俳句庵
季題 12月「冬帽子」

- 母編みし辻の地蔵の冬帽子
- 愛知県 山 歩 様

- 資源芥の回収整理冬帽子
- 神奈川県 相模 太郎 様
- 無人駅無言の五つ冬帽子
- 北海道 飯沼 勇一 様
- 冬帽子しっかり被せ塾へやる
- 兵庫県 山地 美智子 様
佳句鑑賞
- スキー持って母見送りに冬帽子
- 鈴木榮子
- 子を生さねばスキー帽子の正ちゃん帽
- 鈴木榮子
鈴木榮子先生コメント
優秀賞の山歩さん、その光景がよく見えます。動きと心情でこの句は誰にでも受け入れられます。また、入賞の相模さん、よくこの題材で纒められました。飯沼さんの句も心情的なことを何もおっしゃらないで、その情景がよく分かります。無言の冬帽子の方々を想像するとき、私は戦後の風景を思い出します。「五つの」は「五つ」がよいでしょう。山地さんの句ですが、お母様が冬帽子をしっかり被せ、わが子の身体に触れて送り出してやるのです。吾が子を励ますことで、ご自分も励まされるのです。愛すればこその一瞬です。
投句を拝見しておりますと、皆様のお気持ち一つ一つが分かります。句は文芸作品です。一つでも佳句を残しましょう。
また、今回も中学生から多くの作品が届きました。上手でなくても良いのです。作っているうちにコツが分かります。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。