俳句庵2025年4月優秀賞発表
季題 4月 「入学試験」
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こんなにも広き大ぞら受験終へ
群馬県 坂口いちお 様
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入学試験終へし我が子の肩を抱く
千葉県 塩野谷慎吾 様
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靴の紐固く結びし受験生
静岡県 城内幸江 様
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受験生頼れるものは我のみぞ
神奈川県 沼宮内薫 様
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青空を仰ぐ楽しさ入試終へ
安立 公彦
群馬県 坂口いちお 様
千葉県 塩野谷慎吾 様
静岡県 城内幸江 様
神奈川県 沼宮内薫 様
安立 公彦
安立 公彦 先生 コメント
皆さんの句を見ていると、過ぎ去った日々のことなど思い出されます。どの句にも入試の思いが出ています。試験を終えて、空を見上げる思いが出ています。試験を終えて、空を見上げるのは、人としての素直な思いです。どの句にも、受験生への思い遺りが出ています。夫れ夫れの人にとって、試験は大事な人生の一ときです。こういう句を作ることも、大事な人生の一ときです。
優秀賞の坂口さんの句。試験を終えた安堵の思いが、良く出ています。上五中七にその思いがこめられています。
入賞の塩野さんの句。入学試験を終えたのは、「我が子」です。下五が良く出来ています。城内さんの句。これから試験場に入る受験生の思いが、上五中七に良く出ています。沼宮内さんの句。この「我」は受験生そのものです。わが身を励ましています。下五がよろしいです。
佳句の渡嘉敷五福さんの句。受験子の列遅速なく、が宜しいです。上五が良く景を出しています。宮川さんの句。これから受験する受験子の思いが中七下五に良く出ています。山野さんの句。中七の、素直な顔に戻りけり、が合格子の思いを良く出しています。木原さんの句。上五中七が宜しいです。「富士」が良く思いを託されている句です。
今月の佳句。<駅を出て受験子の列遅速なく 渡嘉敷五福>。<入試へと見上げる空の澄みわたり 宮川幸子>。<合格子素直な顔に戻りけり 山野洋一>。<富士に手を合はす入学試験の子 木原登>。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。