| 穴あけて公魚釣りし日の遠く | 公魚の微かな魚信見逃さず |
| 公魚の舟にさざ波縺れけり | 公魚の肯ふやうに釣られけり |
| 公魚のしずかに釣られて来たりけり | 公魚の氷の下より寒きとこ |
| 団欒に公魚囲み笑顔咲く | うやうやとワカサギ釣りて捧げます |
| 雪国の獲れし公魚馳走なり | 釣れて良し釣れなくて良し公魚釣り |
| 糸を垂れキンと凍れりわが身かな | あわれみの心も釣って公魚釣り |
| 公魚や空を映して透き通り | 公魚や三枚におろすほどで無し |
| 公魚のかそけきいのち掌に | 公魚の湖にも迫る温暖化 |
| 公魚や月光とともに凍えけり | 公魚と遊びあそばれ瞬の賭け |
| 公魚や一族もろとも南蛮漬け | 公魚の訴へるやうな瞳かな |
| 公魚や酢の海沈む宴かな | 人釣って公魚一日楽しめり |
| 公魚を貧しく食べし廃屋か | 公魚の湖面に緩む水音かな |
| 甘露煮の公魚つつく嫁姑 | わかさぎの湖に見らるゝ一夜干 |
| 公魚の天を仰いで釣られ来し | 公魚や氷穴を天の窓として |
| 公魚の味は淡白吾(あ)にも似て | 公魚で込み合いたるや舟の中 |
| 公魚漁漢(おとこ)は猛し網を引く | 釣りあげて公魚の目の薄みどり |
| 公魚の焼き汁ぽたぽた火の噎び | 行く季節ワカサギ釣りで惜しむかな |
| 公魚や網揉みくちゃに犇めけり | 微かなる魚信逃さず公魚釣り |
| 舫解き公魚漁に船つづく | 告白を公魚釣りで決めてみん |
| 公魚やいのち犇めくひとつ網 | 公魚やげに群れたるやあな否や |
| 網抜けて跳ぬ公魚を宙に追ふ | 公魚の波を友にて旅立ちか |
| 藻の匂ひ纏ふ公魚網を引く | 公魚の氷穴に覗く湖の春 |
| 公魚の豊漁見送る茜雲 | 凍らずば公魚釣りを船上で |
| 公魚を揚げて夕餉の整へり | 瞬く間公魚跳ねて瞬かず |
| 芦ノ湖で公魚と富士去年の春 | 公魚の釣れるピッチに余裕でき |
| 紅梅を公魚に添えフライ食う | 公魚のぴくりと跳ねて動かざる |
| 公魚の氷を穿つ春の音 | 一日の釣果小鉢のさくら魚 |
| 公魚や老化防止の響きあり | 公魚と言ふ哀しみのありにけり |
| 公魚の獲りたてといふ湖の味 | 公魚の命多く食べ今日も生く |
| 公魚の釣られて氷まとひけり | 公魚や細身透かせて湖の色 |
| 春光が氷穴貫く公魚釣り | ぽつぽつと水輪現れけり公魚来 |
| みぞれ降る暗き湖公魚舟 | 水底の公魚あの少年の日の |
| 二度三度跳ねて公魚凍りつく | 公魚のフライになった背ピンと張り |
| 公魚のかなしからずや伊万里皿 | 公魚の釣果は問わず別れけり |
| からっと晴れて公魚を釣りあげる | 公魚釣り次第に迫る山の影 |
| 公魚の一族郎党釣られけり | 公魚や筑波颪を帆に受けて |
| 公魚の釣れる楽しみ夢心地 | 公魚の鱗弾けし親子舟 |
| 公魚の命一つをいただけり | 公魚の甘露煮とやら松江の味 |
| 公魚や湖春を揚げる音のして | 公魚の天麩羅もある退院日 |
| 公魚やアルミの皿をはみ出せり | 公魚や釣られて泳ぐ油かな |
| 釣り糸にわかさぎ値札のごと垂るゝ | 公魚の食ふをためらふ瞳かな |
| いくたびも氷穴を覗く公魚釣り | 公魚のフライにしたりよく跳ねる |
| 公魚を食べて身細る思いかな | 公魚や闇へと垂るる白き糸 |
| 公魚が棒のかたちに釣られけり | 公魚を二匹食して白寿かな |
| 公魚や釣られてすぐに油に浸かる | 公魚を夫婦で食べて久しいか |
| 公魚を手繰り春を掴みけり | 白鳥のやうに湖上を公魚船 |
| 公魚を釣れば後悔先に立つ | 公魚釣り湖上に春を手繰り寄せ |
| 公魚の命の味は酸っぱいか | 公魚を食べて夫婦で長話 |
|