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- 俳句庵 2020年01月 優秀賞発表
- 俳句庵 2020年01月 作品一覧
俳句庵
1月『繭玉』全応募作品
(敬称略)
- 愛媛県 砂山恵子
- つかまり立ちし繭玉に触れたる子
- ひとつづつ消えし繭玉よしとする
- 繭玉の飾られてゐる詰所かな
- 繭玉の日差しの中に揺れにけり
- 繭玉が今年の星を放ちけり
- 千葉県 柊二
- 繭玉や牛馬蚕里の家
- 東京都 さち
- 靴にリボン繭玉躍るアーケード
- 山口県 ひろ子
- 繭玉や歴史町名はなやげり
- 繭玉の揺れて華やぐ母の顔
- 兵庫県 岸下庄二
- 繭玉を飾る田の字の母屋かな
- 繭玉の重みに枝の撓りけり
- 繭玉を潜り出入りの奥座敷
- 繭玉に触れんと男の子跳び上がる
- 繭玉や柱時計のやや斜め
- 埼玉県 飯塚璋
- 繭玉や上り框の黒光り
- 繭玉を粥に炊き込み運試し
- 繭玉の紅白揺るる格天井
- 神奈川県 松野勉
- 繭玉やのんちゃんの上毛かるた
- 繭玉や子供は子供いつまでも
- 新潟県 近藤博
- 繭玉に大判小判仲間入り
- 繭玉にそっくり繭の形のあり
- 繭玉や付け方悪しくぽたり落ち
- 繭玉を天井高く飾りけり
- 小枝なる繭玉飾るや神棚に
- 千葉県 伊藤博康
- 繭玉を飾る部屋なき寂しさよ
- 繭玉のひとつひとつに願をかけ
- 繭玉の由来を語る家の長
- 神棚の無き繭玉の揺れにけり
- 繭玉をつける指先老ひにけり
- 埼玉県 いまいやすのり
- 仲見世を飾る繭玉空青し
- 繭玉にやはらかさうな光かな
- 華やぎの繭玉垂るる百貨店
- 繭玉の一句一句に万太郎
- ふるさとの繭玉遠し靄の中
- 大阪府 藤田康子
- 繭玊のどれも色愛らしく垂る
- 繭玊のある客間にて畏まる
- 長野県 木原登
- 繭玉といへば遠野のおしら様
- 囲炉裏火の煤もめでたき団子花
- 繭玉を火棚に南部曲家は
- 繭玉に吾子の簪ゆれにけり
- 繭玉や母に女工の過去のあり
- 大阪府 木山満
- 繭玉や派手にしだれて小判かな
- 繭玉や紅と緑の程好きて
- 繭玉や余生は飽きた落ちもせよ
- 夜も更けて繭玉静かに冷えにけり
- 繭玉や賽の目変える風の出て
- 埼玉県 柏木晃
- しあわせの数繭玉を枝に刺す
- 繭玉をつまみ食いする幼き手
- 繭玉の高さに孫を抱き上げる
- 繭玉に今年の願い無数あり
- 繭玉にそっと触れれば母の影
- 徳島県 白井百合子
- ケア施設繭玉淡き談話室
- 繭玉や女性ねぎらう休息日
- 繭玉の紅白団子枝垂れけり
- 繭玉に笑顔の義姉やケアハウス
- 繭玉に大判小判揺れてをり
- 福岡県 深町明
- 繭玉は仙女の産衣かもしれぬ
- 子規庵の餅花の餅いくつなり
- 繭玉や玻璃の向かふの乳児室
- 繭玉の繭より白き産衣の子
- 繭玉のあふれてしんと静まりぬ
- 北海道 加藤廣子
- 頑なに繭玉の意地光らせて
- 過去未来繭玉にある秘めしこと
- 繭玉の呼吸伺う手のひらに
- 繭玉のこんにちはーの声欲しい
- 生きてきた印繭玉かがやきぬ
- 愛媛県 佐藤めぐみ
- 繭玉や同級生の逝くを知る
- 繭玉を掛けて今年も大の吉
- 手のひらに繭玉一つ二つ三つ
- 繭玉や白寿の宴に玄孫来る
- 繭玉を今年も無事に掛けました
- 愛知県 岩田勇
- 餅花や四人姉妹はみな美人
- 繭玉の映ゆ本陣の廊下かな
- 繭玉の埃しずかに払ひけり
- 餅花を飾りてでいの華やぎぬ
- 餅花を求めて暮るる塩の道
- 兵庫県 季凛
- 繭玉の明るき道と重力と
- 繭玉を飾るあぎとの眉太し
- 繭玉の眩し手繋ぐ人のゐて
- 黒髪の女曲る角繭団子
- 繭玉の照らす古郷の広さかな
- 東京都 小川由紀子
- 永遠の眠りについた繭玉よ
- 手のひらに温み感ずる繭玉に
- 様々な糸絡み合う繭玉よ
- 繭玉に初雪の日を想うとき
- 繭玉になつかしい人思い出す
- 神奈川県 立野音思
- 繭玉を外して食す小豆粥
- 繭玉や小判サイコロ大福帳
- 客来たれ繭玉飾る米穀店
- 白き手に小さき繭玉宝船
- 留袖や隣で揺れる繭の玉
- 東京都 内藤羊皐
- 神棚を餅花が翳掠めけり
- 繭玉や幼子ぐづる写真館
- 繭玉を拾らふ塗絵の裏表紙
- 繭玉に猫の栖の狭くせる
- 繭玉や昼薄暗きとんかつ屋
- 埼玉県 岸保宏
- 皺の手で煮詰め続ける繭玉や
- 繭玉や踊り手繰らせ糸取り機
- 繭玉や糸喧嘩して糸納め
- 兵庫県 髙見 正樹
- 餅花を飾る店先和の料理
- 東京都 岩崎美範
- 繭玉の餅をとつてと泣く子かな
- 繭玉を吊るす妻女のえびす顔
- 薄暗き庫裏に繭玉華やげり
- 繭玉を揺らす女の未練かな
- 繭玉を見あぐる嬰の尻青し
- 宮城県 林田正光
- 繭玉や色とりどりの願い事
- 繭玉を仕舞い忘れて月を越え
- 仰向けに繭玉の数数えけり
- 繭玉の枝垂具合のめでたさや
- 繭玉の揺れる影までたわわかな
- 東京都 勢田清
- 神棚の傍に繭玉新しき
- 繭玉や煤けし部屋に射す光
- 繭玉の枝の撓りて八方へ
- 繭玉を飾りめでたき年来る
- 繭玉の下で下宿の夕御飯
- 奈良県 平松洋子
- 繭玉の色カラフルな商店街
- 繭玉で遊ぶ子家の宝物
- 繭玉の色少し褪せ雨模様
- 茨城県 風峰
- 繭玉の枝垂れるままに刻を吊る
- 繭玉の垂れて真白き衣の色
- 待合室繭玉妖し揺れし午後
- 明日に咲く餅花数多つぼみ色
- 繭玉の明日へと開く季のかほり
- 神奈川県 塚本治彦
- 交番に揺るる繭玉事件ゼロ
- 日記書く乙女繭玉揺るる壁
- 繭玉の揺るる病室明日退院
- 繭玉の揺れれば揺るる恋心
- 繭玉の揺るる婚約期の一夜
- 岐阜県 ときめき人
- 繭玉や小さき祈り宿したる
- 千葉県 いなだはまち
- 千羽鶴こなたにつるす餅の花
- 繭玉に千手観音めく家内
- 枯枝に餅花咲かす孫と爺
- 宮城県 石川初子
- 繭玉のごとエコー写真に孫うつる
- 大阪府 津田明美
- 繭玉の影揺れて知る風の道
- 遠い眼で見る繭玉の奥の景
- 繭玉の揺れて華やぎ生まれけり
- 主無き部屋に繭玉息づけり
- 繭玉に目鼻描くは手なぐさみ
- 静岡県 城内幸江
- 餅花や玄関褒めてもらひけり
- 繭玉をつまんで歩く園児かな
- 繭玉や末つ子の背に合わせをり
- 繭玉を見上げ行列進みをり
- 繭玉のゆれて笑顔の女将かな
- 栃木県 鹿沼 湖
- 繭玉を丸める母のたなごころ
- 島根県 寺津豪佐
- 繭玉の風習だけが残りけり
- 繭玉の似合うお店の一つ減り
- 繭玉の下に大きなレジスター
- 繭玉や長男優し病がち
- 繭玉を作る相談役の出番
- 長野県 柳沢忠憲
- 落花生繭玉だよと孫はしゃぎ
- 繭玉は養蚕なしの今昔
- 繭玉や炎の照らす顔と顔
- 繭玉に母の背中の温みあり
- 鈴なりの繭玉捧ぐ母と子と
- 千葉県 玉井令子
- とりどりの繭玉の色温かし
- 境内の繭玉市の賑わしさ
- 繭玉やインスタ映えの景色かな
- 紅白の繭玉ふわり揺れている
- 繭玉や目出度い気分盛り上がる
- 神奈川県 矢神輝昭
- 繭玉や爺の頭をつつく影
- 繭玉や抽選会場囃子立て
- 繭玉や揺れつ燥ぎて花電車
- 頷きつ言祝ぐリズム繭の玉
- 繭玉や頷きおうて保育園
- 千葉県 峰崎成規
- 繭玉や情けはしだれ意地は張り
- 繭玉の枝垂れの下にオムライス
- 繭玉や小判の縺れ解けぬまま
- 繭玉や俄かグルメは列が好き
- 繭玉の華やぐ影に万太郎
- 岐阜県 金子加行
- 繭玉の白きの映へし煤の梁
- 繭玉の先の揺れ見し地震の夜
- 餅花のしだれ迎へし飛騨の宿
- 餅花を飾れと届く父の便
- 繭玉の下に地酒や酌みし友
- 東京都 長岡馨子
- 繭玉やほんのり甘き祖母の味
- 繭玉や「お蚕さま」と皆呼びし
- 東京都 磯部薫子
- 手鏡にうつる繭玉片思い
- 繭玉であやすやねんねこ半纏
- 手鏡に繭玉うつる人恋し
- 背のびして触れる繭玉幼き手
- 兵庫県 はなちる
- ふる里の繭玉の色重ね見る
- 繭玉の令和広がる商店街
- 繭玉や飾り賑やか宮参り
- 繭玉や団子土産にティータイム
- 旅の果繭玉の消えシャッター街
- 三重県 後藤允孝
- 不器用な男がつくる団子花
- 繭玉や灯ともすころに塾通ふ
- 繭玉や私の願ひ聞き入れて
- 餅花のひとり暮らしに揺れのなく
- 繭玉や折鶴ふたつつけ足して
- 神奈川県 龍野ひろし
- 繭玉の揺らす彩り濃く淡く
- 繭玉の客を迎ふる老舗宿
- 東京都 かつこ
- 繭玉や夫婦で正座写経する
- 繭玉に触れて一日初めかな
- 繭玉やデイサービスの迎えくる
- 和菓子屋の繭玉談義聞いてをり
- 神奈川県 守安雄介
- 繭玉にホバリングする社虻
- 繭玉に見向きもしない軒雀
- 繭玉を枝儘焼いて頬張れり
- 繭玉に戸惑う虻のホバリング
- 廃プラやせめて繭玉餅にせよ
- 神奈川県 井手浩堂
- 繭玉や枝の一つがよく揺れて
- 繭玉の揺れて新年句会かな
- 繭玉のしだれの端にわれ坐せり
- 兵庫県 岸野孝彦
- 繭玉を父母の写真と飾りけり
- 繭玉や標のごとく浮かぶ日々
- 紅白の繭玉揺らす風の里
- 繭玉や別れし人が立ち上がる
- 繭玉やまごうことなき道照らせ
- 愛知県 木下澄枝
- 差しかはす繭玉の揺れ音もなし
- 餅花やはやばや灯す飛騨の宿
- 繭玉や添へ木のやうに母とゐて
- 餅花を揺らして座る貴賓席
- しなふほど餅花咲かせ飛騨の里
- 千葉県 風泉
- 蒼空や繭玉潜る高島田
- 白ねずみ踊る天井繭団子
- ブラジル 林とみ代
- 繭玉のもつれ直して安堵かな
- 繭玉や祖母の手触りなつかしく
- 繭玉の柱のきずは子の背丈
- 餅花の揺れて幸せ呼ぶ如く
- 繭玉を見つむ嬰児の瞳かな
- 千葉県 入部和夫
- 餅花を飾り福徳夫婦かな
- 繭玉の幸を鏤め咲く如し
- 餅花を捥ぎ焙るるや村境
- 賑やかな繭玉市の人となり
- 忙しなく餅花の影揺るるかな
- 神奈川県 亀山酔田
- 繭玉の二日も見れば食ふと言ふ
- 繭玉や畑のなかに鉄の罠
- 繭玉や善くも悪くも過ぎる日々
- 福よ来い金紙小判の繭団子
- 坪店の繭玉嬉し卵焼き
- 神奈川県 志保川有
- 繭玉に五感応ふる兆なし
- 繭玉の何かを知らずとまどへり
- 辺野古を思ひ続け繭玉を知らず
- 滋賀県 船岡房公
- 繭玉の枝垂るるカフェや陶の碗
- 繭玉や古民家カフェの角柱
- 繭玉やレトロなカフェの古りし梁
- 愛知県 新美達夫
- 繭玉や賑はい戻る商店街
- 繭玉や行動早き青年部
- 繭玉や枝の路地まで華やぎて
- 愛媛県 渡邊國夫
- 米蔵の懸魚は鶴亀団子花
- 繭玉に大判小判宝船
- 繭玉や床に九谷の大絵皿
- もち花や午後の紅茶にラテアート
- 団子花人事の話盛り上がる
- 千葉県 渡邉竹庵
- 繭玉や三軒きりの過疎の村
- 古民家のカフェは黒壁まゆ団子
- 神奈川県 川島欣也
- 故民家の帳場取り巻く繭団子
- 繭玉を吊るす萱葺屋根の下
- 繭玉と小判のもどき枝の先
- 繭玉の揺らぎに神や乗り来る
- 母と子と繭玉つくり炉辺かな
- 岡山県 岸野洋介
- てかてかの繭玉ゆれる孫の家
- 米寿来て繭玉講師なお続け
- 神棚に吊るす繭玉すこし揺れ
- 客寄せの繭玉ゆれるお授け所
- 繭玉や家族あふれるお正月
- 東京都 石井真由美
- 床の間の繭玉垂るるさくら色
- 繭玉の下に父母布団敷く
- 繭玉に大判小判宝船
- 繭玉や線香の立つ仏間かな
- 繭玉のバランスの数理数女子
- 三重県 西井治男
- 千曲川堤防そばに繭玉を
- 千葉県 長谷川ぺぐ
- 女子会で妻はお出かけ繭団子
- 繭玉や今日の家内は二度寝たる
- 埼玉県 哲庵
- 餅玉や座敷童子の笑い声
- 繭玉や小判擦れ合う音響く
- 繭玉の嬶座の上で揺れてをり
- 繭玉の下で昔こ語りかな
- 繭玉のシャッター街を彩れり
- 福岡県 紙田幻草
- 繭玉や今祈るもの何もなし
- 繭玉を信じる人の今もあり
- 東京都 中田ちこう
- 繭玉を背に野良着干す土間暗し
- 愛媛県 加島一善
- 繭玉や淡き和の色てんてんと
- 店先の繭玉揺れる先斗町
- 繭玉や鯛と小判とお多福と
- 繭玉や数多の福をこぼしをり
- 紅白の繭玉祝ふ奥座敷
- 神奈川県 皆空亭
- 繭玉に鯛や林檎の北信濃
- 繭玉や父母の遺影はセピア色
- 東京都 岩川容子
- 神棚に米とお神酒と繭玉と
- しだれ咲く色華やかな餅の花
- 繭玉やかって栄えし絹の町
- 繭玉の揺れて猫の目めまぐるし
- 東京都 笹木弘
- 繭玉や瓶に湯の滾る自在鉤
- 床の間に繭玉の影鎮まれり
- 繭玉のしばし揺れたる夜の地震
- 繭玉の揺るる合掌造りかな
- 繭玉の枝垂れて恋を打ち明けり
- 千葉県 伊藤順女
- 客ありて繭玉揺るる夕べかな
- 繭玉のゆらりと夢見心地かな
- 繭玉や色とりどりに揺れてをり
- 埼玉県 水夢
- 繭玉やポニーテ-ルの少し揺れ
- 繭玉や女流棋士直ぐ指す一手
- 繭玉や人形町の大判焼
- 繭玉ゆるる青空の広ごりぬ
- 繭玉たわわ遠き日の母の声
- 静岡県 大澤定男
- 繭玉の高さに白無垢綿帽子
- 繭玉や化粧一筋女形
- 繭玉や寝入りてのちを誰揺らす
- 繭玉のしだれや久保田万太郎
- 繭玉や母より淡き恋をして
- 埼玉県 守田修治
- 繭玉や寝酒を頼む旅の宿
- 繭玉や諸般調う京の宿
- 繭玉や我家に祝やってくる
- 繭の玉後期高齢早寝かな
- 繭玉に引力ありて孫集う
- 大阪府 永田
- 病棟へ繭玉届き活気かな
- 神奈川県 海野優
- 繭玉や三十路の娘花盛り
- 繭玉に真実はつつむ薄衣
- 繭玉や嫁ぐ気のなき姉娘
- 東京都 右田俊郎
- 高山の繭玉飾る民芸館
- 繭玉の揺るるを赤子見て笑ふ
- 繭玉や薬種問屋の薬箱
- 繭玉を焦がさぬように火に炙る
- 大甕に繭玉飾る漬物屋
- 神奈川県 三好康子
- 餅花や母の面輪の三姉妹
- 餅花に看板にぎはふ芝居小屋
- 餅花の設ひ新た芝居小屋
- 繭玉や煤くる梁に自在鉤
- 仲見世に万の繭玉明かりかな
- 埼玉県 彩楓(さいふう)
- 繭玉や犬が尻尾を振る宿屋
- 繭玉のやがては星になるといふ
- 繭玉や錦糸銀糸の小間物屋
- 繭玉の明るい空に吹く風よ
- 岡山県 渡辺 牛二
- 繭玉の揺るる茶房の客となる
- 富山県 加能雅臣
- 繭玉に紙飛行機をとばしけり
- 繭玉や雨戸を叩く雨の音
- 繭玉を仰向けで見る畳縁
- 神奈川県 重兵衛
- 繭玉や古都の老舗の薦被り
- 東京都 飯田 哲司
- 繭玉の何んともなかがあったとは
- 桑の葉や我れ先はんで繭玉に
- 繭玉や多摩が栄えた絹の道
- 富岡の空にぽっかり繭の雲
- 東京都 豊島 仁
- 繭玉のゆれてデパ地下威勢よき
- 柴又の繭玉ゆれて寅帰る
- 繭玉の好きことあるや赤と白
- 繭玉に想いを馳し越後かな
- 年甲斐も無き繭玉の嬉しさよ
- 京都府 中村 万年青
- 繭玉や花街に今も在る習ひ
- 舞玉を初めて見しは京の町
- 餅花や柳のしなり風ゆらり
- 神奈川県 髙梨 裕
- 繭玉や着飾る事も無き暮らし
- 繭玉や羽振り利かせて生きた頃
- 繭玉や昭和の商家金看板
- 繭玉や兄嫁守る生家あり
- 繭玉や襤褸ひく家のほの明かり