俳句庵
季題 9月「虫一切」

- 虫時雨スカイツリーの灯が落ちて
- 野村 修三 様

- 立ち入れぬ廃炉の村の虫時雨
- 岩川 容子 様
- 息継ぎのように休むよ鉦叩
- 山地 美智子 様
- 子ら帰りにわかに虫の夜となりぬ
- 佐藤 博一 様
佳句鑑賞
- 玉虫のあたら瑠璃の身箪笥籠め
- 鈴木榮子
鈴木榮子先生コメント
新しくできたスカイツリーの句はこの俳壇で初登場です。
そして今まで思っても見なかったツリーの灯は夜は消えるのですね。その夜空を思うと少し、いっとき寂しいです。我が家は坂の上なので東京タワーが小指ほどに見えます。選者詠ですが、玉虫を箪笥に入れておくと衣装がふえると言いました。
また、今月は「虫一切」で兼題を出してしまい、色々な「虫」が詠まれて調べるのに勉強させて頂きました。「虫」の場合、虫の夜、虫時雨、夜の虫等々。兼題は大切ですから、以後傍題で迷わせないように致します。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。