俳句庵
季題 2月「余寒」

- セーターを着ては脱いでの余寒かな
- 神奈川県 佐藤 博一 様

- 詫び状に小さな嘘の余寒かな
- 北海道 十 佐 様
- 切通し余寒と抜けて腰越へ
- 兵庫県 岸野 孝彦 様
- 花時計2分遅れの余寒かな
- 東京都 岩川 容子 様
佳句鑑賞
- オリンピックの四年に一度の余寒かな
- 鈴木榮子
- ガウン着て余寒の筆の進みかな
- 鈴木榮子
鈴木榮子先生コメント
優秀賞の佐藤さん、冬の日常の様子がよく分かります。まず身ごしらえが極まらないと一日が始まらない。平凡に見えるが心構えが伝わってきます。十佐さん、詫び状そのものも辛いものですが、その身の引け目に、言わずもがなの一言が入ってしまう自らの情けなさが見えます。岸野さん、腰越の地名が利いています。岩川さん、冬を越えて来た花時計の「2分遅れ」が利いています。
なお、五 七 五 と切って投句される方がいらっしゃいますが、五七五は間を空けずにお書きください。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。