- 山本海苔店トップ
 - 俳句庵
 - 俳句庵 2015年09月 優秀賞発表
 - 俳句庵 2015年09月 作品一覧
 
俳句庵
9月『曼珠沙華』全応募作品
(敬称略)
- 長野県 中田 博美
 - 思い出が まだ燃え残る 曼珠沙華
 
- 岐阜県 金子 鋭一
 - 曼珠沙華棚田と棚田区切る色
 - 雑草とされず道ばた曼珠沙華
 - たましひの揺るると見しや曼珠沙華
 - 田の神に刈り残したる曼珠沙華
 - 民俗を学びて撮るや曼珠沙華
 
- 新潟県 近藤 博
 - 赤き花しく色ぞなき曼珠沙華
 - 曼珠沙華夕暉に蘂のなほ赤く
 - 昼なるに万灯とも見ゆ曼珠沙華
 - 赤く燃ゆ燭台のやう曼珠沙華
 - 赤き蘂畦を余さず曼珠沙華
 
- 神奈川県 守安 雄介
 - 友逝くや千千に乱るる曼珠沙華
 - 激しさに実の結ばざる曼珠沙華
 - 古タイヤ真中に抱く曼珠沙華
 - 駅前の残土に咲きし曼珠沙華
 - 曼珠沙華草食系の吸血鬼
 
- 神奈川県 佐藤 博一
 - 我思ふ故に吾あり曼珠沙華
 - 群れ咲いて紅蓮の焔曼珠沙華
 - 田の神の紅き隈取り曼珠沙華
 - 氏も無く素性も知れず曼珠沙華
 - 豊作を寿ぐ焔曼珠沙華
 
- 福岡県 幻草
 - ぞつくりと草の中より曼珠沙華
 - 防人の守りし大地曼珠沙華
 - 泣いた子がもう摘んでゐる曼珠沙華
 - 思い出の中に姉あり曼珠沙華
 - 曼珠沙華古墳いくつも続きをり
 
- 千葉県 柊二
 - 曼珠沙華刈られ稲穂の枕花
 - 畦を踏む影に縺れて曼珠沙華
 
- 茨城県 たいようたろう
 - 獣道果て狂乱の曼珠沙華
 - 曼珠沙華狂気の虫を飼い馴らし
 - 充電の時の沈黙曼珠沙華
 - 城跡の礎石累々曼珠沙華
 - 鬱屈の果ての放心曼珠沙華
 
- 群馬県 麻眠
 - 曼珠沙華 スカーレットの 香立ちぬ
 - 黄泉の国 道しるべなる 曼珠沙華
 - 灰色の 空見下ろせば 曼珠沙華
 - 曼珠沙華 どこから来て 何処へ帰る
 - 曼珠沙華 静寂の丘 佇まん
 
- 兵庫県 八家 英六
 - 綺麗だが持ち帰るなと曼珠沙華
 - 故郷は昔のままに曼珠沙華
 - 揺れているかんざしに似たり曼珠沙華
 - あぜ道のかんざしのごと曼珠沙華
 - 年代も移り変わりて彼岸花
 
- 山口県 ひろ子
 - 寿命つき野辺の送りや曼珠沙華
 - 球根の漢方なるや曼珠沙華
 
- 神奈川県 塚本 治彦
 - その先は黄泉つ平坂曼珠沙華
 - 曼珠沙華打ちて哀しみ募りけり
 - 曼珠沙華東塔背伸びしたるごと
 - 曼珠沙華摘みし幼の叱られて
 - 華やぎて落つる日のごと曼珠沙華
 
- 広島県 有馬 未知
 - 曼珠沙華子どもながらに感じ入る
 
- 東京都 岩崎 美範
 - 曼珠沙華往時を偲ぶ古戦場
 - 曼珠沙華摘んでおしやべり姉妹
 - 父と来し畦に一本曼珠沙華
 - 跋扈する魑魅魍魎や曼珠沙華
 - 曼珠沙華摘めば妹に会へるかも
 
- 長野県 木原 登
 - 天守より見やる田畦の曼珠沙華
 - 父恋はなくて母恋ふ曼珠沙華
 - 落日と揚羽をとどむ曼珠沙華
 - 散歩道いま曼珠沙華曼珠沙華
 - 飛火して群増す野路の曼珠沙華
 
- 兵庫県 岸野 孝彦
 - 限界の村と呼ばれて曼珠沙華
 - 明日香にて茜に染まる曼珠沙華
 - 曼珠沙華こけしの里のこけし花
 - 忠魂碑赤誠知らぬ曼珠沙華
 - 持ち帰り叱られ捨てし曼珠沙華
 
- 福岡県 西山 勝男
 - 対岸を越へて飛火の曼珠沙華
 - 札所へと畷伝ひに曼珠沙華
 - 首塚や今を盛りの曼珠沙華
 - 曼珠沙華解脱の塔を燃へたたす
 - 空濠に哀話ひもとく曼珠沙華
 
- 岡山県 岸野 洋介
 - 大王の眠る古墳や曼珠沙華
 - 歌碑のそば木漏れ日止まる曼珠沙華
 - 曼珠沙華群れて咲くよし孤立よし
 - 黄金田を区切りて燃ゆる曼珠沙華
 - 前触れのなくどっと咲く曼珠沙華
 
- 長崎県 内野 悠
 - 千年の地層は一重曼珠沙華
 - 日帰りで行けるふる里曼珠沙華
 - 赤き血は家族に流る曼珠沙華
 - 日暮には汚れて帰る曼珠沙華
 - 曼珠沙華胸にクルスの異国兵
 
- 大阪府 石英
 - 引き潮は緩やかなるや曼珠沙華
 - 処置中のライト眩しや曼珠沙華
 - 給水の音軽やかに曼珠沙華
 - 曼珠沙華喀痰多き父眠る
 - 曼珠沙華子等は居場所に帰り去ぬ
 
- 静岡県 柳谷 益弘
 - 不条理を消し去る色や曼珠沙華
 
- 神奈川県 井手浩堂
 - 野仏に風やはらかし曼珠沙華
 - 畦道に火を点じたり曼珠沙華
 - 白樺の木の間木の間に曼珠沙華
 - 火の見櫓ありしあたりや曼珠沙華
 - D51の汽笛遠のく曼珠沙華
 
- 愛知県 井深 靖久
 - 気がつけば顰に倣う曼珠沙華
 - 意気盛ん地に足着いた曼珠沙華
 - 居並びて黙とう捧ぐ曼珠沙華
 
- 兵庫県 たちばなかおる
 - 山門に続く農道曼珠沙華
 - 愛犬を埋めし庭先曼珠沙華
 
- ブラジル 林 とみ代
 - 曼珠沙華清姫荘に咲き乱れ
 - 曼珠沙華熊野古道の道標
 - 放射状に飛び跳ねるかに曼珠沙華
 - 情熱をはじき咲かせて曼珠沙華
 - 曼珠沙華の毒にかぶれて泣きしかな
 
- 兵庫県 山地 美智子
 - この先に石舞台あり曼珠沙華
 
- 岡山県 純子
 - 手をつなぎ睦び咲きけり曼珠沙華
 - 地に空に約束果たす曼珠沙華
 
- 大阪府 永田
 - 佳人あり曼珠沙華が好きといふ
 
- 大阪府 高塚 政宜
 - 争ひはこの星の性曼珠沙華
 - この星の争ひ絶えず曼珠沙華
 
- 大阪府 山下 みゆき
 - アスファルトの国より落ちて曼珠沙華
 - 土砂降りの飛鳥路赤し曼珠沙華
 - 雨粒のシャンデリアなり曼珠沙華
 - 猿石の猿を知りしや曼珠沙華
 - 曼珠沙華無き国へ連れしバス来たる
 
- 山口県 山縣 敏夫
 - 里山の棚田の畔に曼珠沙華
 - 坂の上母の墓前に曼珠沙華
 - 彼岸花ここを先途と土手に咲く
 - 街道を抜けた辺りに曼珠沙華
 - ふる里の園一面に彼岸花
 
- 大阪府 津田 明美
 - 逝く道は字で足りけり曼珠沙華
 - 黄泉坂は字番外地曼珠沙華
 - 結界は摘まずにおきぬ曼珠沙華
 - 妖かしの謂われも矜持曼珠沙華
 - 残照の刹那切り取り曼珠沙華
 
- 埼玉県 岸 保宏
 - 平和の世朱さを増して曼珠沙華
 - 寺門で背筋伸ばせし曼珠沙華
 - 曼珠沙華避けし見事に獣道
 
- 東京都 村上 ヤチ代
 - 傾城の簪数多曼珠沙華
 
- 埼玉県 櫻井 玄次郎
 - 浄土への橋渡しかな曼珠沙華
 - 辻堂の地蔵侘びしや曼珠沙華
 
- 神奈川県 鹿毛 里美
 - 乗る風を待ちたる今朝の曼珠沙華
 - 曼珠沙華暫し夕日に隠れをり
 - せせらぎは会話のごとし曼珠沙華
 - なほ風の子守歌とも曼珠沙華
 
- 三重県 平谷 富之
 - 天上も白く染めたる曼珠沙華
 - 我が思ひ天まで届け曼珠沙華
 
- 神奈川県 川口 祐子
 - 情熱をすつくと擡ぐ曼珠沙華
 - 曼珠沙華くるりカールでお洒落さん
 - 強情な長女の好きな曼珠沙華
 - 古刹には音無き音と曼珠沙華
 - よそ行きの顔ばかりなり曼珠沙華
 
- 東京都 豊 宣光
 - 曼珠沙華空の青さと競ひ合ふ
 - 曼珠沙華赤き敷布となる野かな
 - 亡き父母の夢を見にけり曼珠沙華
 - 絞首刑茎のみ残る曼珠沙華
 - 曼珠沙華群れる中なる地蔵かな
 
- 岐阜県 ときめき人
 - 曼珠沙華猛火戦火をくぐり抜け
 
- 千葉県 犬槇庵 光晴
 - 労農夫憩へる畔の彼岸花
 
- 東京都 中田地溝
 - 掘割の白曼珠沙華南無の声
 - 下駄の音近づいてくる曼珠沙華
 
- 山形県 真木 純子
 - 曼珠沙華棚田の畦や大夕焼け
 - 曼珠沙華通勤道の星灯り
 - 天翔ける絵馬なる筆や曼珠沙華
 - 七曲がり超えて阿弥陀の曼珠沙華
 - 追分や弓手街道曼珠沙華
 
- 滋賀県 村田 紀子
 - 駆け抜ける白いドレスに曼珠沙華
 - 母が来る道を染め行く曼珠沙華
 - 黒猫に声かけられた曼珠沙華
 - 曼珠沙華残し草刈る翁かな
 - 曼珠沙華幼き日々を連れてくる
 
- 千葉県 藤鷹 圓哉
 - とうに過ぎ父の歳から曼珠沙華
 - 病院のむかう道に見える曼珠沙華
 
- 熊本県 貝田 ひでを
 - 曼珠沙華踏みつけられて赤くなる
 - 山火事と見紛麓曼珠沙華
 - 曼珠沙華落人村は寝静まり
 
- 滋賀県 濱本 勝美
 - 母の笑み癒す畦道曼珠沙華
 - 曼珠沙華ゆれて嬉しや千の風
 - 巡る日々曼珠沙華咲くふたたび野
 - 曼珠沙華魅かれて見えぬ紅い影
 - 妖しさが君に重なる曼珠沙華
 
- 福岡県 風有路
 - 潮騒の棚田を囃し曼珠沙華
 - 灼爛に衰きざす見ゆ曼珠沙華
 
- 埼玉県 米田 哲
 - 昏れ残る故山の森や曼珠沙華
 - 入り日射す故山の森や曼珠沙華
 - 曼沙華珠夢二彦乃の二寧坂
 - 曼沙華珠入り日射し入る森の黙
 
- 岡山県 貫徹
 - 停車場に愛猫眠る曼珠沙華
 - 藁葺きの倉庫浮かびし曼珠沙華
 - 十字路で行き先を言ふ曼珠沙華
 - 道を問ふ指差す先に曼珠沙華
 - 空耳の振り向く先は曼珠沙華
 
- 千葉県 二階堂 脩一朗
 - 陽にはゆる棚田百枚曼珠沙華
 - 石地蔵だれの供花ぞ曼珠沙華
 - 捨て墓地の周り一面曼珠沙華
 
- 東京都 蘭丸
 - 曼珠沙華明け渡す日のかくれんぼ
 - 曼珠沙華ポケットに隠すかすり傷
 
- 大阪府 太田 紀子
 - 畔道を縁取つてゐる曼珠沙華
 - この山の向かふにも曼珠沙華
 - 曼珠沙華また曼珠沙華野道行く
 
- 北海道 飯沼 勇一
 - 友の墓線香タバコ曼珠沙華
 - 別名を知らず子ら摘む曼珠沙華
 - 住人はいずこへ廃墟の曼珠沙華
 - 父の墓誓ふ不戦や曼珠沙華
 - 野地蔵の褪せし前掛け曼珠沙華
 
- 東京都 かつこ
 - 今生に妣の咲かす曼珠沙華
 - 曼珠沙華水子の石に手を合す
 
- 愛知県 川俣 周二
 - 森を抜け畦一面の曼珠沙華
 - 海底に朽ちゆく艦や曼珠沙華
 - かさぶたを剥がして滲む曼珠沙華
 - 火傷痕何処で付きしか曼珠沙華
 - ぐづぐづと家出のできぬ曼珠沙華
 
- 栃木県 長浜 良
 - 野仏や忽然として曼珠沙華
 - 坊様のてくてく歩き曼珠沙華
 - 山門へ道真直ぐや曼珠沙華
 
- 東京都 岩川 容子
 - この村に狐狸のうわさや曼珠沙華
 - 落暉いま火種となりし曼珠沙華
 - 早世の姉の戒名曼珠沙華
 - 西国の畦道続く曼珠沙華
 - 曼珠沙華はらりと棒になる覚悟
 
- 埼玉県 哲庵
 - 曼珠沙華血は水よりも濃きものや
 - 交はれど染まず白花曼珠沙華
 - 妻の影踏み踏み帰る曼珠沙華
 - 地の力噴き出してをり曼珠沙華
 - 老いらくの恋や白花曼珠沙華
 
- 東京都 石見 光夫
 - 天空に通ずる棚田曼珠沙華
 - 休み田に佇むふたり曼珠沙華
 
- 神奈川県 佐々木 僥祉
 - 防人の守りし塁や曼珠沙華
 
- 埼玉県 長澤 千鶴子
 - 青空を白雲走り曼珠沙華
 - 曼珠沙華燃えつきるまで古墳塚
 - 天国へ続く道なり彼岸花
 - 曼珠沙華地平線まで咲きのぼり
 - 曼珠沙華たどりて行けば浅間山
 
- 北海道 北浜 哲
 - 曼珠沙華究極の紅止めおり
 - 畦道のレッドカーペットか曼珠沙華
 
- 東京都 水野 二三夫
 - のんのんの空はるかなり曼珠沙華
 - 曼珠沙華日光街道一里塚
 - この道を父母行きにけり曼珠沙華
 
- 東京都 鈴木 眞由美
 - 曼珠沙華このままの明日願ひけり
 - 足萎へて留守居の父や彼岸花
 - 吾をでぶと呼ぶは父なり曼珠沙華
 - したまがり諸手で擦る指のあり
 
- 埼玉県 守田 修治
 - 曼珠沙華嫌われるほどの赤哀し
 - 曼珠沙華酔いざめ日記白いまま
 - 曼珠沙華コールドゲームで去る母校
 - どことなくカルメンに似し曼珠沙華
 - おてんばも摘むのを止める曼珠沙華
 
- 兵庫県 -
 - 学校の始まるチャイム曼珠沙華
 - 塚守と呼ばるるあはれ曼珠沙華
 - 烏鳴き土手に叢生う曼珠沙華
 - 曼珠沙華灯点し頃の帰り唄
 - 面伏すや可憐に見ゆる曼珠沙華
 
- 東京都 直木 葉子
 - だあれにも逢ひたくなき日曼珠沙華
 - 曼珠沙華反る富士塚の一合目
 
- 神奈川県 相模太郎
 - 野の川に踊る太陽曼珠沙華
 - 遊ばせて田に曼珠沙華ほしいまま
 - 水漏れの乾び閼伽桶曼珠沙華
 - 噴煙に慣れて仕事す曼珠沙華
 - さらさらと流るる野川曼珠沙華
 
- 東京都 安西 信之
 - 曼珠沙華摘むも摘まぬ哀しけれ
 - 天上は紺極めけり曼珠沙華
 
- 愛知県 石川 順一
 - 曼珠沙華咲くまで踏まれて居る聖者
 - 墓場まで踏まれし曼珠沙華凛々し
 - 恋の歌曼珠沙華でも千切らうか
 - 曼珠沙華圧倒的な演歌聴く
 - 曼珠沙華車を降りて散歩する
 
- 京都府 中村 万年青
 - 秋彼岸畦に赤帯曼珠沙華
 - 赤々と夕日を染めて曼珠沙華
 - 葉の緑花に遅れて曼珠沙華
 - 夕暮れにやさしく揺れて曼珠沙華
 - 稲穂背に飛鳥の里に曼珠沙華