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俳句庵2025年3月優秀賞発表

季題 

  • 獺祭忌老いたる妻の声若し

    広島県 老人日記 様

  • 亡き友の文ならべ読む獺祭

    長野県 木原登 様

  • 獺祭人なき浜の潮香濃し

    北海道 さとうやすし 様

  • 獺祭禰宜の袴の浅葱色

    神奈川県 塚本治彦 様

  • 子と仰ぐ一樹の空や獺祭忌

    安立 公彦

安立 公彦 先生 コメント

初春の季語 獺祭(だっさい)を、歳時記は次のように記しています。
 「かわうそ」は、魚をよく捕まえるが、岸に並べて食べないので、それが祭の供え物のように見えるところから、獺が先祖の祭をしていると見られるようになり、「獺祭」と名付けられました。普通の俳人には、今一の思いのする季語と言えましょう。ここに紹介された「獺祭」の作品を見ると、その多様さに一驚する思いです。獺祭とは良く名付けられたものと思います。
 優秀賞の、「獺祭忌老いたる妻の声若し」作者は「老人日記さん79歳」俳人の思いにもいろいろあります。獺祭忌は、正岡子規の忌は、九月十九日。糸瓜忌(へちまき)とも言います。この句、中七下五が良く出来ています。
入賞句、佳句、共に良く出来ています。
 入賞の「亡き友の文ならべ読む獺祭」作者は「木原登さん84歳」、子規の忌を詠んだ句です。良く出来ています。
 入賞句「獺祭人なき浜の潮香濃し」さとうやすしさん
 入賞句「獺祭禰宜の袴の浅葱色」塚本治彦さん
それぞれの句に、背景が感じられます。
 佳句四句も同様です。佳句は季語に作者の思いが込められています。鑑賞の一助としましょう
今月の佳句。<獺祭や錦帯橋は茜空 岸野 孝彦>。<獺魚を祭る震災復興市 満月>。<新刊は平積みがよし獺祭 永井恒子>。<卓上に並べる薬獺祭 石塚彩楓>。

◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。

今月の応募作品

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