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俳句庵2026年3月優秀賞発表

季題 3月 「雪解」

  • 雪解や父の日誌の但し書き

    岐阜県 谷弘行 様

  • 雪解けて見守るだけの反抗期

    埼玉県 わたこと 様

  • 公園の移動図書館雪解晴

    神奈川 塚本治彦 様

  • 雪とけてややの笑ひの太さかな

    宮崎県 山下守 様

  • 水底にコインのひかる雪解かな

    宮崎 洋

宮崎 洋 先生 コメント

「雪解」は冬季に積雪の多い雪国の季語。春が来て温かくなり積った雪が解けることを言う。
 傍題に「雪解(ゆきげ)」「雪消(ゆきげ)」「雪解水」「雪解川」「雪解風」などがある。

 谷弘行さんの句。父の日誌は農日誌だろう。雪が解けて亡き父の日誌を開くと、但し書きが欄外にある。農業に生涯をかけた父の生真面目さ、そして子に継いで欲しいと言う思いが滲む。「雪解」の季語が動かない。
 わたことさんの句。雪が解けると、子が家を出て行って帰ってこない。ぶらりと帰ってきてはまた居なくなる。雪解が子の反抗心まで解放してしまった。そっと見守るのが一番の親心。
 塚本治彦さんの句。雪解が進むと雪で閉ざされていたものが動き出す。掲句では「移動図書館」。公園で本を広げる大人や子供たち。春が来た楽しさが溢れる。「移動図書館」の発見が見事。
 山下守さんの句。雪解けに笑い声が大きくなる。高くなる。掲句はややの笑いが太くなると表現した。「太さ」に着実なややの成長を感じる。

今月の佳句。
<山雪解光まみれに狐の子 飯田冬眞>
<住み古りて雪解雫の三拍子 藤谷幸恵>
<雪解川捨てられぬ夢ひとつあり 葦たかし>
<身ごもれる報せを運び雪解風  飯田冬眞>

 「雪解富士」を詠んだ句がいくつか見られたが、「雪解富士」「富士の雪解」は夏の季語。
 「雪解」の傍題にはならないので注意が必要。

◎ 優秀賞、入賞に選ばれた方には、山本海苔店より粗品を進呈いたします。

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