新潟県 松井 宙岳 様
埼玉県 石塚 彩楓 様
大阪府 津田 明美 様
茨城県 小山 吾浪 様
宮崎 洋
今月の季題は「梅干し」。「梅干(し)」は、晩夏の季語。傍題に「干梅」「梅干す」「梅漬」「梅筵」など。青梅を塩で漬け、紫蘇壺の紫蘇に染めて漬けなおし、筵にひろげて土用に三日三晩干す。赤い実が酸っぱい匂いを漂わせる。日本人の生活に深く根をおろした食品。固定観念に捕らわれない作者自身の発見が大切。 松井宙岳さんの句。佳句とは読者に想像の余地を残してくれる句。今年初めての干梅の香。我が家もそろそろと思いつつ睡りに。梅を干す季節になったというめでたさがある。 石塚彩楓さんの句。干梅と何も関係ない「海の音」を取り合せて詩になった。生活(たつき)とあるので作者は梅干作りを生業としているのだろう。 津田明美さんの句。やっとあす退院できる喜びと、これからの意気込みが全粥の梅干の色に象徴されている。作者の思いが伝わる。 小山吾浪さんの句。梅を干すのは土用が多い。もうすぐ子供たちが里に帰ってくる。「子ら待つ里となりにけり」の措辞に、子供を待つ気持と、迎える準備が整った安堵感がある。 今月の佳句。<梅仕事とはきれいな言葉梅漬る 亀山酔田>、<梅干しや愚直に生きて老いのどか 老人日記>、<干梅に星の雫のきらきらと 石塚彩楓>、<熱き茶に梅干し入れて冷ましけり 山野洋一>。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。
今月の応募作品
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宮崎 洋 先生 コメント
今月の季題は「梅干し」。「梅干(し)」は、晩夏の季語。傍題に「干梅」「梅干す」「梅漬」「梅筵」など。青梅を塩で漬け、紫蘇壺の紫蘇に染めて漬けなおし、筵にひろげて土用に三日三晩干す。赤い実が酸っぱい匂いを漂わせる。日本人の生活に深く根をおろした食品。固定観念に捕らわれない作者自身の発見が大切。
松井宙岳さんの句。佳句とは読者に想像の余地を残してくれる句。今年初めての干梅の香。我が家もそろそろと思いつつ睡りに。梅を干す季節になったというめでたさがある。
石塚彩楓さんの句。干梅と何も関係ない「海の音」を取り合せて詩になった。生活(たつき)とあるので作者は梅干作りを生業としているのだろう。
津田明美さんの句。やっとあす退院できる喜びと、これからの意気込みが全粥の梅干の色に象徴されている。作者の思いが伝わる。
小山吾浪さんの句。梅を干すのは土用が多い。もうすぐ子供たちが里に帰ってくる。「子ら待つ里となりにけり」の措辞に、子供を待つ気持と、迎える準備が整った安堵感がある。
今月の佳句。<梅仕事とはきれいな言葉梅漬る 亀山酔田>、<梅干しや愚直に生きて老いのどか 老人日記>、<干梅に星の雫のきらきらと 石塚彩楓>、<熱き茶に梅干し入れて冷ましけり 山野洋一>。
◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。
今月の応募作品