俳句庵

2月『初午』全応募作品

(敬称略)

千葉県     柊ニ
初午や鳥居の中の赤き群れ
高知県     野中泰佑
初午にお稲荷様や為す多忙
初午に稲荷の社や御多忙
初午に食い放題や稲荷寿司
初午や火の用心の札配る
初午に防火の願よ世に巡る
岐阜県     金子加行
初午の幟の招き途中下車
初午に新調さるる朱の鳥居
初午や旅の人にもいなりずし
初午や横文字の名を読む祝詞
初午の菓子の届きしケアハウス
福岡県     浦田晋祐
初午や真綿のべべ着て寺子屋へ
静岡県     いたまきし
初午やこぼるゝ酒の曇りなき
東京都     岩崎美範
初午や豊作願ふ笛太鼓
初午や子等は狐の面つけて
初午やいなり寿司屋の狐面
初午や笛を肴に昼の酒
神楽舞ふビルの谷間の午祭
大阪府     藤田康子
初午や逆さ狐の口手水
初午や「おもかる石」に緊張す
福岡県     深町明
仲見世に手を炙りをり一の午
妻の手を取りつつ登る福参
登るほど増えゆく祠福参
初午や仲見世ゆけば鳥の糞
福岡県     深町明
初午やドミノの如き朱の鳥居
兵庫県     岸下庄二
初午やきつねうどんを注文す
初午や小さき祠の屋敷神
初午や迷子預かる案内所
初午や参道で買ふ夫婦箸
初午の鈴緒大きく振り鳴らす
兵庫県     神長誉夫
午祭り雨に差し出す熱き舌
初午や曇天担ぐ大鳥居
初午や狐の前掛け火のゆらぎ
初午や千本鳥居の陰を跳び
初午や先ずは褒め合うしもつかれ
山梨県     森下博史
初午や君を見かけるロータリー
初午の翌々日の前々日
初午や白い遠山見る車窓
初午の朝にデミタス飲んでいる
初午の翌日の朝玉子焼き
愛媛県     砂山恵子
初午や砂糖多めの油揚
夜の更けて絵馬のことりと午祭
初午に残されている休耕田
初午や雲の形の握り飯
初午のあかりみえたる雨の街
東京都     勢田清
初午や屋敷の祠清めけり
初午や幟はためく石畳
初午や祠の日差し柔らかき
初午や稲荷神社の田舎道
初午や参道歩く人まばら
愛知県     飯田 夷佐久
初午や手を引く祖母の骨と皮
初午の赤い前掛けとめどなく
十二年同じ晴れ着や一の午
兵庫県     平尾美智男
早々と御饌下げらるる午祭
大阪府     木山満
初午やキツネ嫁入る小雨かな
初午や幟(のぼり)はためき人犇(ひし)めく
初午や薄味稲荷届きけり
初午や幟が頭叩きけり
初午や肩車の子絵馬かざし
神奈川県     川島欣也
初午や父の寄進の朱の鳥居
徳利を並べ倒すや一の午
初午や祖母直伝のしもつかれ
空樽を積み寿ぐや一の午
小百姓兄弟そろう一の午
兵庫県     汰久鷺羽
初午や来年受験手が震え
愛媛県     加島一善
おあげさん買うて伏見の初午へ
就活へ「しるしの杉」を身につけて
初午や椿の柄のべべを着て
初午のうどんをすするガード下
初午や土産は膝のいなり寿し
東京都     秋人
油揚げ香りあたたか初午や
境内の西日ほんわか初午や
長野県     木原登
松ぼくり蹴りつつ行くや福参
初午や村見はるかす坊主山
一の午二の午過ぎて友の忌来
遠目にもしかと鳥居や午祭
長野県     木原登
クレーンの首がつくりと一の午
埼玉県     岸保宏
初午や屋敷稲荷に孫を抱き
初午や珍しくなし稲荷ずし
初午や令和の市も静かなり
千葉県     徳翁
初午や巫女に化けたる孫娘
初午や鳥居傾き太鼓鳴る
初午や年々長し願いごと
徳島県     白井百合子
初午や胸を弄る乳飲み子よ
初午に御守り手にし迷いけり
初午や活気あふれる猫神様
初午やエプロン持つて講中へ
初午や孫の重みが手に残る
長崎県     入口弘徳
さびしいから初午へ出かける
初午や動物園の狐たち
樹海より初午の声ひびきけり
初午や軍艦島に波ひとつ
東京都     内藤羊皐
初牛の老婆五人の狐面
初牛の日照雨響める丹鳥居
躄たる妻を伴ふ初牛祭
初牛の神馬の潤るる眼かな
初牛や拳の如きいなり寿司
埼玉県     いまいやすのり
小社のけふの初午うすぐもり
初午や鍋にあふるる酢憤
初午に次々届く供物かな
初午や手の平ずしり稲荷寿司
初午や菓子をふるまふ鉄工所
大阪府     森 佳月
初午や餅まく人に手を伸ばし
初午や赤き前掛け狐にも
初午や恋の辻占人待ちて
千葉県     四葩
農機具の並ぶ城下や一の午
福岡県     須賀利通
初午やマイクロバスに商工会
三の午裏参道に浮世絵展
赫に浸む鯨ベーコン福参り
兵庫県     えいえい
初午が僕の今年を決めていく
千葉県     伊藤博康
初午も杖のお世話になりにけり
初午や狐を見せに孫連れて
初午や狐に赤き涎掛け
初午の舞ひ手の足袋の白さかな
初午の境内に満つ願ひ事
愛知県     金子恵美
初午や同級生とすれ違ふ
初午の小路に昼の月あがり
初午や朱の鳥居より風抜けて
口下手の男を連れて一の午
初午の声賑やかに店の奥
岐阜県     ときめき人
一の午大樹の守る小祠あり
埼玉県     飛翔
初午や昭和の味のすみつかれ
初午や煮詰めて旨き油揚げ
初午や屋敷稲荷に幟なし
初午や母の不揃ひ稲荷寿司
神奈川県     猪狩鳳保
はつ午やこんな坂道のこり雪
初午やお籠りのままひと日過ぎ
初午のらふそくぬらす雨やはし
神奈川県     猪狩鳳保
はつ午や明けにほほばるにぎり飯
初午や杉のこずゑの薄光り
神奈川県     沼宮内薫
徒歩で行く農衣のままの一の午
泥靴のままに詣でる一の午
一の午村に一つの掲示板
つるつるに撫でられ狐一の午
初午や卒寿の父も詣でをり
広島県     老人日記
初午や名字の違う三姉妹
初午やきつねうどんで済ましけり
初午や月光描く伯耆富士
初午や朱はトンネルにタイムスリップ
東京都     長岡馨子
黙食の食堂に初午のニュース
大阪府     げばげば
光苔生す初午の狛狐
東京都     長岡馨子
初午や黙食の食堂のテレビ
黙食の食堂に初午のニュース
三重県     後藤允孝
初午や過去のことにはこだわらぬ
初午の祠は杜の守り神
田の神も畑の神も一の午
千段の磴のぼりきり稲荷講
初午や狐顔した犬二匹
神奈川県     井手浩堂
鈴つけて馬踊らせり午祭
埼玉県     北川清
初午や 和琴の調べ 小豆飯
初午や 足あと残し 朱の鳥居
初午や すき焼き鍋に 揚げ豆腐
初午や 下足札ある 和食店
初午や 根津神社の 朱の鳥居
神奈川県     塚本治彦
初午の露店が径を狭めけり
初午や供へられたる油揚
初午や台湾栗鼠の棲む稲荷
初午や露店の地割仕切る禰宜
初午やいささか甘い京の酒
岡山県     岸野洋介
来合せて初午参りして帰る
初午や先生祢宜に早変わり
初午に妻と一緒の日は遥か
昼からは晴れて初午賑々し
出歩きの神のお供で初午へ
奈良県     平松 洋子
初午や蔓は隣りの鉢に巻く
初午や屋台に並ぶ薄荷飴
初午やなぜか届きぬ稲荷ずし
東京都     長岡馨子
初午や黙食の食堂のテレビ
百段の上にそよ風午祭
黙食の食堂に初午のニュース
神奈川県     矢神輝昭
山腹を登る鳥居や午祭
銀ぶらやビルの狭間の午祭
初午や千の鳥居に肖からん
初午に会社の洞揚盛りて
初午や朱に燃え潜る鳥居かな
埼玉県     岸保宏
鈴の緒の新しきかな初の午
初午や氏子の袖のふるえるや
初午や矢立きりりと店並び
三重県     平谷富之
初午や乙女の晴着目を奪ふ
兵庫県     髙見正樹
初午や海を見下ろす赤鳥居
兵庫県     髙見正樹
初午の海鮮いなり百貨店
デパ地下に初午いなり狐面
東京都     松本征枝
初午の途切れて二年振れ太鼓
子等囲む大き焚き上げ初の午
初午の氏子の上げしお赤飯
音もなく済みし初午護符届く
神下るる幣束の音初の午
兵庫県     岸野孝彦
初午や骨董市の顔なじみ
初午や三角あげの母偲ぶ
初午や祇園芸妓の三味響く
初午や菊と葵の鳥羽伏見
初午や顕家卿の最期の地
東京都     佐藤富幸
初午の願いの列や寡黙なり
初午や賑わひよそに施設へと
初午や傘の参道音も無し
初午や蝋燭の火に託す夢
初午や賽銭箱に手の五円
東京都     佐藤美智子
初午や出費の多き予感あり
初午や語り自在に子等の夢
初午や家事見切りたる主婦の午後
亡き父の花芽ぎっしり一の午
旧道の路地裏提灯一の午
茨城県     小松崎孝志
初午の笠間や長いそばいなり
初午や筑波嶺の襞際立ちぬ
初午や「しもつかれ」てふ謎の味
初午や飛行機雲と鳶滑翔
茨城県     小松崎孝志
初午や東雲色の旧市街
神奈川県     川島欣也
親元の初午詣で藪の中
二の午や疎らになりし人の影
初午や辺り憚る大太鼓
大店の寄進の幟一の午
稲荷講おやじ寄進の朱の鳥居
埼玉県     水夢
初午の千本鳥居人の波
初午の幟ゆるゆるすずめ焼き
初午に長寿願ひて花の餅
初午や幟はためく今日の雨
初午やキツネ咥える蔵の鍵
静岡県     城内幸江
初午やカセットテープ笛の音
初午や空高々と幟旗
千葉県     峰崎成規
走り読む地口行燈初午祭
直会は油揚げづくし初午祭
初午祭ひと日末社の晴れ姿
幟見ゆ町家の奥の初午祭
初午祭禰宜の木靴の真新し
大阪府     津田明美
初午や幟遠近畦の道
初午や幟はためく石畳
初午や朱唇鮮やか狐嫁
初午や九尾の狐も参拝す
初午やそぞろ歩きの村の衆
東京都     渡辺怜奈
初午の 読み方わからず 初牛と
京都府     村田稔子
初午や 表参道 大鳥居
初午や 大鳥居まで 一時間
京都府     村田稔子
初午や 狐のお面 こわいと言い
初午や 伏見稲荷の 駅に立つ
初午や 裏参道に すずめ焼き
奈良県     堀ノ内和夫
初午や賑はひ戻る日を待たむ
東京都     豊宣光
初午や狐の面の踊り出す
参道に初午の日の人出かな
初午や苗から育つ稲も子も
初午や大皿に盛る稲荷ずし
初午の神社に赤き旗の華
神奈川県     龍野ひろし
初午や帰りの酒の良く回る
京都府     杉森大介
海苔巻きておむすび握る朝かな
初丑や神社へ人で賑はひて
愛知県     新美達夫
初午の餅青空に放物線
餅投げも露店も無くて一の午
初午やみな中学の同窓生
地区役を屋号で呼んで一の午
礼装の市議駆けつけし一の午
京都府     杉森大介
初午の旅の札所へ寄りてをり
埼玉県     石塚彩楓
初午や屋台真中のシシカバブ
ブローチを初午に買ふおさげの子
初午の幟翩翻蒼き空
初午や身の丈に合ふ鋤の柄を
初午の端に包丁研ぎ二人
静岡県     大澤定男
初午や昔きつめに母の帯
初午や昔覗いた二眼レフ
初午や昔汲み置き釣瓶井戸
静岡県     大澤定男
初午や昔気質のジャズ歌い
初午や昔人肌燗冷まし
埼玉県     関とし江
初午の祠幟の奥の奥
国訛初午の日の稲荷駅
初午や猛る炎のお焚き上げ
初午の犇めく駅に吐き出され
初午や手作り二十稲荷寿司
千葉県     樽谷幸龍
初午の光る鳥居に絵馬ひとつ
徳島県     井内胡桃
初午の白虎の見あぐ空蒼し
初午の賽銭ことと落ちにけり
初牛やてらてら光る油揚げ
初午や大き三角稲荷ずし
初午の願いはひとつ一礼す
神奈川県     立野音思
朝まだきけふは初午骨董市
初午や五色の幟立つ祠
初午や名代のうどん混み合ひぬ
香川県     辰野
初午にえほんのきつね拝む手よ
初午の前夜"味見"を叱る声
初午の朝や子ら駆け回り泣き
神奈川県     亀山酔田
初午や主社へ行きしまま
初午や子供に配る菓子包み
初午や煮炊の煙久に立ち
焼そばの屋台気になる福詣
初午やぼおつと灯る占師
大阪府     鈴木千年
初午や燠のごとくに狐面
初午の奉納書は吉野和紙
大阪府     鈴木千年
初午幟山懐の祠にも
耳朶をくすぐる風や午祭
一の午二の午三も笛太鼓
大阪府     鈴木三津
初午や千本鳥居千くぐり
初午やきつねうどんに温もれり
京野菜花と積みあげ一の午
初午や孫の土産に白狐面
初午やお山の陰に残り雪
東京都     中田ちこう
初午や孫も数えた赤鳥居
千葉県     伊藤順女
初午や巫女の袴の朱と鳥居
初午や農家稲荷に油揚
異世界へとくぐる鳥居か一の午
宮城県     林田正光
初午の昼餉はいなり決めており
初午の家族土産は稲荷寿司
初午や朱色の幟はためきぬ
幾つもの鳥居を抜けて一の午
初午や農の大事を願いつつ
東京都     音羽凜
初午やひとつおまけの稲荷寿司
埼玉県      哲庵
初午や幼稚園児の剣舞
初午やぐいと差し上ぐ力石
初午や火伏せの凧の髭奴
初午や幼子叩くミニ太鼓
初午や親子で競ふ桴捌き
大阪府     永田
初午や商家の刀自に連れられて
福岡県     西山勝男
初午や嫁ぎゆく子を道連れに
初午の風をまとひて詣でけり
福岡県     西山勝男
初午や児は爺やのかたぐるま
初午や門前街は市となし
初午や取分けはづむお賽銭
ブラジル     林とみ代
初午の疫病祓ふ願ひかな
初午や夫婦狐の像並ぶ
初午に世界の平和祈りけり
初午や稲荷神なる旗立てて
初午の稲荷寿司食ぶ家族かな
神奈川県     原川篤子
初午の鳥居くぐるや狐面
真新し前垂れ並ぶ一の午
母連れて近所の稲荷一の午
蒼天の百の鳥居や一の午
初午や佐助稲荷の階長し
埼玉県     宥光
初午や幾度も歩くこの参道
初午の嬉々と出かける実家かな
初午や三角形の稲荷寿司
初午の祠祭眺めてデパ地下へ
初午や狐の穴のある神社
東京都     山﨑勝久
初午やきつねうどんに揚げ二枚
初午や上方になききつねそば
初午や腰を屈めて赤鳥居
初午や海苔巻きばかり残りをり
神奈川県     飯島まゆみ
初午や祖母直伝のいなり寿司
初午や赤き鳥居は幾重にも
初午や屋敷稲荷も賑わいて
東京都     右田俊郎
消防士火伏を祈願一の午
東京都     右田俊郎
初午や慣わし徐々に薄れゆく
初午や子の撫でてゆく一の午
朱の鳥居あまたくぐりて一の午
初午や屋敷稲荷に手を合わす
千葉県     山田香津子
初午や祖母に胡麻入りきつねずし
初午や祖母につれられぬかる道
滋賀県     船岡房公
初午や隈取されし白虎面
初午やしるしの杉を拝受せむ
稲荷山七度登拝福詣り
初午や辻占ひの鈴せんべい
東京都     岩川容子
初午や揚げ煮る匂い路地の奥
懐かしきしんこ細工や午祭り
初午や鳥居抜ければ狐穴
歌舞伎座の地口行灯午祭り
東京都     田畑 整
初午やいなりの皮を煮込む母
初午や巫女の手渡すしるし杉
愛知県     香坂泉
初午や参道に濃く酢の匂ひ
初午や臨時列車のベル高し
初午やお下がり猫に分け与へ
初午や祈る背中の恭し
滋賀県     別役昌子
初午祭しるしの杉の護符の青
初午の昼は豆狸(まめだ)か古市庵
初午の真っ赤な幟通過駅
狐目の女行き交う一の午
初午や三角形の稲荷食ぶ
埼玉県     守田修治
初午や厚揚げ旨し縄のれん
埼玉県     守田修治
初午や飛鳥山越え遠出かな
初午やタンゴ溶け込む鬼子母神
初午や句会帰りの中華蕎麦
初午や眠気ざましに酒熱く
大阪府     酒梨
狐目の輩も参る午祭
初午や狐の声は空耳か
初午や頭に雪のきつね像
初午や変はりいなりの三種盛り
初午や狐火みたと語る祖父
神奈川県     海野優
初午や百度石への供へ物
初午や阿吽様へも稲荷寿司
初午に見返りあふてする会釈
初午へ狐の嫁入り見送りて
埼玉県     小玉拙郎
初午の戻り馴染みのあられ蕎麦
参道の殺風景や一の午
初午の空は青々広々と
日めくりに初午の文字赤くあり
茨城県     長洲研志
初午や京都旅行の亡き祖父母
初牛やそちらの空も青いのか
千葉県     峰崎成規
初午祭ひと日末社の晴れ姿
幟見ゆ町家の奥の初午祭
初午祭禰宜の木靴の真新し
直会は油揚げづくし初午祭
走り読む地口行燈初午祭
埼玉県     釜田眞吾
賽銭の音一枚や一の午
初午の小さき鳥居や朱の剥げて
埼玉県     釜田眞吾
初午や朱の鳥居の向かふ側
神奈川県     池田恵美
初午や「あもや」と京の菓子の店
遠く来て初午の市ひやかせる
初午や芥子の実のぞく稲荷寿司
初午や疫病祓ひもかねてをり
初午や番茶煮出せばかんばしき
兵庫県     みんみん
朝五時に父に起こされ初午へ
東京都     内山岱鵬
初午や祠の清め子供会
初午祭主役は着飾る農耕馬
初午祭紅い顔した宮司かな
初午や狐の前かけ夕日映え
初午やおイナリにぎる手の赤き
千葉県     風泉
白狐鳴く長谷の祠や午まつり
初午や白鳩並ぶ鳥居反り
初午も暮れて玉砂利澄み渡る
東京都     山本先生
初午や馬に続いてゆく短髪
初午の馬に子首の動かざる
初午の屋台七味の叩き売り
初午の男ら風を掻き分けり
初午や迷彩柄のおじいさん
福岡県     多事
しやんしやんと鈴謳はせて午祭
鼻高く白粉の筋一の午
一の午大隅国の一の宮
初午や廃仏毀釈荒れし圀
初午や何時にもなくて姉妹らし
神奈川県     髙梨裕
初午や揃う三代赤鳥居
初午や賑やかなりぬ狐面
初午やこんと手招く白狐
初午や野狐に供えの稲荷鮨
初午の狐権現朱塗り門