俳句庵
季題 10月「木の実」

- 武蔵野を迷ひ歩けば木の実降る
- 埼玉県 哲 庵 様

- 散歩路の木の実を踏みて秋を知る
- 東京都 大槻 実 様
- 木の実降る音を聴くかに地蔵尊
- 兵庫県 山地 美智子 様
- 母の手に一つの木の実渡しけり
- 東京都 きょうやん 様
佳句鑑賞
- 木の実手に神から受けし賜り物
- 鈴木榮子
鈴木榮子先生コメント
優秀賞の哲庵さんの句は、派手に見えてしっとりした佳い句です。「武蔵野」が利いております。まさにこういう感じですね。
入賞の大槻さん、投句はウォーキングでしたが、ここは散歩路でよいでしょう。「ウォーキング」はまた別の機会に使ってください。また投句の「踏んで」は「踏みて」の方が俳句らしい表現です。
山地さん、5句ともよく詠めています。勢いに乗った時にどんどん詠んでください。「聞く」はここでは「聴く」がよいでしょう。
きょうやんさん、その動作が眼に見えるようです。女性ならよく行うことでしょう。
今月は佳句が他にも沢山ありました。少し投句者が入れ替わったか、四季各々得手の方があるのでしょう。楽しみに待っています。今月は大変心はずませました。みな様と私、来月も競い合いましょう。先輩投句者の方々もどうぞ肩ならしでなくストライクをお待ち致しております。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。