俳句庵
季題 11月「牡蠣」

- 牡蠣船の幟を立てて船舫ふ
- 梶本若水 様

- ひと口に海を呑み込む酢牡蠣かな
- 鹿島幸 様
- 味噌鍋の湯気立つ底で牡蠣を当て
- 斎藤洋伸 様
- 牡蠣殻の無骨なかほを裏返す
- 佐藤博重 様
佳句鑑賞
- 牡蠣鍋の前の中座の櫓かな
- 中村吉右衛門
鈴木榮子先生コメント
牡蠣船は屋形船です。東京では昭和30年代、三十間堀がまだ埋め立てられていない頃、築地川に浮かんでいました。地域的にいっても、広島、大阪、道頓堀に繁留されるものでありましょう。築地川の牡蠣船は、幟を立てて一度行ってみたいという気持ちにさせられるものでした。築地は、歌舞伎座、演舞場、魚河岸と、とても情趣のある町でした。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。