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- 俳句庵 2021年06月 優秀賞発表
- 俳句庵 2021年06月 作品一覧
俳句庵
6月『昼寝』全応募作品
(敬称略)
- 岐阜県 金子加行
- 吸ひ付きし肢体を剥がす昼寝覚
- 埋めるべきノート白紙や昼寝覚
- アルプスの風に洗はる大昼寝
- 昼寝覚む子の背丈なほ伸びしかな
- 昼寝してさ引き延ばす引き延ばす
- 千葉県 柊二
- 辞書引ける三ページ目の風昼寝
- 愛知県 岩田勇
- ライオンの鼾すさまじ大昼寝
- 熟睡の昼寝恐ろし不眠症
- 気分佳き幽明境の昼寝かな
- パソコンの前が定位置大昼寝
- 暫くは寝ぼけ眼の昼寝醒め
- 埼玉県 飯塚璋
- 座布団を枕代りに昼寝かな
- 昼寝の鼾窓の硝子の割れさうな
- 臍見せて檻のゴリラの昼寝かな
- 昼寝覚めさびしき夢より帰り来ぬ
- 昼寝覚めたましひ戻すもとの位置
- 岩手県 小栗不死実
- 透き通る足裏を見せて稚(やや)昼寝
- 初恋のひとに遇ひたき午睡かな
- 境内の木陰でちよいと三尺寝
- 教卓の昼寝の涎ぬぐふ奴
- 自転止め地球も午睡われが夢
- 愛媛県 砂山恵子
- 金づちの音は子守歌三尺寝 音(ね)
- 欠伸してまたうつ伏せに昼寝の子
- 三尺寝大海原を見たる夢
- コクトーの海広がりし昼寝覚
- 広島県
- 昼寝覚投句終はりし人の群
- 目的地着くまで少し昼寝する
- 解らない問題放り昼寝する
- ばれていた昼寝の跡がついていた
- 逢いにいく昼寝の夢であの人に
- 昼寝する愛しき吾子の顔見つめ
- 東京都 よしだ悠
- 昼寝覚め滂沱の涙なにゆゑぞ
- 長野県 木原登
- 臍に本載せて大の字大昼寝
- 茶を飲むや午睡の妻を起こさずに
- 象亀に乗りて戻りし昼寝覚
- 木の影の一つに一人三尺寝
- 這松をベッド代はりの昼寝かな
- 栃木県 鹿沼 湖
- 作業着の衿のゆつたり昼寝かな
- 東京都 長岡馨子
- 三度めの午睡米寿の母ゆたか
- 新潟県 近藤博
- 昼寝とて熟睡(うまい)たっぷり夜のやうに
- 昼寝覚め魂ぬけてうつろなる
- 留守電にセットし長々昼寝とす
- 欠伸出でなほ寝足らずや昼寝覚
- 昼寝覚め添ひ寝の妻なほ高鼾
- 愛知県 西谷寿
- 仕事なくやることなくて昼寝する
- 老夫婦幸せそうに昼寝する
- 老夫婦話しながら昼寝する
- ふるさとで気持ちゆるんで昼寝する
- ゆらゆらとまわりがゆれる昼寝かな
- 東京都 岩崎美範
- 川の字に親子三人昼寝せり
- 漱石を顔に被せて昼寝かな
- 街商の腕を枕の三尺寝
- 東京都 岩崎美範
- 亡き父のぴくりともせぬ三尺寝
- 古稀過ぎて昼寝の罠に嵌りけり
- 奈良県 堀ノ内和夫
- 昼寝覚くつきり残る畳皺
- 夜寝てさらに昼寝とは有り難きかな
- 徳島県 白井百合子
- 猫抱いてうつらうつらと昼寝かな
- 浜風に桟敷の隅でする昼寝
- バス揺られ終点までの昼寝かな
- 徹夜して家事の合間に昼寝せり
- 病むからだ夜は寝られず昼寝する
- 静岡県 いたまきし
- 退屈と覚醒の間の昼間かな
- 無意識に眉をひそめて昼寝かな
- 岐阜県 ときめき人
- 樽座るウイスキーキャット昼寝覚
- 東京都 内藤羊皐
- 高麗門仕上げし父の昼寝かな
- 喘鳴の妻の昼寝の未だ覚めず
- ペガサスの誕生探る昼寝かな
- ランボーの目蓋重なる午睡かな
- 妙正寺川の水照や昼寝覚
- 茨城県 一本槍満
- 書のかほり一畳ほどの昼寝かな
- 昼寝して電灯の奥母の声
- まな板のリズムにのまれ昼寝する
- 兵庫県 岸野孝彦
- 邯鄲の一睡想う昼寝かな
- 遠き日のライスシャワーの昼寝かな
- チェーホフの全集枕の昼寝かな
- 停車場の振り子時計と昼寝かな
- モネの絵の睡蓮満ちし昼寝かな
- 東京都 石川昇
- 大昼寝夢のむかしは美しく
- 叱られた涙も乾き昼寝の子
- 東京都 石井真由美
- 乳ふふむ遠き昼寝の四畳半
- 山梨県 森下博史
- 山頂の暴風に縮こまって昼寝
- 昼寝って北極海を漂う気分
- ラーメンの後片付けの前に昼寝
- 昼寝って少しだからいいのかも
- 寝相が悪い庭の苗木の昼寝
- 三重県 藤田ゆきまち
- うつ伏せの昼寝の腰の辺り猫
- 昼寝して母のカレーの香りして
- 寝たふりのやがて昼寝となりにけり
- 神奈川県 嶋村博吉
- 昼寝する妻はソーシャルディスタンス
- 昼寝覚め第一声は獣声
- 昼寝覚め第一声は獣声
- 昼寝する妻はソーシャルディスタンス
- 島根県
- 保育士の狸寝入がお昼寝に
- 昼寝して新車の色の決められず
- 昼寝から覚めて広がってる点差
- 山口県 山縣敏夫
- 昼寝から覚めて天国七十五
- 大の字に昼寝している孫二人
- 郵便の声に昼寝の夢破れ
- 昼寝中愛犬吠えて目が覚めた
- 昼寝中一陣の風畳の間
- 東京都 猪俣ま悠
- 右側の痺れておりぬ昼寝覚
- 一匹と姉妹の並ぶ昼寝かな
- 留守電にして存分な昼寝かな
- 昼寝より覚めて腹痛ぶり返す
- 昼寝覚白きシーツの翻る
- 大阪府 木山満
- 長過ぎし昼寝風呂抜き夕餉食(は)ぶ
- 大阪府 木山満
- 昼寝覚め黄泉路の蓮の眼(まな)裏(うら)に
- 昼寝覚め亡夫(つま)の温もり消えもせで
- 長昼寝ひと日の無駄と臍を噛む
- ケアハウス三食昼寝の贅を知る
- 兵庫県 岸下庄二
- 読みかけの新聞顔に昼寝かな
- 昼寝子の屈託の無き寝顔かな
- 間違ひの電話に起きる昼寝かな
- 開け放つ座敷に昼寝父と母
- 棟梁の捩じり鉢巻き三尺寝
- 東京都 伊藤訓花
- 一本の電話のベルに昼寝覚
- 喜寿となる夫の昼寝の寝言聴く
- 全身を溶かす昼寝の深いびき
- しばらくは留守を決め込む昼寝かな
- 猫居れば抱いて抱かれて昼寝中
- 千葉県 徳翁
- 普請場に昼寝二人のヘルメット
- 昼寝覚め時計の針のみ変わりけり
- 昼寝覚め寝入りしままの形かな
- 昼寝深し天国近く往きにけり
- 広島県 老人日記
- 帰国子の昼寝手枕青畳
- やりくりの上手な妻や三尺寝
- 蔀戸を全開にして僧昼寝
- 大阪府 森 佳月
- 車椅子の妻はそのまま昼寝する
- 糞のそば昼寝する犬跨ぎけり
- 昼寝から目覚めてみても認知症
- 東京都 勢田清
- 休憩の昼寝すっきり良い気分
- 船漕いで頭ぶつけて昼寝覚め
- 胸に本置いたとたんに昼寝かな
- 東京都 勢田清
- 昼寝覚め明るい午後の平和かな
- 昼寝して気付けば布団掛けてあり
- 長野県 伊庵
- 猫の場所とってかわって昼寝の子
- 昼寝子の眼の裏の果てもなき
- 埼玉県 岸保宏
- 大あくび猫に昼寝の先越され
- 重機音静まり返る昼寝党
- よく見れば我に似たるや昼寝の子
- 東京都 佐藤富幸
- 株暴騰昼寝の夢の薄笑い
- 縁側の昼寝の猫の紙縒りかな
- 幼子の昼寝の顔や地蔵尊
- 昼寝覚胸のタオルや妻の顔
- 東京都 佐藤美智子
- 昼寝夫リモコン連れて寝落ちけり
- 潮の香や車窓の里に昼寝覚
- 老犬の夢に足蹴る昼寝かな
- 指の跡顔に二本の昼寝かな
- 朝釣りは坊主なりしか昼寝人
- 千葉県 玉井令子
- 野暮用は昼寝の後に回しけり
- ステイホーム夢見の悪き昼寝覚め
- アンコールワット巡りは昼寝あと
- 海からの帰りの車窓昼寝中
- 昼寝中のタクシー並ぶ木陰かな
- 広島県 Dr.でぶ
- 昼寝して山手線は三周目
- 地に落ちる我にビクンと昼寝覚め
- 昼寝より呼び戻したる雨催い
- 岡山県 岸野洋介
- 孫昼寝何を夢見るうす笑い
- 床の間に足を向けたる大昼寝
- 網戸入れ透き来る風の昼寝かな
- 岡山県 岸野洋介
- 爺と婆真中に猫の昼寝かな
- 妻と義母仲良く並ぶ昼寝かな
- 千葉県 峰崎成規
- 魂の戻らぬままの昼寝覚め
- 腹満ちて牛になりたき昼寝かな
- 昼酒の五勺に深き昼寝かな
- 無遠慮な着信音の昼目覚め
- 早食ひすニッカポッカの三尺寝
- 東京都 服部かつこ
- いい日です昼寝ができて夫がいて
- 昼寝して夜も良く寝る妻がいる
- しあわせの数の一つや昼寝かな
- 静岡県 城内幸江
- 食材を全て切り終え大昼寝
- 昼寝の子読みかけの本顔の上
- 物音にすぐ飛び起きる昼寝かな
- そよ風に昼寝やさしくなりにけり
- リビングに余所行きのまま昼寝せり
- 神奈川県 沼宮内 薫
- 一番の趣味は昼寝と次俳句
- 犬猫を侍らす吾子の昼寝かな
- 職業欄無職と記して大昼寝
- 長生きはしまひと決めて昼寝かな
- 解剖学胸に伏せある昼寝かな
- 茨城県 小松崎孝志
- 健康の秘訣昼寝と早起きと
- 昼寝時公園に居る営業車
- あの頃は開けっ放しの昼寝なり
- 昼寝時じっとおしゃべり我慢の児
- 嬰児の刻々育つ昼寝かな
- 東京都 二川昌弘
- のりを超えず昼寝して待つ良き知らせ
- ギボウシは昼寝せず咲く日本橋
- 東京都 二川昌弘
- 昼寝して体力をつけ対コロナ
- 夏休み朝酒昼寝夕散歩
- 養生訓人混みを避け昼寝かな
- 沖縄県 稲福達也
- 昼寝覚廻る木馬は夢のなか
- 恐竜の玩具かたへに昼寝の子
- 老いふたり昼寝のあとの番茶菓子
- をちこちにニッカポッカの三尺寝
- 山口県 永野昌人
- あるまじき姿を晒す昼寝かな
- うつし世へまはり舞台や昼寝覚
- 極楽はこの世にもある昼寝かな
- 地下足袋を緩めて鳶の三尺寝
- 佳き風の四阿にふと昼寝かな
- 滋賀県 村田紀子
- 雨音で昼寝中断舟をこぐ
- 昼寝より覚めて草刈る手の速さ
- 昼寝時鳥の囀り子守唄
- 昼寝する子等に潮風祖母の声
- 鳥が二羽昼寝するなと鳴きだした
- 埼玉県 いまいやすのり
- 図書館に時に昼寝の営業マン
- 窓に聞く喇叭三声の昼目覚
- 野球子の縦横斜め昼寝かな
- トラックの木陰連なる昼寝時
- 起こさるる昼寝最中の俄雨
- 埼玉県 北川清
- 孫帰り 緊張とけて 妻昼寝
- 宝籤 家族に分けて 昼寝さめ
- 雷や 昼寝していて 蚊攻めあう
- 明神の 甘味処で 昼寝かな
- 授業中 園での昼寝 ひきずって
- 神奈川県 井手浩堂
- 遠山の雲をみてゐる昼寝覚
- 波音が子守歌なる昼寝かな
- 魂の抜けたるごとき昼寝覚
- 神奈川県 塚本治彦
- 釣人の潮時までの昼寝かな
- ヘルメット探してをりぬ昼寝覚
- あとのこと倅に任せ長昼寝
- 町医者の患者待たせて昼寝かな
- 昼寝覚まだ片足は夢の中
- 福岡県 深町明
- 買ひ物に乗せて行けとて昼寝して
- 三尺寝したしサグラダ・ファミリアに
- 考へる人の姿の昼寝かな
- 目を閉じて国境のなき昼寝かな
- どうしようもなく駐車して昼寝せむ
- 香川県 辰野
- 初恋の君に会いたし昼寝する
- 昼寝覚畳の跡のいつまでも
- 持て余す自粛期間を昼寝して
- 昼寝して話せた君は十五歳
- 大阪府 津田明美
- 昼寝覚ビデオ鑑賞最終章
- 時の軸ぐるり回れる昼寝覚
- 孫と言ふ小鬼居ぬ間の昼寝かな
- やんちゃくれ今浦島に昼寝醒め
- 昼寝覚現実逃避適わずに
- 神奈川県 海野優
- 昼寝していづこへ旅の寝言かな
- 一刻を一年ほどの昼寝覚め
- 河太郎の川の字を書き昼寝かな
- 東京都 山﨑勝久
- 昼寝する母娘くの字の相似形
- 昼寝覚アンコールへは大拍手
- 東京都 山﨑勝久
- 一向に時の進まぬ昼寝かな
- 群馬県 塩原香子
- 風通しよき茶の間にてつい昼寝
- 風の音水の音聞ゆ昼寝覚め
- 昼寝覚め意外や意外すっきりと
- 存分に昼寝をしたる遠き日よ
- 昼寝覚め厨事急ぐ薄暮かな
- 兵庫県 髙見正樹
- 昼寝覚まぶた開くも夢心地
- シーエムや昼寝を覚ますテレビ音
- 昼寝癖夜更し気味の八十路かな
- 大阪府 太田省三
- すぐ覚めし昼寝の夢にカツサンド
- ハーネスを解かれ昼寝のレトリバー
- 宅配便あわてて転ぶ昼寝覚
- 困迫の娘二階に大昼寝
- 三キロの太る早さや昼寝の子
- 福岡県 川崎 日知
- 昼寝してくせ毛の殊にまるまりぬ
- 0歳と同じ寝顔の昼寝かな
- 触れてみる昼寝の白き踝へ
- 神奈川県 塚本治彦
- 町医者の患者待たせて昼寝かな
- あとのこと倅に任せ長昼寝
- 昼寝覚まだ片足は夢の中
- ヘルメット探してをりぬ昼寝覚
- 釣人の潮時までの昼寝かな
- 宮城県 林田正光
- 一仕事終へてうたた寝昼寝かな
- カーテンが揺れて昼寝の顔覗く
- 新書読む五ページ進み昼寝かな
- 昼寝人起こさぬように忍び足
- 助手席の昼寝の吾子の無垢の顔
- 富山県 岡野 みつる
- 昼寝して午後のパワーを貰いけり
- 知らぬ間にネコの寄り添う昼寝かな
- 妻の声夢に交ざって昼寝覚め
- 大阪府 永田
- 合宿の寺の昼寝や五十人
- 昼寝覚T.P.O.を取り戻す
- 孫昼寝じいじも昼寝静かなり
- ええしのぼん昼寝といへどパジャマ着る
- 神奈川県 亀山酔田
- 昼寝して五臓六腑の伸びにけり
- 昼寝てふ薬要らずの医者要らず
- 一言も世辞が言へずに三尺寝
- 頬杖を机に託し昼寝せり
- 恐竜のタオルケットの昼寝かな
- 京都府 村田稔子
- 畳部屋 孫と小の字の 昼寝かな
- 耳元に ブーンと羽音 昼寝さめ
- 昼寝中 夢うつつなり 母の声
- 縁側に 孫と昼寝の 昼下がり
- 岐阜県 雅風
- 天国を下見してきて昼寝覚
- 枕辺にガンダム並べ昼寝の子
- 競馬紙を顔に親方三尺寝
- お目当てのパンダは昼寝ばかりかな
- 川の字が小の字となり昼寝人
- 東京都 豊宣光
- 阿弥陀仏光る昼寝の夢の中
- 縁側に体丸めて猫昼寝
- 昼寝よりさめて遅刻を急ぎけり
- ここからは昼寝の時間本を閉づ
- 老農夫大樹の陰の昼寝かな
- 神奈川県 池田恵美
- 嘘ひとつ言はざりし顔昼寝人
- 神奈川県 池田恵美
- 何か物つまむ指して昼寝の子
- ムーミンのタオルかぶつて三尺寝
- 神奈川県 原川篤子
- 三尺寝若き大工の脛長き
- 先ず母を捜す赤子の昼寝覚
- 預かりし子頬の涙の昼寝かな
- 傍に母のゐるかに昼寝覚
- かすかに笑む熟寝の嬰の昼寝かな
- 埼玉県 釜眞手打ち蕎麦
- 堂々と昼寝できる身眠くなし
- 180度時間のずれし昼寝覚
- 子供より父が先なる昼寝かな
- 神奈川県 龍野ひろし
- 縦横に動く園児の昼寝かな
- 目覚めてもいまだ目覚めぬ昼寝覚
- ふるさとの広き座敷に昼寝かな
- 埼玉県 小玉拙郎
- 木陰てふタイムマシンや昼寝覚め
- 昼寝しか手のない嵐宿の午後
- 昼寝する場所に惑うや十畳間
- 大の字をくの字に移す昼寝かな
- 三重県 後藤允孝
- 自堕落に猫も横たふ昼寝かな
- 会話ふと途絶ゆる母の昼寝かな
- 童顔となりし八十路や昼寝覚め
- 寝かす子の手の休みたる昼寝かな
- 寝返りを打つ子打たない子の昼寝
- 千葉県 長谷川ぺぐ
- 10分の昼寝に託す昼休み
- 徘徊の母今は亡き昼寝覚
- 神奈川県 矢神輝昭
- 山手線昼寝の一周昼休み
- 隣人の肩で昼寝のはらはらと
- 背の子の首そっ返し昼寝かな
- 神奈川県 矢神輝昭
- 昼寝の子おとぎの国より帰りおり
- 古女房少し口あけ昼寝かな
- 北海道 飯沼勇一
- 父白寿昼寝に昼寝また昼寝
- 旅をして来し目の園児昼寝覚
- 芸人のコマギレ昼寝出番待ち
- 伸びすれば猫伸び返す昼寝覚
- 外科病棟喋り鎮まる昼寝時
- 愛媛県 山家志津代
- つかの間の小町が妻の昼寝かな
- 世の中は何も変わらず昼寝覚
- 茨城県 長洲研志
- 亡き父のアルバムを抱き母昼寝
- 大谷の打席のみ見て昼寝する
- 昼寝する幼少の我母の手帳
- 本日は野球も中止昼寝人
- 青い空猫と庭師の昼寝顔
- 奈良県 平松洋子
- 児と昼寝遠くに学校チャイムの音
- 目覚めれば一駅のみの昼寝かな
- 寄り合うて車の陰に猫昼寝
- 埼玉県 章代
- その間も地球自転す長昼寝
- 昼寝覚指輪抜けなくなってをり
- 鳥取県 瀬尾 柳匠
- うつしよを少し離れし三尺寝
- 寝姿のよく似て吾子の昼寝かな
- 残業疲れ昼寝時間をまた延ばす
- 日を避けし大工仕事の昼寝かな
- 昼寝覚「お腹すいた」の第一声
- 滋賀県 別役昌子
- 昼寝猫独占したるカーポート
- 大昼寝独り居の午後もて余す
- 夜勤明けカーテン閉めて大昼寝
- 滋賀県 別役昌子
- 空室に座椅子並べて昼寝かな
- 一両の電車昼寝の母子乗せ
- 神奈川県 守安雄介
- コロナ禍や昼寝の顎の沈む首
- コロナ禍の電動お岩昼寝せり
- 孫去んで昼寝楽しむ爺と婆
- 爺婆に三児託せし昼寝顔
- 昼寝する緑陰に降る蝉時雨
- 東京都 高橋栄
- 昼寝する妻のひかがみまぶしかり
- 昼寝覚電車飛び降る隣り駅
- 丹念に夢たぐりゆく昼寝覚め
- 本堂にありがたき風昼寝かな
- 恐竜の色気にかかる昼寝覚め
- 神奈川県 町子
- 昼寝覚床に崩れしカーディガン
- 昼寝する気丈な母の笑いしわ
- 半畳で祖母はひっそり昼寝かな
- まぶた閉じ家電の響き昼寝かな
- 昼寝覚かすかに残る海の香や
- 神奈川県 安藤 真青
- 我慢する眼の先や昼寝かも
- 肌掛けをよけて仏間の昼寝ざめ
- 海風のそよとぬけたる昼寝かな
- 埼玉県 宥光
- 顔剃りの客の度胸や三尺寝
- 潮風に吹かれて深き昼寝かな
- 昼寝から覚めて幼の夢ばなし
- びくりとす右頬あたり昼寝人
- 昼寝より覚めて一歩の小さき幅
- 東京都 笹木弘
- 奈落の底まで見て来し昼寝覚
- 聞き覚えの声に起こさる昼寝かな
- 東京都 笹木弘
- 鍵掛けて充電中の大昼寝
- 無重力から戻り来し昼寝覚
- 大の字に五体投げ出し昼寝の子
- 埼玉県 水夢
- ケータイの音に目覚める大昼寝
- 腕時計外し昼寝の男かな
- 昼寝覚夢のつづきに母の顔
- 風かよふ広き座敷に昼寝かな
- 波はるか竜宮城で昼寝する
- 神奈川県 立野音思
- 一炊の昼寝はときに長き夢
- 名僧の法話も勝てぬ昼寝かな
- 足の裏見える昼寝や侘住ひ
- 大の字の昼寝姿や青畳
- 急襲に人馬驚く昼寝どき
- 愛媛県 山家志津代
- 大部屋の主役張りたる昼寝覚
- 愛媛県 加島一善
- 裾ただす母のをんなの昼寝覚
- 夢の野を半周残し昼寝覚
- 鉋屑敷いて大工の三尺寝
- 浮遊せし魂もどり昼寝覚
- 晴れの日も雨の日とても三尺寝
- 大阪府 酒梨
- 昼寝にも昼寝の作法ありしかな
- とほくより呼ぶこゑのして昼寝覚
- 川の字の真中は猫の昼寝かな
- 昼寝覚エスプレッソのプチカップ
- 口許のよだれ拭きつつ昼寝覚
- 千葉県 伊藤順女
- あの世からこの世にもどる昼寝覚
- 潮風に覚めし昼寝や旅の宿
- 徳島県 井内胡桃
- 昼寝する足へ顎のせ猫のタマ
- 徳島県 井内胡桃
- 猫そばに昼寝枕の置きどころ
- 昼寝中講師の声はしかと聴き
- 昼寝してシンクロナイズ猫と夫
- まだ其処に母の居そうな昼寝覚
- 東京都 右田俊郎
- 老いの身に日課の昼寝欠かせない
- 川の字に寝っ転がって昼寝の子
- 頬撫でる風に微笑む昼寝の子
- 園児らは昼寝の時間三時まで
- 腹掛けに金のひと文字昼寝の子
- 愛知県 斉藤浩美
- 勾玉のかたち昼寝のやすらけし
- 自堕落な姿さらして昼寝する
- 定年後昼寝浸りの日々となる
- 昼寝して昼寝の俳句考える
- 昼寝して活力少し戻り来る
- 東京都 中田ちこう
- 三尺寝足場の陰の缶ジュース
- 昼寝子の頬のプリントたたみの目
- 大阪府 鈴木千年
- 肘掛の肘の高さのよき昼寝
- 極楽の畳の上の昼寝かな
- 片目まだ眠つてをりし昼寝覚
- 忙中に珠の昼寝を賜りし
- 風が帆を操つてゐるよき昼寝
- 大阪府 鈴木三津
- 玉手箱開けたるやうに昼寝覚
- ここはどこわたしはだーれ昼寝覚
- 風鐸のことりと昼寝覚めにけり
- 大の字に小の字に子の昼寝かな
- 昼寝覚めしばし雲居にある心地
- 静岡県 大澤定男
- 遠縁の娘の婚や昼寝覚
- 静岡県 大澤定男
- 昼寝覚ホールの奥に電話室
- 母と寝て爺と目覚めて昼寝孫
- こんこんと老妻昼寝枯れざらむ
- 昼寝覚叔父満州に馬上杯
- 東京都 岩川容子
- 起こすには忍びがたきや昼寝顔
- 異国語の寝言も混じる三尺寝
- 電話鳴る夢か現か昼寝覚め
- 愉しみは昼寝の後の夕散歩
- 埼玉県 哲庵
- 目を開けたまま看護士の三尺寝
- 巣籠りて昼寝昼酒昼湯かな
- 大股を開いて昼寝カンガルー
- 社会的距離を保ちて昼寝かな
- ご隠居の特技は昼寝趣味昼寝
- 埼玉県 石塚彩楓
- 昼寝覚深廂より青き空
- 寝返りて胎児のごとく昼寝かな
- 夫と子の相似形なる昼寝かな
- ふるさとの風の中なる昼寝かな
- 畳の目頬に残して昼寝はつみ
- ブラジル 玉田千代美
- 昼寝覚む故郷と我家間違へり
- 昼寝して会ひたき夫に夢で逢ふ
- ブラジル 林とみ代
- 昼寝中と札を掛けたる扉かな
- 建築場に工夫寄り添ひ三尺寝
- 昼寝覚むコロナ無き世に遊びけり
- 潮風の誘ふ海辺の昼寝かな
- 乳母車に赤子スヤスヤ昼寝かな
- 神奈川県 重兵衛
- それぞれがおのれの形昼寝かな
- 夢でまた言訳してる三尺寝
- 神奈川県 重兵衛
- 夢多き若き男の三尺寝
- つかの間のバック・ツゥ・ザ・フューチャー昼寝かな
- 夜までの時間数へる昼寝覚
- 千葉県 風泉
- ・握握に小指つかませ添う昼寝
- ・「ジャッカルの日」一夜の読破や昼寝パワー
- ・コロナ禍や出控え太る昼寝癖
- 東京都 山本貴士
- 兄妹の企ての声昼寝覚
- 新しき道作る音昼寝かな
- へばりつく癖毛払ふ子昼寝相
- サヨナラの実況の声昼寝覚
- 懐かしきソテーの匂ひ昼寝覚
- 滋賀県 船岡房公
- 公園の脇のタクシー昼寝人
- パソコンを衝立にせし昼寝かな
- 空足を踏みし心地の昼寝覚
- 福岡県 西山 勝男
- 魂のあっけらかんと昼寝覚
- 昼寝して戦のことを忘れけり
- 昼寝覚はたと農夫の顔となる
- 読みさしの歳時記胸に昼寝覚
- 昼寝覚遺影の父に睨まれる
- 埼玉県 守田修治
- ライオンは威厳捨てたる昼寝どき
- 昼寝するサンチャゴ巡礼みち遠し
- 合宿の道着のままの昼寝かな
- 土曜午後ジャズを愉しむ昼寝かな
- 「鬼平」を二頁読んで昼寝かな
- 東京都 水野邦彦
- ご近所さん昼寝鼾に変はりけり
- あれこれと粛み疲れ昼寝たり
- 昼寝人にもう三時よと花時計
- 東京都 水野邦彦
- 初恋や昼寝の夢と覚めざらむ
- 山房の昼寝は覚めず草枕
- 鳥取県 475俳句
- 昼寝覚隣のいびきまだ愛し
- 野にリネン地球とひとつとなり昼寝
- 発電の羽根を休めて三尺寝
- 三尺寝耳に鉛筆差したまま
- 影揺れて昼寝の窓に猫来たる
- 北海道 風花美絵
- サバンナの雲ぽこぽこと昼寝する
- 夜も昼も眠れるものだ昼寝覚
- バオバブにハンモックさげ昼寝する
- 午睡(シエスタ)で田んぼ空つぽカンボジア
- 昼寝覚クメール遺跡ほほえみて
- 愛媛県 アリマノミコ
- 昼寝するキューピーちゃんに添寝する
- 人の世はラタトィユなり昼寝する
- 糖質オフ献立作り昼寝する
- なぜ夜が朝になるのか昼寝する
- 福岡県 多事
- 愛犬のベロの臭ひや昼寝ざめ
- 昼寝さめ畳男の腕である
- 昼寝子の足の石英ひかりけり
- 姉のよな犬にもたれて子の昼寝
- 欄干を踏み外す夢昼寝覚
- 埼玉県 飛翔
- 大の字に夫(つま)の昼寝や四畳半
- ちらつと笑む稚児の昼寝やベビーカー
- トラックの窓に足ある昼寝かな
- 昼寝より覚めてもどかし5分間
- 昼寝より覚めてこの世の人になる
- 神奈川県 水野伸一
- 昼寝する社長の眉間皺が寄り
- 神奈川県 水野伸一
- 昼寝覚め大漁旗まだ靡きけり
- 引退し堂々嗜む昼寝かな
- 披露宴中止と聞きて昼寝覚め
- 各停の企業戦士の昼寝かな
- 北海道 小殿原 あきえ
- 昼寝して砂漠の船に揺られけり
- バスキンのやうな姉妹の昼寝かな
- 着信を知らんぷりして午睡かな
- 東京都 豊島仁
- 突然の枕濡らすか昼寝人
- 幸せは昼寝の出来る世にありき
- 昼寝する後めたさと至福かな
- さまざまな事あれ先ずは昼寝から
- 救急車昼寝の我に迫りけり
- 神奈川県 髙梨袴
- 昼寝の子傍ら祈る爆心地
- 銅鑼焼を食べて腕白昼寝顔
- コロナ禍や昼寝の吾子の愛おしき
- 祖母眠る昼寝の顔の薄き髭
- 眠る子に添うや昼寝の猫つぐう