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海苔のうんちく

 海苔の語源は?
ヌルヌルするという意味の「ヌラ」がなまって「海苔」になったと考えられています。 平安時代は「紫菜(むらさきのり)」「甘のり」と呼ばれていましたが、地方により呼び名が変わり、江戸時代には「海苔」と呼ばれるようになりました。ちなみに、韓国で海苔は「海衣(ハイホ)」、中国では「紫菜(シーツアイ)」と呼ばれています。
 海苔は日本古来の食べ物。

670年頃に書かれた風土記には「常陸(ひたち)の国、ノリ浜で紫菜(むらさきのり)を干していた」という記述が見られます。また、大宝2年(西暦702年)に施行された大宝律令の中では、朝廷への調(みつぎ:現在の税金)として海産物29種の1つに指定されていました。そして、海苔が日本古来の食べ物であることを証明するものとして、神社で神様に捧げる供物“神饌”があります。例えば、伊勢神宮で神嘗祭(かんなめさい)を行う際にお供えする品物の中にも、海苔が入っています。

富士山
 海苔を作っているのは日本だけ?
本格的な海苔養殖をしている国は日本・韓国・中国の3ヵ国です。韓国の家庭では、塩味を付けたゴマ油をごく少量塗ってから、熱したフライパンに押し付けて焼き、4つに切って、食卓の上に盛上げます。この海苔で出されている料理を包んで食べるのです。中国では、お誕生日やお祝いの日には、海苔を入れたスープを作っています。
 2月6日は『海苔の日』です。

海苔の日

『海苔の日』は、海苔をたくさんの人に紹介し、生産者の皆さんが日頃の生活の糧である海苔に感謝の気持ちを表すために、昭和42年に設けられました。この由来となったのは、大宝2年(西暦702年)に施行された大宝律令の中で、海苔が産地諸国の物産に指定され、租税として徴収されたという記録にもとづいたもので、施行開始日である2月6日を『海苔の日』としたものです。

 海苔を数える単位“帖”“枚”。

紙や海苔のような薄いものを数える単位が“帖”です。紙の場合には、美濃紙で48枚、半紙ならば20枚、西洋紙ならば12枚が一帖。海苔の場合は、10枚が一帖となっています。今ではほとんどの海苔が焼いたり、焼いてから味を付けたりして加工されていますが、昭和20~30年頃までは加工された海苔は少なく、ほとんどが焼かないで売られていました。そのときの販売単位が“帖”であり、10枚だったのです。ちなみに、生産者と流通業者の間では、10帖をひとまとめにして紙の帯を付けた束を単位とし、それを“一把(わ)”と呼んでいました。

乾海苔
 全判海苔の大きさは?

全判の大きさは、縦21cm×横19cmと決められています。半端なサイズとなっているのは、昔から使っていた木枠や簀(す)のサイズの名残りなのです。

海苔簾
 焼いてこそ、海苔。
海苔の色

焼く前の海苔は黒紫色や黒褐色をしています。この色は、海苔に含まれている緑色の葉緑素、橙色のカロテノイド、紅色の紅藻素(コウソウソ)、藍色の藍藻素(ランソウソ)の4つの色素の色が混ざり合って生まれたものです。焼きますと、これらの色素のうち比較的熱に弱い紅藻素と藍藻素が減少します。そして、ほとんど変化しない葉緑素の緑色と元々含量の多い藍藻素の藍色によって、あの美しい“焼き色”が生まれてくるのです。
また、焼く効果は色素が変化するばかりではありません。熱によって、細胞を包んでいる膜の性質も変化し、昆布に含まれている「グルタミン酸」や鰹節に含まれている「イノシン酸」などの旨味成分や香り成分が自由に通れるようになり、海苔独自の美味しさや風味が楽しめるようになるのです。

【焼く前と焼いた後の色素組成の違い】
  焼く前(乾海苔) 焼いた後(焼海苔)
葉緑素(緑) 0.55%(100) 0.52%(96)
カロテノイド(橙) 0.16%(100) 0.15%(99)
紅藻素(紅) 3.78%(100) 0.34%(9)
藍藻素(藍) 2.60%(100) 0.48%(18)
数字は海苔100g当たりの% 弊社研究所データより(平均値)
( )内は乾海苔の含量を100としたときの焼海苔における各色素の残存率
【焼く前と焼いた後の旨味成分の溶出の違い】
  焼く前(乾海苔) 焼いた後(焼海苔)
グルタミン酸 324 1177
イノシン酸 58 159
アスパラギン酸 55 258
タウリン 309 1220
アラニン 267 1026
温水中に溶出した量 弊社研究所データより(平均値)
単位:mg/100g重量
 「浅草海苔」とは?
海苔の養殖が始まった江戸時代、東京の浅草近辺の海で採れた海苔を「浅草海苔」と呼んでいました。
また一説によると、浅草紙の漉き方に習ったため、あるいは、浅草観音の門前で売られていたため、という説もあります。
「浅草海苔」の品種名は「アサクサノリPorphyra tenera」といい、昭30年頃までは全国各地で養殖されていました。しかし、海況の変化や病害に弱いという難点があったため、アサクサノリよりも成長が早く、収穫量も多い「スサビノリPorphyra yezoensis」が養殖されるようになりました。現在、アサクサノリは、環境省のレッドデータブックにおいて、「絶滅危惧I類(CR+EN)」(絶滅の危機に瀕している種)に分類されており、非常に貴重な品種となっています。
 「一番摘み」「初摘み」とは?
各産地において、その年で一番最初に摘まれた海苔を「一番摘み」「初摘み」といいます(摘まれる時期は11月~12月頃)。タネ付けをしてから採摘まで30日位しか経っていない若い海苔で、柔らかく香りが良いのが特徴です。
また、一度海苔網上で伸びた大きな海苔の葉体を摘み採りますと、下についている小さな海苔芽が伸び始めて、10~15日後には再び摘める大きさにまで成長します。この海苔が「二番摘み」となります。この海苔は一般に、一番摘みの海苔よりも硬く、採取回数を重ねるごとにその硬さが増します。

弊社の進物商品の海苔は、ほとんどが一番摘みの柔らかい海苔を使用しています。

 海苔をおいしく保存するコツは?
●一度容器から出した海苔はなるべく戻さないこと。
一度容器から出した海苔を戻すと他の全部の海苔を湿らせてしまい、味を落とす原因となります。普段は、海苔を小分けして、手早く必要な枚数だけを出せるように、小出し用の缶を手元にお置きする事をお薦めします。

●乾燥した状態を保つこと。
密封容器に乾燥剤を入れたうえ、湿度のあまり上がらない冷暗所や冷蔵庫に保存することをお薦めします。(長期保存の場合は、冷凍保存がのぞましい)

●冷蔵・冷凍保管した海苔は、容器が外気に馴染んでから開封すること。

冷蔵 ・冷凍庫に入れておいた海苔を急に外気にさらすと、あっという間に空気中の水分を吸って湿ってしまいます。そのため、容器は室温に戻してから開封する事をお薦めします。
海苔が嫌うもの
海苔の保存方法
 湿気った海苔はどうしたら良いの?

湿気った海苔は再び元の状態へは戻りません。程度にもよりますが、傷んでいないようでしたら、簡単でシンプルな、海苔の佃煮や韓国風味付海苔を作ってみられてはいかがでしょうか。

自家製佃煮
自家製佃煮 〈材料〉
海苔 全型10枚
醤油 1/2カップ
みりん 1/2カップ
しょうが汁 少々
砂糖 適量
適量
韓国風味付海苔韓国海苔
〈作り方〉
1.  湿気った焼海苔を一度火であぶり、できるだけ細かく揉みほぐします。
2.  鍋に醤油、みりん、しょうが汁を入れてひと煮立ちさせてから、1の海苔を加えて、弱火でコトコト煮汁がなくなるまで煮込みます。 砂糖、塩は、お好みに調整し、仕上げてください。

フライパンに油を引き、食べやすい大きさに切った海苔をサッと炒り、塩をふります。
  参考文献:    
  のりおもしろ雑学事典(秀版社文庫)   大房 剛(農学博士、元弊社研究所所長)
  図説 海苔産業の現状と将来   大房 剛(農学博士、元弊社研究所所長)
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