| シェーカーに梅酒と氷鬱も入れ | 梅酒初むキッチンドリンク入門者 |
| 遺されし梅酒熟成琥珀いろ | 柔らかに心清まる梅酒かな |
| 母おもひ梅酒飲みたし異国の夜 | 色変えぬ実のみ残りし梅酒瓶 |
| 母漬ける変わらぬ風味この梅酒 | 嫌な事洗い流すや梅の酒 |
| 朧げに母思う日や梅酒開け | 実の細る前に底尽く梅の酒 |
| 亡き母の思い出と飲む梅酒かな | 夕餉前二人静かに梅酒かな |
| 梅酒かぐ娘に映る母の笑み | 浸けた日の昭和の文字や古梅酒 |
| 梅酒瓶覗けば祖母の笑顔かな | 年を経て染まる梅酒の出来不出来 |
| 義母が来て梅酒の秘訣ひとくさり | うすまれど緑に透ける梅酒かな |
| 主婦三人昼の乾杯梅酒らし | 飲み物の中に梅酒や屋形船 |
| 腹痛の薬は祖母の梅酒かな | 着きしなに梅酒梅干し川の音 |
| 祖母ちゃんの秘蔵の梅酒あと僅か | 梅林を眼下に梅酒呑みゐたり |
| 嫁姑梅酒を造るころとなり | 黒塀の使者や梅酒が出来たとか |
| 晩酌は妻の造りし梅焼酎 | 恵比寿壜お多福壜の梅酒かな |
| 梅酒ビン眺めて母の顔を見る | 古り出でし梅酒宇宙の闇の色 |
| 五年もの梅酒飲みほし赤くなる | へたを取るどんな梅酒に育つやら |
| 手に持った梅酒の香り酔い誘う | リカー酒を青梅かける白い滝 |
| カリカリとかじる梅酒の青い梅 | どんな夢今宵見せるや梅酒飲む |
| 好奇心最初に飲む酒梅酒かな | 一杯の梅酒に和みゆく夫婦 |
| 乾杯は梅酒に決まり家族では | 点入る度一口の梅酒かな |
| 琥珀色梅酒に溶けし君の里 | 一杯の梅酒がひらく豊かな夜 |
| 梅酒飲む過去と未来は夢の中 | 手造りの梅酒にひとつ梅を入れ |
| 梅酒割るタイタニックの氷かな | 梅酒呑む昭和の歌など口ずさみ |
| セピア色梅酒は揺れて何もかも | 手づくりの梅酒のまろみ琥珀の夜 |
| 梅酒飲む娘はもはやアラフォーに | あなた様と杯せまほし梅酒よ |
| 頬染めて梅酒を含む乙女かな | 床下の梅酒誕生昭和なり |
| 転勤の任地の梅の梅酒かな | 梅酒すら酔うと云いしは結婚前 |
| 梅酒瓶日付は昭和の終の年 | ささやかな夕餉なれどもう梅酒そえ |
| ひらがなの母のレシピの梅酒漬く | 移りゆく世なり梅酒のブランデー |
| いささかの梅酒の酔いや早寝せむ | かざし見るワイングラスの梅酒かな |
| 梅酒漬く夜は指先に梅匂ふ | ラベルには昭和とありし梅酒かな |
| 瓶に古る梅酒の梅の琥珀かな | 甘き香よ別れ話で飲む梅酒 |
| こまごまと家伝のレシピ梅酒壜 | お祝いの言葉始まる梅酒かな |
| 賞味期限なくて楽しむ梅の酒 | 祖母の手に刻み込まれし梅酒の香 |
| 琥珀とは正にこの色梅の酒 | 久方も言葉もなくて梅酒つぐ |
| 亡母(はは)の文字壺に遺され古梅酒 | 広口の梅酒の蓋に昭和の字 |
| ビン揺すりグラスにとろりと梅の酒 | 梅酒の実噛めばふるさと濡れている |
| 瓶透けて犇く実の見ゆ梅酒かな | 梅酒瓶理科標本のように置く |
| 古梅酒古びし吾の楽しめり | 吾は酒妻は一粒梅酒の実 |
| ジムのあと喉に涼しい梅酒かな | 人生は酸いも甘いも梅酒かな |
| 祖母つける梅酒にたんとある甘さ | 婆ちゃんの知恵が溶け込む梅酒かな |
| 恋人ができて梅酒で乾杯す | 母の字の古い梅酒が棚の奥 |
| 子どもしかいぬのに何故か減る梅酒 | 母の分下げ忘れたる梅酒かな |
| 飲むほどに美人になってゆく梅酒 | 殊更に揺らす梅酒のコマーシャル |
| 風呂上り梅酒かビール迷う指 | 梅酒瓶天神様が透けて見え |
| 梅酒瓶いつしか減ってしまいたる | 世の中に梅酒で口説く野暮が居る |
| 梅の酒母伝来のレシピかな | 梅酒にもセレブは使うブランデー |
| 梅の酒母の遺作と言うべけり | 鮎焼きに一杯添える梅酒かな |
| 手間暇を惜しまぬ母の梅酒かな | 惜別に梅酒を呷り分かち合う |
| 年を経て昔を思ふ梅酒かな | 梅酒作り種抜き手伝い参加する |
| 年ごとに思い出熟す梅酒かな | 梅酒飲み今日は何だか素直だな |
| 梅酒酌む器は敢へて江戸切子 | いい香りリラックスには梅酒だね |
| 慎ましき献立に添ふ梅酒かな | 夕飯は梅酒があれば充分ね |
| 梅酒びん貼られし紙に祖母の文字 | 楷書にて年次貼り付け梅酒棚 |
| お開きは梅酒で締める婦人会 | 氷砂糖小さき手が出る梅酒漬け |
| 吉日を選びて梅酒漬けにけり | お引越し年代梅酒に遭遇す |
| 晩酌は妻に合わせる梅酒かな | 皺ぶれし梅酒の実よお疲れさん |
| 病弱の妻に購う梅酒かな | 禅寺の歴史語りつ梅酒かな |
| 水注され煙たがりたる古梅酒 | 梅酒飲めばとろりと夜の深むかな |
| 三分こそ梅酒ほどよき白磁杯 | 新婚のころの梅酒と思ひけり |
| ふくいくと昭和かほるや黒梅酒 | 梅酒舐め琥珀の海に横たふる |
| 炭酸の割る梅酒かな風呂上り | 琥珀色時経るほどに梅酒かな |
| 無二の友右手ぎやまんの梅酒注す | 古女房梅酒とともにまったりと |
| 椽下に文字は消えにし古梅酒 |
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