| 牡蠣船の幟を立てて船舫ふ |
生牡蠣を呑む人とゐる夜の雨 |
| お揃ひの姉様被り牡蠣割女 |
大盛のキャベツ従え牡蠣フライ |
| ぷるんと手応へ今日の酢牡蠣は太り肉 |
生牡蠣の喉ごしさやか見事なり |
| 生牡蠣や日本シリーズ野次りつつ |
潮の間を縫って岩牡蠣打ちにけり |
| 生牡蠣に海の匂ひを頬張れり |
牡蠣育つ我が故里に似たる浦 |
| 相性よき牡蠣とレモンとパリの空 |
大牡蠣やまず手計りに笑みが増し |
| 晩酌の酢牡蠣楽しむr月 |
ほめ言葉口元揺るぐ酢牡蠣かな |
| 牡蠣打の干潮に光る手鉤かな |
おんぶの子あやしあやされ牡蠣割女 |
| 牡蠣嫌ひ牡蠣の産地に生まれしに |
牡蠣鍋や八十路のぬくみ湯気のなか |
| ひと口に海を呑み込む酢牡蠣かな |
故郷の訛り耳底に牡蠣を剥く |
| 焼牡蠣の匂ふ松島瑞巌寺 |
眼裏に母のエプロン牡蠣フライ |
| 牡蠣の殻少しつきたる気仙沼 |
牡蠣鍋にふるさと思うほのぼのと |
| 牡蠣を剥く海の男の声がする |
味噌鍋の湯気立つ底で牡蠣を当て |
| 牡蠣食すつるんと喉に海の味 |
R無き月の生牡蠣ためらいし |
| 牡蠣の殻風紋に似た波の跡 |
牡蠣ガラを砕く鶏舎の朝かな |
| 酒の宴出番待つ牡蠣トロ箱で |
牡蠣鍋を言葉少なく連れの客 |
| 牡蠣鍋を皆で囲んで恵比寿顔 |
牡蠣鍋やそれぞれにある一家言 |
| 牡蠣割って海のミルクを吸ひにけり |
オイスターと言えば異国の牡蠣の味 |
| 妻は旅酢牡蠣肴に独り酌む |
かじかめる手を暖めて牡蠣割女 |
| 牡蠣殻の捨て場のなきや浜通り |
牡蠣鍋や兄弟船の鳥羽の宿 |
| 牡蠣鍋や友の久しく湯気囲む |
牡蠣鍋に一家の団欒ありにけり |
| 牡蠣鍋の煮加減幾度も箸突付く |
故郷のツーンと匂う酢牡蠣かな |
| 湾巡り生牡蠣出さる遊覧船 |
牡蠣飯や海のオゾンを散りばめて |
| てんこ盛りまたもお代り牡蠣御飯 |
潮騒も消えて牡蠣打つ媼かな |
| 牡蠣めしの牡蠣を選り出し椀に盛る |
学生街母似の女将牡蠣フライ |
| 生牡蠣の仰向き喉を滑り落ち |
牡蠣鍋や父差配する鍋奉行 |
| 松島や生牡蠣食べつつ遊覧船 |
牡蠣フライタルタルソースとよく似合う |
| 自生せしコロンコロンの牡蠣食みて |
土手に塗る味噌香ばしき牡蠣の鍋 |
| 少年の小さな冒険酢牡蠣食ふ |
松島や海光揺るる牡蠣筏 |
| 洋食や父と食べたり牡蠣フライ |
古里を出て五十年牡蠣の味 |
| 幼児を眼で追いつつも牡蠣割女 |
牡蠣鍋や会話の弾む夕餉かな |
| 生牡蠣に白ワインといふ至福かな |
干し柿のフライと思う牡蠣フライ |
| 貝塚や原日本人も牡蠣好み |
牡蠣鍋と聞いて微笑み電話切る |
| 一仕事終えて一献酢牡蠣かな |
アリゾナで小ぶり生牡蠣馳走なる |
| 牡蠣鍋は一子相伝母の味 |
牡蠣殻の無骨なかほを裏返す |
| 悴める指に息吹き牡蠣割女 |
牡蠣鍋の土手作りは夫任せ |
| 牡蠣筏星空仰ぐ夜釣りかな |
歳月の海の恵みや牡蠣美味し |
| いただきてフライグラタン牡蠣ごはん |
牡蠣舟の昭和は遠くなりにけり |
| 牡蠣食へば海の鳴るなり能登の果 |
牡蠣食めり風通りゆく森の香よ |
| 牡蠣鍋の煮えて宴の始まりぬ |
荒波の牡蠣のゆりかご静かなり |
| 豊穣の海が育む牡蠣の味 |
生牡蠣やギヤマンの皿にレモン添へ |
| 大勢で食べる旨さや牡蠣雑炊 |
海鳴りの音を食べてる酢牡蠣かな |
| 冷やされて海の香漂ふ生の牡蠣 |
ガラス皿牡蠣の香りを映しをり |
| ふらんすへ行きたし牡蠣とシャルドネと |
殻開けば海の宝石牡蠣白し |
| 牡蠣フライ夫はいつも笑顔です |
牡蠣好む厳格な父笑みゐたり |
| 帰省子の所望に母の牡蠣フライ |
牡蠣食めば口に広がる日本海 |
| 頬被りして朝市の牡蠣剥き女 |
鍋の牡蠣海の小さく固まりぬ |
| 殻つきの牡蠣の焼かるる炉辺かな |
ゆりかごの赤子のごとし殻の牡蠣 |
| レシピ付き産直の牡蠣着きにけり |
武装せど心清くと牡蠣を剥く |
| 海鳴りを子守唄として牡蠣育つ |
大殻の小さき牡蠣に当て外れ |
| 土手鍋の牡蠣の温む旧き縁 |
牡蠣を打つ音に夕日の沈みゆく |
| にぎやかに黙々さばく牡蠣割女 |
泣く声や背なの子あやす牡蠣割り女 |
| 牡蠣船や机も揺れる忘年会 |
牡蠣啜るのどごし海のうねりかな |
| 牡蠣割って女ばかりの笑い声 |
生牡蠣の喉ごしさやか杯すすむ |
| 淋しさや食わず嫌いの牡蠣海鼠 |
牡蠣かきの手の荒れるまま痛ましき |
| 牡蠣の香や冷たさ感じる水の色 |
旬の牡蠣啜る一日や途中下車 |
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