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俳句庵2024年5月優秀賞発表

季題 

  • 薩摩路は海の碧さと夏蜜柑

    東京都 岩崎 美範 様

  • 夏蜜柑我が青春の味したる

    兵庫県 岸下 庄二 様

  • 暮れてなほ夕映え留む夏蜜柑

    千葉県 峰崎 成規 様

  • 夏蜜柑生き延びて今青空を

    神奈川県 亀山 酔田 様

  • 城山に残る碑文や夏みかん

    安立 公彦

安立 公彦 先生 コメント

五月の季題は「夏蜜柑」です。歳時記には、「夏(なつ)橙(だい)または夏柑(なつかん)を通年、夏蜜柑と呼んでいる。夏橙は、一七〇〇年代に山口県の海岸に漂着した柑橘の種を蒔いたことに始まり、その後広く栽培されるようになった。現在栽培されるものは「甘夏」と称し酸味、種子が少なくなった。晩春、初夏の代表的柑橘である。日本大歳時記 夏の部」。
五月の優秀賞は、東京の岩崎美範さんでした。この句、薩摩路が善く効いています。夏蜜柑も良く見ます。
 入賞の三句には、作者それぞれの人生が裏付けされています。岸下さんの、青春の味、峰崎さんの、夕映えに浮かぶ夏蜜柑の姿、亀山さんの句には、長い人生の過程を生き延びて来たという思いが、それぞれ俳句らしい韻律の許に、洗練された言葉で表現されています。

選者詠について、城山には、幕末の動乱の石碑が色いろとあります。それらは貴重な歴史の一端です。それらを見守る「夏みかん」の姿を描きた作った句です。

◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。

今月の応募作品

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