軸の初春祝う日の出かな
- 酌み交わす屠蘇や息災有難し
- 栃木県 長浜 良
- 初春や隣人老ひて笑み深し
- 初春や今朝物売の愛想よき
- 小吉の巫女の莞爾や今朝の春
- 初春の潮岬へあらたなり
- 初春や歩はゆるき観世音
- 新潟県 のばら
- 初春に掛け軸鳥も飛ぶような
- 初春に下ろしたる新歯磨き粉
- 甘えずに生きて初春一人良し
- 健脚を願い初春マラソンす
- 初春の空に願いし平和あれ
- 神奈川県 塚本治彦
- 初春や車中に匂ふ髪油
- 初春の長寿言祝ぎ介護かな
- 初春の牛舎に仔牛産まれけり
- 初春や巫女の舞ふ手に鈴の音
- 初春や河馬長々と大欠伸
- 大阪府 椋本望生
- 樟脳に会ふ初春のコンコース
- 初春の顔して孫を迎へけり
- 袖に触る初春の風古稀の風
- 初春と言へど百度の石を踏む
- 滋賀県 一斤染乃
- 初春と書く墨の香や一画目
- 初春や心の皺に陽を当てて
- 初春の陽の射し込めり母の皺
- 朝刊の挿む初春届けらる
- 初春を粧す電車のラッピング
- 大阪府 金成愛
- 初春や波打ち際を無我夢中
- 初春や第二ボタンをはずすふり
- 初春やたちまち古ぶ詩のあたま
- 初春にしてもつくづくあをいそら
- 初春のみてらゆかしくおはすかな
- 東京都 佐藤博重
- 初春や句碑の署名は「万」一字
- 初春やぽつくり履いて石畳
- おぢいちやん将棋指そうよ今朝の春
- 見慣れたる不二の高嶺も今朝の春
- はつはるやとんとんとんからりととなりぐみ
- 三重県 後藤允孝
- 初春や絵馬幾重にも重なりぬ
- 初春の雄鶏の声高らかに
- 訪客はみな初春の顔をして
- 初春や迎ふる白寿祖母祝ふ
- 初春にまた書ただす遺言書
- 三重県 平谷富之
- 散髪し 心も変へて 初春を
- 初春の 決意も新た 句に挑む
- 健康の 喜び噛みしめ 初春を
- 愛知県 佐藤三郎
- 初春や四代揃いて屠蘇祝う
- 植えし木も柱となりし初春や
- 初春や熱田七里の蛤の里
- 島根県 柴田
- 初春はコタツにこもり待つ桜
- 岐阜県 ときめき人
- 初春の香り漂ふ朝風呂す
- 三重県 遊眠
- 初春や雀三羽の宙返り
- 小手ひとつ取つて始まる今朝の春
- 初春の青き地球の香りかな
- 神奈川県 成田あつ子
- 初春や朱の塗椀の光(かげ)零れ
- 初春や富士と対峙の高き窓
- 初春や半襟代へる絹の糸
- 初春や仕付け糸抜く鮫小紋
- ブラジル 林とみ代
- 初春の波止にはためく大漁旗
- 初春の夜空飾れる星数多
- 初春の海の彼方に里偲ぶ
- 初春を応化して居る若さかな
- 初春の句心ゆする山の景
- ブラジル 広田ユキ
- 孫ひ孫初春の顔揃ひたる
- 初春や異国ぐらしも身に付きて
- 初春や孫のなん語のきりもなく
- この国に老いて悔いなし今朝の春
- 余生とは云いたくはなし老の春
- 埼玉県 守田修治
- 初春や七十六歳無垢の朝
- 目覚めては猫の子わが子今朝の春
- 書を売って居間の広さよ今朝の春
- 初春や服靴帽子九年もの
- 初春や松が見栄切る寛永寺
- 滋賀県 村田紀子
- 初春の雲はにかんで光りだす
- 初春の鳥居をくぐる喜寿の朝
- 初春の雲に乗りたい語りたい
- 若き日の夢語り合う初春や
- 初春や雀も喜び会いに来る
- ブラジル 玉田千代美
- 初春の突くはずも無き杖を買ふ
- 語るにも忍ぶこと増え老の春
- 初春や皆の幸せ祈り居り
- ポケットに季寄せ一冊年迎ふ
- 愛知県 斉藤浩美
- 朝刊の嵩初春を載せてくる
- 千代の春地震ふる国に生まれ出て
- 明の春いまだこの村施錠せず
- 扁額の一字一字に千代の春
- 初春や太平洋に勇魚の尾
- 岡山県 岸野洋介
- 初春や爺と子らみな日溜りに
- 初春や緋をひるがえすバイト巫女
- 初春の五社巡りする歩の確か
- 初春や茶のみの友の祝詞うく
- 初春や破顔一笑老い鰥夫
- 埼玉県 櫻井 玄次郎
- 初春の歌舞伎座集ふ晴れ着かな
- 初春の木遣り響くや雷門
- 初春や浜風抜ける勝鬨橋
- 東京都 中田ちこう
- 初春や過去あらためる背伸びかな
- 京都府 欲句歩
- 初春の昨日と同じ御漬物
- 初春やぴったりに鳴く鳩時計
- 愛知県 川俣周二
- 初春やひとつ少なき祝箸
- 初春の膳を供えて祈りける
- 初春や朝の空気のぴんと張り
- 初春や熱田の杜に鳩の飛ぶ
- 初春や少なくなりし日本髪
- 千葉県 伊藤博康
- 犬小屋を覗き初春祝ひけり
- 初春や優しく聞こゆ下駄の音
- 千葉県 横井隆和
- 鶏鳴や富士に筑波に今朝の春
- 初春や阿吽の相に泣く童
- 開け放つ奥間へ射し来る今朝の春
- 千葉県 隼人
- 初春や人で華やぐ仁王門
- 初春やほんのり赤き頬の妻
- 儀式張り挨拶交す今朝の春
- 大阪府 永田
- 初春や靴下一足買い替へて
- 初春やペディキュア銀にでもブーツ
- 岡山県 渡辺 牛二
- 初春の雀朝よりかしましき
- 初春や園に鶴舞ふ晴れの国
- 初春や地酒ぶらさげ友来たる
- 神奈川県 相模太郎
- 初春の海苔篊の海耀けり
- 富士に向かひひたすら走る今朝の春
- 頂きし米寿の命今朝の春
- 恙なく迎えし米寿今朝の春
- さやかなる米寿の気力今朝の春
- 千葉県 みやこまる
- 初春の鎮守の森を透く光
- 餅の白ほどの倖せ今朝の春
- 筆文字も墨の香のなき今朝の春
- 初春の午睡に揺るる御籤かな
- 初春や虚空蔵菩薩の笑みに触れ
- 東京都 岩川容子
- 初春や抱負膨らむ胸のうち
- 鳥の来て樹と話しをり明けの春
- 初春にまあるい笑みの孫を抱く
- いささかの幸せ願う老いの春
- 東京都 伊藤訓花
- 初春のきずひとつ無き空の青
- 初春や湾一枚の凪畳
- 初春やうろくずひかる瀬戸の海
- 初春の老松にふる日の斑
- 初春やこころの踊る一行詩
- 埼玉県 彩楓(さいふう)
- 初春の風の天上麒麟かな
- 初春のキネマホールのシャンデリア
- 初春のソファーに眠る稚(やや)と猫
- 初春の庭やオウムの金の籠
- 初春の引っ越し火曜大安に
- 兵庫県 山崎衣玖
- 初春や赤き花弁を描いてみる
- 初春へ金銀の枝飾りけり
- 初春の札九十二枚の記名
- 初春は会へば寿ぎ溢れ満つ
- 初春や鈍く光れる石鳥居
- 埼玉県 琴吹痴庵
- 初春やお岩木は物言わぬ山
- 初春の光を集め天守閣
- 初春や検問する人される人
- 埼玉県 西村小市
- 初春や上屋に汽笛の余韻あり
- 初春や切子の猪口の大吟醸
- 初春や電子レンジをオフにする
- 初春や踏切の鐘よく聞こゆ
- 初春や停戦ならず満つ煙
- 千葉県 山田香津子
- 初春や弊新しき村祠
- 初春や夢にむかいて子はパリに
- 初春や抱き上げ嬰のあふる笑み
- 初春やセキレイかるく礼をして
- 初春や子らのズックを干す農家
- 静岡県 城内幸江
- 初春や古伊万里に盛る母の味
- 初春や書道教室新たな子
- 初春や野良猫の名のひたつあり
- 初春や子の着れぬ服溜まりけり
- 初春や診察券のひとつ増え
- 東京都 笹木弘
- 初春の山々つなぐ送電線
- 初春の陽に光りたる湖面かな
- 初春の浅草めぐる人力車
- 初春の天辺賑はふ高尾山
- 初春の社に集ひ句会かな
- 大阪府 太田紀子
- 初春の畔に白鷺舞ひ降りる
- 初春や五軒の山家に日の光
- 初春のいつものやうなオリオン座
- 埼玉県 小玉拙郎
- 初春や変えないことと変わること
- 初春やゆうべ揃えた靴を履く
- 埼玉県 哲庵
- 初春や祖母丹精の梅開く
- 初春や浅黄の空を鶴渡る
- 初春や水穏やかに隅田川
- 初春や藁で編みたる尾長鶏
- 初春や三代で踏む鏡獅子
- 千葉県 藤原純夫
- 初春に病婦の如く墨を磨る
- 初春や我を覗きて墨を磨る
- 初春の祝ふ唄声歩も弾む
- 初春や寿ぐ読経首を垂れ
- 神奈川県 重兵衛
- 朱色なる東京タワーや今朝の春
- 東京タワーに昇る一家や今朝の春
- 初春や振袖姿とジーパンと
- 老若の混じる初春朝賀かな
- 山国の出で湯の熱き今朝の春
- 兵庫県 中田修
- 初春やみくじ引く手はおぼつかず
- 初春や甲羅干しする亀二匹
- 明けの春包みの厚さ確かめん
- 初春や骨董眺めて小半日
- 路地裏におこぼぽくぽく今朝の春
- 福島県 いらくさ
- 初春を父に抱かるる骨の娘よ
- 明の春小さき者の顎から
- 初春なれば毀れ家の鬼も舞う
- 今朝の春我に靨があるらしい
- 初春や秒針のあるミッキーマウス
- 東京都 蘭丸
- 初春や言葉を選ぶ競馬場
- 初春や拳闘の手は善を積む
- 兵庫県 山崎ぐずみ
- 初春や猿を飼はむと夫の言
- 初春や富士のお山と背競べ
- 初春に俄か一茶のふて寝かな
- 初春や七十五億という地球
- 初春や曲がりなく行くリニアカー
- 神奈川県 髙梨 裕
- 初春や実は十両の門飾り
- 初春の乳房豊かに富の国
- 初春や生一本の客来り
- 初春や子と飲む酒の有り難き
- 初春の神社に鳩の広がりし
- 京都府 中村 万年青
- 初春や何かいい事ありそうな
- 初春や心も軽く身も軽く
- 大空を飛行機の翔ぶ四方の春