俳句庵
季題 11月「神の留守」
- 狛犬の俯き気味や神の留守
- 兵庫県 山地 美智子 様
- 天地を鳥獣守る神の留守
- 岡山県 名木田 純子 様
- 神の留守絵馬に幼き誤字ひとつ
- 京都府 丹後 太郎 様
- 神の留守縁談一つまとまりぬ
- 愛知県 山 歩 様
佳句鑑賞
- 海苔の香の朝一番の息深く
- 鈴木榮子
鈴木榮子先生コメント
優秀賞の山地さんの句を読みますと、その神社の雰囲気が偲ばれます。よく詠まれました。狛犬の寂しげな姿が眼に見えてきて、何か心をそそられます。名木田さんの句ですが、鳥獣は神様を頼りにしているので、お留守が寂しいのでしょう。そしてその留守の間を、一生懸命に守っているような感じがよくわかります。まるでお留守番の子供のようです。また、「鳥獣の」の「の」は字余りですので無い方が良いでしょう。丹後さんの句は「幼き」が生きています。山歩さんの句は「神様が留守でも良い縁談はまとまるものだ」というおめでたい思いが伝わる良い句です。
さて、皆様の力作、何回も何回も拝見しています。全体のレベルは上がっていますが、投句の前にもう一度見直してください。俳句は「こころ」です。乞う、ご健吟。
今月の私の句は海苔の句を掲出させていただきました。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。