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- 俳句庵 2022年02月 作品一覧
俳句庵
2月『初午』全応募作品
(敬称略)
- 千葉県 柊ニ
- 初午や鳥居の中の赤き群れ
- 高知県 野中泰佑
- 初午にお稲荷様や為す多忙
- 初午に稲荷の社や御多忙
- 初午に食い放題や稲荷寿司
- 初午や火の用心の札配る
- 初午に防火の願よ世に巡る
- 岐阜県 金子加行
- 初午の幟の招き途中下車
- 初午に新調さるる朱の鳥居
- 初午や旅の人にもいなりずし
- 初午や横文字の名を読む祝詞
- 初午の菓子の届きしケアハウス
- 福岡県 浦田晋祐
- 初午や真綿のべべ着て寺子屋へ
- 静岡県 いたまきし
- 初午やこぼるゝ酒の曇りなき
- 東京都 岩崎美範
- 初午や豊作願ふ笛太鼓
- 初午や子等は狐の面つけて
- 初午やいなり寿司屋の狐面
- 初午や笛を肴に昼の酒
- 神楽舞ふビルの谷間の午祭
- 大阪府 藤田康子
- 初午や逆さ狐の口手水
- 初午や「おもかる石」に緊張す
- 福岡県 深町明
- 仲見世に手を炙りをり一の午
- 妻の手を取りつつ登る福参
- 登るほど増えゆく祠福参
- 初午や仲見世ゆけば鳥の糞
- 福岡県 深町明
- 初午やドミノの如き朱の鳥居
- 兵庫県 岸下庄二
- 初午やきつねうどんを注文す
- 初午や小さき祠の屋敷神
- 初午や迷子預かる案内所
- 初午や参道で買ふ夫婦箸
- 初午の鈴緒大きく振り鳴らす
- 兵庫県 神長誉夫
- 午祭り雨に差し出す熱き舌
- 初午や曇天担ぐ大鳥居
- 初午や狐の前掛け火のゆらぎ
- 初午や千本鳥居の陰を跳び
- 初午や先ずは褒め合うしもつかれ
- 山梨県 森下博史
- 初午や君を見かけるロータリー
- 初午の翌々日の前々日
- 初午や白い遠山見る車窓
- 初午の朝にデミタス飲んでいる
- 初午の翌日の朝玉子焼き
- 愛媛県 砂山恵子
- 初午や砂糖多めの油揚
- 夜の更けて絵馬のことりと午祭
- 初午に残されている休耕田
- 初午や雲の形の握り飯
- 初午のあかりみえたる雨の街
- 東京都 勢田清
- 初午や屋敷の祠清めけり
- 初午や幟はためく石畳
- 初午や祠の日差し柔らかき
- 初午や稲荷神社の田舎道
- 初午や参道歩く人まばら
- 愛知県 飯田 夷佐久
- 初午や手を引く祖母の骨と皮
- 初午の赤い前掛けとめどなく
- 十二年同じ晴れ着や一の午
- 兵庫県 平尾美智男
- 早々と御饌下げらるる午祭
- 大阪府 木山満
- 初午やキツネ嫁入る小雨かな
- 初午や幟(のぼり)はためき人犇(ひし)めく
- 初午や薄味稲荷届きけり
- 初午や幟が頭叩きけり
- 初午や肩車の子絵馬かざし
- 神奈川県 川島欣也
- 初午や父の寄進の朱の鳥居
- 徳利を並べ倒すや一の午
- 初午や祖母直伝のしもつかれ
- 空樽を積み寿ぐや一の午
- 小百姓兄弟そろう一の午
- 兵庫県 汰久鷺羽
- 初午や来年受験手が震え
- 愛媛県 加島一善
- おあげさん買うて伏見の初午へ
- 就活へ「しるしの杉」を身につけて
- 初午や椿の柄のべべを着て
- 初午のうどんをすするガード下
- 初午や土産は膝のいなり寿し
- 東京都 秋人
- 油揚げ香りあたたか初午や
- 境内の西日ほんわか初午や
- 長野県 木原登
- 松ぼくり蹴りつつ行くや福参
- 初午や村見はるかす坊主山
- 一の午二の午過ぎて友の忌来
- 遠目にもしかと鳥居や午祭
- 長野県 木原登
- クレーンの首がつくりと一の午
- 埼玉県 岸保宏
- 初午や屋敷稲荷に孫を抱き
- 初午や珍しくなし稲荷ずし
- 初午や令和の市も静かなり
- 千葉県 徳翁
- 初午や巫女に化けたる孫娘
- 初午や鳥居傾き太鼓鳴る
- 初午や年々長し願いごと
- 徳島県 白井百合子
- 初午や胸を弄る乳飲み子よ
- 初午に御守り手にし迷いけり
- 初午や活気あふれる猫神様
- 初午やエプロン持つて講中へ
- 初午や孫の重みが手に残る
- 長崎県 入口弘徳
- さびしいから初午へ出かける
- 初午や動物園の狐たち
- 樹海より初午の声ひびきけり
- 初午や軍艦島に波ひとつ
- 東京都 内藤羊皐
- 初牛の老婆五人の狐面
- 初牛の日照雨響める丹鳥居
- 躄たる妻を伴ふ初牛祭
- 初牛の神馬の潤るる眼かな
- 初牛や拳の如きいなり寿司
- 埼玉県 いまいやすのり
- 小社のけふの初午うすぐもり
- 初午や鍋にあふるる酢憤
- 初午に次々届く供物かな
- 初午や手の平ずしり稲荷寿司
- 初午や菓子をふるまふ鉄工所
- 大阪府 森 佳月
- 初午や餅まく人に手を伸ばし
- 初午や赤き前掛け狐にも
- 初午や恋の辻占人待ちて
- 千葉県 四葩
- 農機具の並ぶ城下や一の午
- 福岡県 須賀利通
- 初午やマイクロバスに商工会
- 三の午裏参道に浮世絵展
- 赫に浸む鯨ベーコン福参り
- 兵庫県 えいえい
- 初午が僕の今年を決めていく
- 千葉県 伊藤博康
- 初午も杖のお世話になりにけり
- 初午や狐を見せに孫連れて
- 初午や狐に赤き涎掛け
- 初午の舞ひ手の足袋の白さかな
- 初午の境内に満つ願ひ事
- 愛知県 金子恵美
- 初午や同級生とすれ違ふ
- 初午の小路に昼の月あがり
- 初午や朱の鳥居より風抜けて
- 口下手の男を連れて一の午
- 初午の声賑やかに店の奥
- 岐阜県 ときめき人
- 一の午大樹の守る小祠あり
- 埼玉県 飛翔
- 初午や昭和の味のすみつかれ
- 初午や煮詰めて旨き油揚げ
- 初午や屋敷稲荷に幟なし
- 初午や母の不揃ひ稲荷寿司
- 神奈川県 猪狩鳳保
- はつ午やこんな坂道のこり雪
- 初午やお籠りのままひと日過ぎ
- 初午のらふそくぬらす雨やはし
- 神奈川県 猪狩鳳保
- はつ午や明けにほほばるにぎり飯
- 初午や杉のこずゑの薄光り
- 神奈川県 沼宮内薫
- 徒歩で行く農衣のままの一の午
- 泥靴のままに詣でる一の午
- 一の午村に一つの掲示板
- つるつるに撫でられ狐一の午
- 初午や卒寿の父も詣でをり
- 広島県 老人日記
- 初午や名字の違う三姉妹
- 初午やきつねうどんで済ましけり
- 初午や月光描く伯耆富士
- 初午や朱はトンネルにタイムスリップ
- 東京都 長岡馨子
- 黙食の食堂に初午のニュース
- 大阪府 げばげば
- 光苔生す初午の狛狐
- 東京都 長岡馨子
- 初午や黙食の食堂のテレビ
- 黙食の食堂に初午のニュース
- 三重県 後藤允孝
- 初午や過去のことにはこだわらぬ
- 初午の祠は杜の守り神
- 田の神も畑の神も一の午
- 千段の磴のぼりきり稲荷講
- 初午や狐顔した犬二匹
- 神奈川県 井手浩堂
- 鈴つけて馬踊らせり午祭
- 埼玉県 北川清
- 初午や 和琴の調べ 小豆飯
- 初午や 足あと残し 朱の鳥居
- 初午や すき焼き鍋に 揚げ豆腐
- 初午や 下足札ある 和食店
- 初午や 根津神社の 朱の鳥居
- 神奈川県 塚本治彦
- 初午の露店が径を狭めけり
- 初午や供へられたる油揚
- 初午や台湾栗鼠の棲む稲荷
- 初午や露店の地割仕切る禰宜
- 初午やいささか甘い京の酒
- 岡山県 岸野洋介
- 来合せて初午参りして帰る
- 初午や先生祢宜に早変わり
- 初午に妻と一緒の日は遥か
- 昼からは晴れて初午賑々し
- 出歩きの神のお供で初午へ
- 奈良県 平松 洋子
- 初午や蔓は隣りの鉢に巻く
- 初午や屋台に並ぶ薄荷飴
- 初午やなぜか届きぬ稲荷ずし
- 東京都 長岡馨子
- 初午や黙食の食堂のテレビ
- 百段の上にそよ風午祭
- 黙食の食堂に初午のニュース
- 神奈川県 矢神輝昭
- 山腹を登る鳥居や午祭
- 銀ぶらやビルの狭間の午祭
- 初午や千の鳥居に肖からん
- 初午に会社の洞揚盛りて
- 初午や朱に燃え潜る鳥居かな
- 埼玉県 岸保宏
- 鈴の緒の新しきかな初の午
- 初午や氏子の袖のふるえるや
- 初午や矢立きりりと店並び
- 三重県 平谷富之
- 初午や乙女の晴着目を奪ふ
- 兵庫県 髙見正樹
- 初午や海を見下ろす赤鳥居
- 兵庫県 髙見正樹
- 初午の海鮮いなり百貨店
- デパ地下に初午いなり狐面
- 東京都 松本征枝
- 初午の途切れて二年振れ太鼓
- 子等囲む大き焚き上げ初の午
- 初午の氏子の上げしお赤飯
- 音もなく済みし初午護符届く
- 神下るる幣束の音初の午
- 兵庫県 岸野孝彦
- 初午や骨董市の顔なじみ
- 初午や三角あげの母偲ぶ
- 初午や祇園芸妓の三味響く
- 初午や菊と葵の鳥羽伏見
- 初午や顕家卿の最期の地
- 東京都 佐藤富幸
- 初午の願いの列や寡黙なり
- 初午や賑わひよそに施設へと
- 初午や傘の参道音も無し
- 初午や蝋燭の火に託す夢
- 初午や賽銭箱に手の五円
- 東京都 佐藤美智子
- 初午や出費の多き予感あり
- 初午や語り自在に子等の夢
- 初午や家事見切りたる主婦の午後
- 亡き父の花芽ぎっしり一の午
- 旧道の路地裏提灯一の午
- 茨城県 小松崎孝志
- 初午の笠間や長いそばいなり
- 初午や筑波嶺の襞際立ちぬ
- 初午や「しもつかれ」てふ謎の味
- 初午や飛行機雲と鳶滑翔
- 茨城県 小松崎孝志
- 初午や東雲色の旧市街
- 神奈川県 川島欣也
- 親元の初午詣で藪の中
- 二の午や疎らになりし人の影
- 初午や辺り憚る大太鼓
- 大店の寄進の幟一の午
- 稲荷講おやじ寄進の朱の鳥居
- 埼玉県 水夢
- 初午の千本鳥居人の波
- 初午の幟ゆるゆるすずめ焼き
- 初午に長寿願ひて花の餅
- 初午や幟はためく今日の雨
- 初午やキツネ咥える蔵の鍵
- 静岡県 城内幸江
- 初午やカセットテープ笛の音
- 初午や空高々と幟旗
- 千葉県 峰崎成規
- 走り読む地口行燈初午祭
- 直会は油揚げづくし初午祭
- 初午祭ひと日末社の晴れ姿
- 幟見ゆ町家の奥の初午祭
- 初午祭禰宜の木靴の真新し
- 大阪府 津田明美
- 初午や幟遠近畦の道
- 初午や幟はためく石畳
- 初午や朱唇鮮やか狐嫁
- 初午や九尾の狐も参拝す
- 初午やそぞろ歩きの村の衆
- 東京都 渡辺怜奈
- 初午の 読み方わからず 初牛と
- 京都府 村田稔子
- 初午や 表参道 大鳥居
- 初午や 大鳥居まで 一時間
- 京都府 村田稔子
- 初午や 狐のお面 こわいと言い
- 初午や 伏見稲荷の 駅に立つ
- 初午や 裏参道に すずめ焼き
- 奈良県 堀ノ内和夫
- 初午や賑はひ戻る日を待たむ
- 東京都 豊宣光
- 初午や狐の面の踊り出す
- 参道に初午の日の人出かな
- 初午や苗から育つ稲も子も
- 初午や大皿に盛る稲荷ずし
- 初午の神社に赤き旗の華
- 神奈川県 龍野ひろし
- 初午や帰りの酒の良く回る
- 京都府 杉森大介
- 海苔巻きておむすび握る朝かな
- 初丑や神社へ人で賑はひて
- 愛知県 新美達夫
- 初午の餅青空に放物線
- 餅投げも露店も無くて一の午
- 初午やみな中学の同窓生
- 地区役を屋号で呼んで一の午
- 礼装の市議駆けつけし一の午
- 京都府 杉森大介
- 初午の旅の札所へ寄りてをり
- 埼玉県 石塚彩楓
- 初午や屋台真中のシシカバブ
- ブローチを初午に買ふおさげの子
- 初午の幟翩翻蒼き空
- 初午や身の丈に合ふ鋤の柄を
- 初午の端に包丁研ぎ二人
- 静岡県 大澤定男
- 初午や昔きつめに母の帯
- 初午や昔覗いた二眼レフ
- 初午や昔汲み置き釣瓶井戸
- 静岡県 大澤定男
- 初午や昔気質のジャズ歌い
- 初午や昔人肌燗冷まし
- 埼玉県 関とし江
- 初午の祠幟の奥の奥
- 国訛初午の日の稲荷駅
- 初午や猛る炎のお焚き上げ
- 初午の犇めく駅に吐き出され
- 初午や手作り二十稲荷寿司
- 千葉県 樽谷幸龍
- 初午の光る鳥居に絵馬ひとつ
- 徳島県 井内胡桃
- 初午の白虎の見あぐ空蒼し
- 初午の賽銭ことと落ちにけり
- 初牛やてらてら光る油揚げ
- 初午や大き三角稲荷ずし
- 初午の願いはひとつ一礼す
- 神奈川県 立野音思
- 朝まだきけふは初午骨董市
- 初午や五色の幟立つ祠
- 初午や名代のうどん混み合ひぬ
- 香川県 辰野
- 初午にえほんのきつね拝む手よ
- 初午の前夜"味見"を叱る声
- 初午の朝や子ら駆け回り泣き
- 神奈川県 亀山酔田
- 初午や主社へ行きしまま
- 初午や子供に配る菓子包み
- 初午や煮炊の煙久に立ち
- 焼そばの屋台気になる福詣
- 初午やぼおつと灯る占師
- 大阪府 鈴木千年
- 初午や燠のごとくに狐面
- 初午の奉納書は吉野和紙
- 大阪府 鈴木千年
- 初午幟山懐の祠にも
- 耳朶をくすぐる風や午祭
- 一の午二の午三も笛太鼓
- 大阪府 鈴木三津
- 初午や千本鳥居千くぐり
- 初午やきつねうどんに温もれり
- 京野菜花と積みあげ一の午
- 初午や孫の土産に白狐面
- 初午やお山の陰に残り雪
- 東京都 中田ちこう
- 初午や孫も数えた赤鳥居
- 千葉県 伊藤順女
- 初午や巫女の袴の朱と鳥居
- 初午や農家稲荷に油揚
- 異世界へとくぐる鳥居か一の午
- 宮城県 林田正光
- 初午の昼餉はいなり決めており
- 初午の家族土産は稲荷寿司
- 初午や朱色の幟はためきぬ
- 幾つもの鳥居を抜けて一の午
- 初午や農の大事を願いつつ
- 東京都 音羽凜
- 初午やひとつおまけの稲荷寿司
- 埼玉県 哲庵
- 初午や幼稚園児の剣舞
- 初午やぐいと差し上ぐ力石
- 初午や火伏せの凧の髭奴
- 初午や幼子叩くミニ太鼓
- 初午や親子で競ふ桴捌き
- 大阪府 永田
- 初午や商家の刀自に連れられて
- 福岡県 西山勝男
- 初午や嫁ぎゆく子を道連れに
- 初午の風をまとひて詣でけり
- 福岡県 西山勝男
- 初午や児は爺やのかたぐるま
- 初午や門前街は市となし
- 初午や取分けはづむお賽銭
- ブラジル 林とみ代
- 初午の疫病祓ふ願ひかな
- 初午や夫婦狐の像並ぶ
- 初午に世界の平和祈りけり
- 初午や稲荷神なる旗立てて
- 初午の稲荷寿司食ぶ家族かな
- 神奈川県 原川篤子
- 初午の鳥居くぐるや狐面
- 真新し前垂れ並ぶ一の午
- 母連れて近所の稲荷一の午
- 蒼天の百の鳥居や一の午
- 初午や佐助稲荷の階長し
- 埼玉県 宥光
- 初午や幾度も歩くこの参道
- 初午の嬉々と出かける実家かな
- 初午や三角形の稲荷寿司
- 初午の祠祭眺めてデパ地下へ
- 初午や狐の穴のある神社
- 東京都 山﨑勝久
- 初午やきつねうどんに揚げ二枚
- 初午や上方になききつねそば
- 初午や腰を屈めて赤鳥居
- 初午や海苔巻きばかり残りをり
- 神奈川県 飯島まゆみ
- 初午や祖母直伝のいなり寿司
- 初午や赤き鳥居は幾重にも
- 初午や屋敷稲荷も賑わいて
- 東京都 右田俊郎
- 消防士火伏を祈願一の午
- 東京都 右田俊郎
- 初午や慣わし徐々に薄れゆく
- 初午や子の撫でてゆく一の午
- 朱の鳥居あまたくぐりて一の午
- 初午や屋敷稲荷に手を合わす
- 千葉県 山田香津子
- 初午や祖母に胡麻入りきつねずし
- 初午や祖母につれられぬかる道
- 滋賀県 船岡房公
- 初午や隈取されし白虎面
- 初午やしるしの杉を拝受せむ
- 稲荷山七度登拝福詣り
- 初午や辻占ひの鈴せんべい
- 東京都 岩川容子
- 初午や揚げ煮る匂い路地の奥
- 懐かしきしんこ細工や午祭り
- 初午や鳥居抜ければ狐穴
- 歌舞伎座の地口行灯午祭り
- 東京都 田畑 整
- 初午やいなりの皮を煮込む母
- 初午や巫女の手渡すしるし杉
- 愛知県 香坂泉
- 初午や参道に濃く酢の匂ひ
- 初午や臨時列車のベル高し
- 初午やお下がり猫に分け与へ
- 初午や祈る背中の恭し
- 滋賀県 別役昌子
- 初午祭しるしの杉の護符の青
- 初午の昼は豆狸(まめだ)か古市庵
- 初午の真っ赤な幟通過駅
- 狐目の女行き交う一の午
- 初午や三角形の稲荷食ぶ
- 埼玉県 守田修治
- 初午や厚揚げ旨し縄のれん
- 埼玉県 守田修治
- 初午や飛鳥山越え遠出かな
- 初午やタンゴ溶け込む鬼子母神
- 初午や句会帰りの中華蕎麦
- 初午や眠気ざましに酒熱く
- 大阪府 酒梨
- 狐目の輩も参る午祭
- 初午や狐の声は空耳か
- 初午や頭に雪のきつね像
- 初午や変はりいなりの三種盛り
- 初午や狐火みたと語る祖父
- 神奈川県 海野優
- 初午や百度石への供へ物
- 初午や阿吽様へも稲荷寿司
- 初午に見返りあふてする会釈
- 初午へ狐の嫁入り見送りて
- 埼玉県 小玉拙郎
- 初午の戻り馴染みのあられ蕎麦
- 参道の殺風景や一の午
- 初午の空は青々広々と
- 日めくりに初午の文字赤くあり
- 茨城県 長洲研志
- 初午や京都旅行の亡き祖父母
- 初牛やそちらの空も青いのか
- 千葉県 峰崎成規
- 初午祭ひと日末社の晴れ姿
- 幟見ゆ町家の奥の初午祭
- 初午祭禰宜の木靴の真新し
- 直会は油揚げづくし初午祭
- 走り読む地口行燈初午祭
- 埼玉県 釜田眞吾
- 賽銭の音一枚や一の午
- 初午の小さき鳥居や朱の剥げて
- 埼玉県 釜田眞吾
- 初午や朱の鳥居の向かふ側
- 神奈川県 池田恵美
- 初午や「あもや」と京の菓子の店
- 遠く来て初午の市ひやかせる
- 初午や芥子の実のぞく稲荷寿司
- 初午や疫病祓ひもかねてをり
- 初午や番茶煮出せばかんばしき
- 兵庫県 みんみん
- 朝五時に父に起こされ初午へ
- 東京都 内山岱鵬
- 初午や祠の清め子供会
- 初午祭主役は着飾る農耕馬
- 初午祭紅い顔した宮司かな
- 初午や狐の前かけ夕日映え
- 初午やおイナリにぎる手の赤き
- 千葉県 風泉
- 白狐鳴く長谷の祠や午まつり
- 初午や白鳩並ぶ鳥居反り
- 初午も暮れて玉砂利澄み渡る
- 東京都 山本先生
- 初午や馬に続いてゆく短髪
- 初午の馬に子首の動かざる
- 初午の屋台七味の叩き売り
- 初午の男ら風を掻き分けり
- 初午や迷彩柄のおじいさん
- 福岡県 多事
- しやんしやんと鈴謳はせて午祭
- 鼻高く白粉の筋一の午
- 一の午大隅国の一の宮
- 初午や廃仏毀釈荒れし圀
- 初午や何時にもなくて姉妹らし
- 神奈川県 髙梨裕
- 初午や揃う三代赤鳥居
- 初午や賑やかなりぬ狐面
- 初午やこんと手招く白狐
- 初午や野狐に供えの稲荷鮨
- 初午の狐権現朱塗り門