俳句庵
季題 1月「読初」

- 今年また歳時記となる読初
- 兵庫県 山地 美智子 様

- 読初めや平家の滅ぶあたりより
- 埼玉県 小玉 拙郎 様
- 主人公の気持ちになりて読み初め
- 東京都 笹木 弘 様
- 読初や先づは声にす芭蕉の句
- 新潟県 近藤 博 様
佳句鑑賞
- 読初や一葉の句を暗唱し
- 鈴木榮子
鈴木榮子先生コメント
優秀賞の山地さん、俳人は皆そうでしょう。歳時記を見ないと一年が始まりません。実感です。小玉さん、平家の哀れが新春の静けさの中で心に沁みます。笹木さんのお気持ちもよくわかります。近藤さん、年の初めに男性の声で芭蕉の句を読むという力強さを感じます。
皆様しっかりと詠まれています。私を育てて下さった安住敦先生に感謝し、先生であったらどう選ばれるだろうかと思いつつ選句をさせていただいております。かつて地下鉄銀座線の地下通路に先生をお迎えに参りましたことを思い出しました。先生の「しぐるるや駅に西口東口」の洒脱さに少しでも近づきたく「日本橋」を入れ込み句にしたいと思っております。
私も昔「海苔」の句を出して先生に採って頂きました。嬉しかったです。採られた時の皆様のお気持ちよくわかります。皆様の今年のご健吟を祈ります。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。