俳句庵
季題 7月「枇杷」

- 枇杷熟れて忘れられたる昼の月
- 鈴木一郎 様

- 枇杷熟るる旧家の門の閉じしまま
- 佐藤玲子 様
- 生れ年の落ちるに任すこつぶ枇杷
- 大谷代志江 様
- 婚約の指輪光らせ枇杷むく娘
- 川杉美智子 様
佳句鑑賞
- 黒衣より掌を出し神父枇杷をもぐ
- 津田晴子
鈴木榮子先生コメント
優秀賞の句は、作者が枇杷の木を仰いだとき、その先の空に忘れられたように昼月があったようすが詠まれています。多くの方が枇杷の種の大きなことや枇杷と人事を合わせた句を詠まれていたので、かえって写生句のようなこの句が誠に大らかに枇杷を捉えていました。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。