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俳句庵2025年12月優秀賞発表

季題 12月 「ポインセチア」

  • ポインセチア去年は君がいた窓辺

    東京都 坂下しわ 様

  • ポインセチア街のそはそはしてきたる

    兵庫県 岩永靜代 様

  • 下駄箱にポインセチアの席ひとつ

    茨城県 杉山滿 様

  • ポインセチア心病む日の置き処

    東京都 町田勢 様

  • 役目終へてポインセチアを風に置く

    宮崎 洋

宮崎 洋 先生 コメント

ポインセチアはメキシコ・中米原産。葉が緋色になり、花弁に見え美しい。クリスマスの鉢物として花屋で売られる。傍題 猩々木

坂下しわさんの句。失恋かあるいはご不幸があったのか、昨年君がいた窓辺に君の代りに置かれたポインセチア。その真っ赤な色が悲しみを誘う。
岩永靜代さんの句。クリスマスが近づいた。街のあちこちでポインセチアが飾られ、作者の心はそわそわ。物事の細部ではなく、景を大きくとらえたのが良い。
杉山滿さんの句。下駄箱でポインセチアを育てているのだろうか。登校時・下校時に挨拶をする。発想に新しみのある句。
町田勢さんの句。鬱とは全く縁のない華やかなポインセチア。作者には眩しすぎるのだろう。「置き処」の措辞が上手い。

今月の佳句。
<愛誓うポインセチアの顔真っ赤 噂野アンドゥー>
<人招くポインセチアの咲く出窓 金子加行>
<家家のポインセチアや帰港船 立野音思>
<交番の窓辺のポインセチアかな 志村宗明>

応募句で目立つのは、「窓」「出窓」「窓辺」の句。新しみのある句は選にいれましたが、今までにない発想が必要です。また「緋」「赤」「紅」などの色を入れた句も大変多いです。「ポインセチア」とあれば色はすぐ浮かぶものです。わざわざ色を言う必要がありません。俳句は不必要なものは出来る限り削りましょう。そうしてこそ季語が活きます。

◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。

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