俳句庵2024年12月優秀賞発表
季題 12月 「除夜の鐘」
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老僧のひとり打ちゐる除夜の鐘
高知県 野中 泰風 様
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聞きゐるや逝きし弟除夜の鐘
岡山県 亀田 様
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離れゆく異国の船や除夜の鐘
東京都 町田 勢 様
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つつがなく生くる幸せ除夜の鐘
東京都 岩崎 美範 様
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除夜の鐘聞きし古里父母は亡し
安立 公彦
高知県 野中 泰風 様
岡山県 亀田 様
東京都 町田 勢 様
東京都 岩崎 美範 様
安立 公彦
安立 公彦 先生 コメント
十二月号の季題は「除夜の鐘」です。大晦日の十二時から各寺院で百八の鐘を撞きます。約一時間かかります。百八の煩悩を消滅するためです。除夜の鐘の音に、行く年、来る年の思いを深くします。
優秀賞は、野中泰風さんの句でした。老僧が主役です。「ひとり打ちゐる」に、深い思い入れを感じます。「老僧」も適切です。
入賞及び佳作の句も、それぞれ自立した思いに充ちる句です。
今月の佳句。<特養の妻除夜の鐘一人聞く 川島欣也>。<鳴り終えて闇静かなり除夜の鐘 豊宣光>。
<偕老となりて沁みじみ除夜の鐘 山田ひろ志>。<除夜の鐘残り少なき余生かな 右田俊郎>。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。